下手な言葉より雄弁に語りあう身体と身体。「談ス」

レポート
舞台
2016.3.4
「談ス」 撮影=matron

「談ス」 撮影=matron

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3月3日(木)東京・イイノホールにて「談ス」の上演がスタートした。
「談ス」とは大植真太郎、森山未來、平原慎太郎という3人のダンサーによるパフォーマンスだ。

3人の動き、そこから生まれるものは文章ではなかなか表現しづらい。ただ、この動きに近いものをどこかで見たことがある。

「談ス」 撮影=matron

「談ス」 撮影=matron

子どもたちが放課後、自由にルールやお話を作って遊んでいるさまだ。
「身体のどこかがくっついていたらセーフ、離れたらアウト!」
「この地面に描いた線の外に出たら3秒ルールで返ってくること!」
「今、透明人間と戦っているから!このエリアに入ったら一緒に戦うんだ」

「談ス」 撮影=matron

「談ス」 撮影=matron

ルールや物語は彼らの中で目まぐるしく変わる。時々一抜けして休んでもOK。
でもそれで不思議と調和がとれているのだ。

ハタからその様子を眺めていると、最初のうちは「この子たちはいったい何をしているんだろう」と思うだろうが、その様子をのんびり眺めているうちに、いつしか彼らの中のルールや物語性が見えてきて、思わぬ動きに笑いや驚き、ときに感動すら感じてしまうのだ。

「談ス」 撮影=matron

「談ス」 撮影=matron

さて、いま目の前にいるのは子どもたちではなく、立派に育ち切った3人の大人たちだ。彼らはその恐るべき身体能力を使って、自由で不思議な世界を生み出している。
身体と身体が触れて、離れて、また触れる。手で、肩で、胸で、腰で、脚で、つま先で。意味があるようでないような言葉もときどき放たれるが、たぶんそれ以上に身体が雄弁に語りあっている。汗だくになりながら。

「談ス」 撮影=matron

「談ス」 撮影=matron

「談ス」ののキャッチコピー、「躍動するカタマリ、寝ても覚めても水と酸素と体とチョーク。 踊るなら止まるな、止まるならこの指止まれ!」

この一文をそのまま体現したような約70分のステージだった。実におもしろく、最後の最後まで見入ってしまった。
ぜひ一人でも多くの人に直接体感してもらいたい。

最後に大事なことを一つ。
観劇当日はなるべく早めに着席することをオススメしたい。そして上演前の会場アナウンスから楽しんでいただきたい。
その段階からすでに「談ス」は始まっている。

公演情報

「談ス」

◆日時・会場:
東京公演 2016年3月3日(木)~8日(火) イイノホール
名古屋公演 2016年3月9日(水) アートピアホール
大阪公演 2016年3月11日(金)~13日(日) 大阪ビジネスパーク円形ホール
松本公演 2016年3月14日(月) まつもと市民芸術館 実験劇場
金沢公演 2016年3月16日(水) 金沢市文化ホール
新潟公演 2016年3月17日(木) りゅーとぴあ・劇場
青森公演 2016年3月19日(土) リンクモア平安閣市民ホール(青森市民ホール)
仙台公演 2016年3月20日(日) 仙台電力ホール
札幌公演 2016年3月22日(火) 道新ホール
京都公演 2016年3月24日(木) ロームシアター京都 サウスホール
広島公演 2016年3月25日(金) 広島市南区民文化センター
福岡公演 2016年3月26日(土) アクロス福岡 イベントホール
大分公演 2016年3月27日(日) 大分コンパルホール
沖縄公演 2016年3月29日(火) 国立劇場おきなわ
 
◆構成:大植真太郎
◆振付・出演:大植真太郎 森山未來 平原慎太郎
◆公式サイト:http://dansu2016.com/

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