残り日数わずか!3月限定・恋川純弥座長公演in梅田(大衆演劇の入り口から・番外編)
左から葵好太郎座長、葵翔太郎さん、恋川純弥座長、山田純平さん(3/20特別ゲスト)、葵智也さん、長谷川桜さん(2016/3/20)
一座が観られるのは3月の大阪・梅田だけ! 恋川純弥座長の公演は、千秋楽3/29(火)に向け、さらに勢いを増している。
恋川純弥さんは、精微な芸と強烈なカリスマ性で大衆演劇界の中でも稀有な存在だ。普段はフリーの役者さんとして活躍しており、様々な劇団のゲストとして、その舞台を堪能することができる。
恋川純弥座長(2016/3/20)
しかしこの3月、純弥さんは6年ぶりに一座を率いて、「座長」として梅田呉服座で公演中だ。
「やっと座長の純弥さんを観れる!ずーっと待ってた!」「懐かしい~6年ぶり!」
初日3/2(水)、梅田呉服座・恋川純弥劇団の公演が開幕するなり、多くの大衆演劇ファンのブログに歓喜の声が上がった。
梅田呉服座の公式サイトのコメントも熱い。<あの大衆演劇界の大スター恋川純弥が、やっと帰って来ました。久しぶりの座長公演です。純弥ファンはこの日が来るのをどれだけ待っていたことか。華麗で端正な純弥ワールドに酔いしれてください。>
この熱気に接したく、筆者自身も3/20(日)昼の部、新幹線で大阪へ。JR梅田駅から歩いて「プラザ梅田ビル」に着くと、ファンが続々とエレベーターで5Fの梅田呉服座へ上がっていく。247席の梅田呉服座はほぼ満員だった。
恋川純弥座長(2016/3/20)
芝居『浅間しぐれ』が開幕してすぐ、舞台に駆け出てきた純弥座長。その股旅姿の美しさに目を見張った。純弥座長演じる喜太郎は、命をかけた喧嘩に向かう。そこへ三河家涼さん演じる母が、食事の膳を持ってくる。
「これから喧嘩に行くそうな…腹が減っては戦はできんと言うじゃろ、な、これ食べて行きなされ」
「俺に、食べさせてくれるのか」
「食べて行きなされ」
「ありがたく頂戴―いたします…!」
甘さのある声が響く。草鞋を履いたまま畳にどっしり腰かけて、すらりとした両足は地面につけて。右手にお箸、左手にお椀を持った全身が、一枚の絵のようなバランスだ。
舞踊ショーではうってかわって、大迫力の殺陣(たて)や透明感のある女形を見せ、会場は大いに沸いた。
恋川純弥座長(2016/3/20)
恋川純弥座長(2016/3/20)
また、一座に集まったメンバーはいずれも実力者ばかり。中でも来月旗揚げをする葵好太郎座長(劇団舞姫)や、巧みな芸で知られる女優・三河家諒さんが、純弥座長と息の合った舞台を作り上げている。
葵好太郎座長(2016/3/20)
三河家諒さん(2016/3/20)
「僕自身も楽しんでいる公演なので、みなさんも一緒に楽しんでいただけたら」
純弥座長は口上で、客席一人一人の顔を見つめながら語った。“今月限りだから、めいっぱい楽しもう”。そんな意識がお客さんの側にもあるのか、客席の反応はとにかく大きい。芝居中にアドリブでギャグが飛べば、アハハハ!と声を上げていっせいに笑う。純弥さんが舞台に出るたび、大拍手と「純弥!」「純弥!」の掛け声。幕が閉まってすぐ、「今日も最高!」とつぶやくお客さんもいた。
梅田呉服座は、梅田駅そばのプラザ梅田ビルの5Fにある、映画館のようなきれいな劇場だ。
梅田呉服座外観・内観
夜の部は18:00開演なので、お仕事帰りの方もぜひ。千秋楽3/29(火)昼の部まで、残り日数はわずか。“恋川純弥”という役者さんと同時代の大衆演劇ファンとして、見届けておきたい公演だ。
ラストショーは大盛り上がり(2016/3/20)
会場:梅田呉服座 公式サイト
期間:3/2(水)~3/29(火) 昼の部まで