フィリップ・リドリー×白井晃の新作は、高橋一生&吉高由里子&キムラ緑子の三人芝居
イギリスの劇作家フィリップ・リドリーの戯曲『レディエント・バーミン Radiant Vermin』が、白井晃の演出により、7月にシアタートラムにて日本初演される。
リドリー×白井作品は、これまでに『ピッチフォーク・ディズニー』(02年)や『マーキュリー・ファー』(15年)などを上演してきた世田谷パブリックシアター/シアタートラム。5作品目となる今回は、残酷な秘密が隠された“夢の家”をめぐる3人芝居だ。
キャストには、白井作品にはこれが4度目の出演となる高橋一生、『大逆走』に続き2作目の舞台挑戦となる吉高由里子、そして、白井作品初登場のキムラ緑子というメンバーがそろう。高橋&吉高は、理想の家を探す若夫婦オリー&ジルを、キムラは、彼らの前に現れる謎めいた家の仲介人ミス・ディーをそれぞれ演じる。
■白井晃
フィリップ・リドリーの作品を世田谷パブリックシアター/シアタートラムで上演するのは本作で5度目になります。02年に上演した最初の作品から、すっかりリドリーの魅力にとりつかれたのですが、時を経て、彼が描く作品がより切実味をもって私たちに迫ってきていると感じています。本作はこれまでの作劇法とは違う、新しい部分がありながらも、人間の本質を鋭く突き付けるような作品です。最初に読ませていただいた時に、大きなショックと感動を受け、リドリー作品を演出してきた者として、これは今すぐに上演しなければいけないと、一種義務感のような思いがわいてきました。信頼をしている高橋一生さん、そして、初めてご一緒する、とてもチャーミングで魅力的な吉高由里子さん、素晴らしいベテラン女優のキムラ緑子さんとともにつくる世界を、ぜひ体感していただけたらと思います。
■高橋一生
フィリップ・リドリーと白井さんの作品に出演させていただくのは2度目、白井さんとはもう4度目となります。僕は白井さんとお仕事をさせていただくことをライフワークにしていきたいと思っていますので、また白井さんの所に戻って来られるうれしさが、今、何よりもまず先行しています。また、吉高さん、キムラさん、初めて共演させていただく方たちと一緒ですので、その喜びと楽しみだけで稽古前までは過ごせそうです。前作『マーキュリー・ファー』は予言書のような作品で、作品が現実とリンクしていくさまを目の当たりにするという生まれて初めての体験をしました。今回もきっと
面白いものができると僕は確信しています。
■吉高由里子
昨年の2月に白井さんが演出をされた舞台『マーキュリー・ファー』を観させていただきました。自分の身体の中が異常に興奮したことを今も覚えています。その時は、まさか自分がフィリップ・リドリー作品に出るなんてことは思いもしていなかったので、生きていると何が起こるかわからないなぁとあらためて感じています。このたび、私の大好きな作家さんの作品と大好きな演出家さんと尊敬している役者さんに没頭できる機会をいただきました。その期間と出会いを、とても楽しみに大切にしていきたいと思います。
■キムラ緑子
白井晃さん、高橋一生さん、吉高由里子さん、私にとって初めての方ばかりです。そして、同時代の劇作家が書いた翻訳劇への出演、また、シアタートラムの舞台に立つことも久しぶりですので、とても新鮮な気持ちで挑ませていただくことができそうです。一筋縄ではいかない戯曲の中で、高橋さん、吉高さん演じる夫婦と相対する一筋縄ではいかない役を演じますので、白井さんや皆さんとたくさん対話をし、稽古を積み重ねながら、濃密な芝居を皆さんにお届けできたらと思います。
『レディエント・バーミン Radiant Vermin』
【スタッフ】作=フィリップ・リドリー 翻訳=小宮山智津子 演出=白井晃
【キャスト】高橋一生/吉高由里子/キムラ緑子
2016年7月12日(火)〜31日(日)
・会場=シアタートラム
・一般前売=5月22日(日)開始