「曇天に笑う」再演!曇三兄弟を演じる玉城裕規、植田圭輔、百瀬 朔の胸の内は?

2016.4.7
インタビュー
舞台
アニメ/ゲーム

舞台「曇天に笑う」(左から)百瀬 朔・玉城裕規・植田圭輔


オリジナル・キャラクターと独自の切り口で大ヒットを飛ばした舞台『曇天に笑う』が熱いアンコールの声に応え、ついに再演決定となる。今回は町に災いをもたらす大蛇をめぐるサスペンスを主軸に、兄弟愛、人間愛を描く、涙と笑いの明治婆娑羅大活劇! 本作で、曇三兄弟の長男、曇 天火(くもう・てんか)を演じる玉城裕規、次男の曇 空丸(くもう・そらまる)役の植田圭輔、三男の曇 宙太郎(くもう・ちゅうたろう)役の百瀬 朔に話を聞いた。


――昨年の初演に続き、再演が決定となったときいてどう思われましたか? 

玉城: またやるんだって思いました。嫌とかではないです。やった!とは思いました。でも僕、歳を取るからついていけるかなと。でも1年しか経っていないですし今のところはついていけてます。とはいえ、時間が経った気もしますね。キャストが変わるということだったので、ゼロからではないですけど、また新しい作品を作ろうっていう方が強いですかね、再演というよりも。

――植田さんは今回初出演となりますが。

植田: 玉ちゃん(玉城)が出演する作品というのは知っていたのですが、再演になって自分が入ると思っていませんでした。今までだと兄弟の末っ子とか一番年下の役というのが多くて。そろそろいい年だし、こういったところで戦っていかないといけないなと思っていたので、三兄弟の真ん中という役に光栄だなと思いつつ、かつ、玉ちゃんの面倒を見るか!という感じですかね。

玉城: 見てもらおうかなと思っていました(笑)朔ちゃん(百瀬)とチャンウエ(植田)に面倒を見てもらうかなと思っていますので。

――植田さんが演じる空丸は、真面目で努力家で、お兄ちゃんと弟に振り回されるっていう役どころですが。実感ありますか?

植田: 僕は姉1人と妹が2人いるのですが、兄がいて弟がいるということに憧れがありました。好きな俳優さんと好きな兄弟をやらせていただくことは本当にありがたいことだなと思います。

舞台「曇天に笑う」植田圭輔 (撮影=こむらさき)

――下に弟(百瀬)もいますしね!

植田: めっちゃ可愛いです!

玉城: 俺の勝手な印象なんですけど、朔君は可愛い可愛いって感じではないんだろうなって。だからこそこの役をできるんだろなって思いました。

――百瀬さんは、役作り的に難しいところ…幼い感じを出していたと思いますが。

百瀬: 僕は衣装が特徴的でこの帽子を被ってこそ宙太郎、というのがあるので、僕自身があまり役を意識するより、着たらそう見えるかなって、衣装に助けてもらっている部分もあるかなと思いました。

百瀬朔(曇宙太郎) ©唐々煙/マッグガーデン  撮影:渡部孝弘

――今回ベーシックな部分では物語は変わっていないですけど、キャラクター同士の関係性が面白くなってくるんだろうなって思うんです。今回の再演に対して期待していることなどありますか? 

玉城: 全部ですね。全てだなとは思いますけど、(演出の菜月)チョビさんも前回から変えてくるのかなと。期待しますよね。どう変わったりするのかであったり、プラス、新しいキャストが入ったことによっての変化の仕方は凄く楽しみですね。空丸をチャンウエがどう演じるのかが楽しみですし、松田凌が金城白子をどう演じるのかも楽しみですし。ワクワクしますよね。

――百瀬さんは?

百瀬: 空丸と金城白子という役は前回も物語の軸にいて結構主に話を動かす…展開させるのがお二方だったのでそれが前回のキャストと異なるとなると、自分も違うものが出せるのではないかな、と期待しています。また、作品としても面白いものが出せるのではないかなと思いますね。

――植田さんは空丸という役をどう演じてみたいと思いますか?

植田: 原作の役を単純に追うことはしないと思います。前に佐野岳君がやられていて、でも自分なりのやり方がありますし、再演ということで「パワーアップしてかえってきた!」って絶対言われますよね。もちろん、そう言わせないといけないですし。割と僕も負けず嫌いなところもあるので、「これもアリだな」と思ってもらいたいし、初めて観る方も多いと思うので、そういった方にも分かりやすく、やっていけたらなと思いますね。

植田圭輔(曇空丸) ©唐々煙/マッグガーデン  撮影:渡部孝弘

――前作の空丸役・佐野さんはものすごい身体能力の持ち主だったじゃないですか。

植田: はっきり言ってしまうと、身体能力的には僕の方が全然だめだと思う(笑)。ただ、僕だからこそできることもあると思うんです。10年くらい舞台の仕事をさせていただいていて、違うところでの戦い方、アプローチの仕方があると思うので、自分がやってきたものを信じたいと思います。

――頼もしい次男坊ができたという状況ですが、すでに1回経験されているお二人からアドバイスをするならどんなことを伝えたいですか?

玉城: アドバイスは全くないですね。

舞台「曇天に笑う」玉城裕規 (撮影=こむらさき)

――と言うと?

玉城: せっかく素敵な役者さんが集まっているから、自由というか、やりたいようにやった方が面白くなると思うから。どこを気をつけたらよいかというのもないですし、リクエストもまぁないですね。体力があった方がいいなとは、稽古をやる上でも思いますが。筋トレとか、チョビさんの熱量をちゃんと受け止められるような熱さが必要だと思いますね。

――チョビさんの熱量、すごいですか?

百瀬: すごいですね。小柄で可愛らしい方なのにすごい熱いから圧倒されますよね。

――横山一敏さんの殺陣指導も気になるのですが、ハードなのでしょうか?

百瀬: ハードではないかな。剣の振りよりもキャラクターに合った動きとかこういった心情で動いて、ってのを尊重してくれる方なので。僕の役は剣を使って、でも避けるってのが多かったんです。僕自身分かりやすかったので面白くしてくださったんだなというイメージがあります。

――相手の剣を避けるのもテクニックが必要ですよね?

百瀬: 僕は剣でバチバチ戦うというのを思い描いていたから、相手がこうきた時はここまで避けてほしいなとか教えていただいて。結局剣を使わないですよね。宙太郎が成長していく過程を見せたいから、もしかしたら受け止めるのはもうちょっと待ってて、みたいなところがありました。

――原作は人気があって独特の世界観があるではないですか。公演や稽古に先駆けて原作を読み込んだりされましたか?

玉城: 稽古に入る前はめっちゃ読んでました(笑)が、僕の場合原作とは違う変化を、ってことだったので、そこからは読まないようにしました。読みこんでしまうと原作に寄ってしまうので。

――百瀬さんはいかがでしたか?

百瀬: 僕も漫画は読んだのですが、まず感じたことは、宙太郎は服装もセリフも特徴的だなと。そして何より僕と年齢が全然違うので、どう演じようかなと思いました。ですが今回の舞台の場合、年齢をちょっと上げた設定だったので、原作の尊重はするけれど、自分らしくすればいい具合の役作りができるのではないかなと思っていました。衣装の再現率がすごくて、最初は可愛い声とか意識しようかと思ったんですが、チョビさんが、そこまで可愛さを意識しなくていいよって言ってくれて。それで楽になったというか、やりやすくさせていただきましたね。

――前回演じていたときは、何がいちばん大変でしたか?

玉城: 僕の場合、天火という役が完璧で欠点がないので、その完璧な人間に近づくには…って考えていましたね。外伝で天火にも大変な部分が出てきたのでようやくこの人の人間味が見えたんですが、それ以外はほぼ辛いことは隠す人だし。そんな人間を演じることを結構考えましたね。天火はすごく理想的な人だったので、弱い部分が見えた時、嬉しかったです。普段とのギャップがよかった。

玉城裕規(曇天火) ©唐々煙/マッグガーデン  撮影:渡部孝弘

――百瀬さんから見た玉城さんの様子は?

百瀬: 座長も務められていて、しんどい事もあると思うんですが、それを全く見せなかったですね。体力的にきついところは結構あるんだろうなっていうのは、近かったので見てて思いましたけど、“しんどい”っていうのは全く聞かなかった。

――百瀬さんは三男として、前回大変なことは何でしたか?

百瀬: 帽子がずれる!(笑) ヘアピンをしてみたり、いろいろ試行錯誤していました。チョビさんが僕の役に対してけっこう熱く言ってくださって。チョビさんもそういった役をやってきたことが多かったので、ここはこうしてほしいという伝え方が上手で。僕は漫画原作の舞台をやらせていただくということが初めてだったので、実写でやることについて、怖さではないけど、その作品を好きな人がちゃんと見てくれてるのかなって思っていました。

舞台「曇天に笑う」百瀬朔 (撮影=こむらさき)

――原作を実写化する怖さですが、植田さんもそれをひしひしと感じているのでしょうか?

植田: 僕は原作ものとオリジナル作品の演じ分けをあまり意識していないです。ビジュアルを近づけるのもとっても重要だとは思うのですが、結局演じるのは俳優だから自分らしさがないと意味ないんじゃないと思って。それって自分じゃない人がやったら違うものになるし、与えていくことも変わっていくと思うので、あまり感じていないんです。だからやることは変わらない。このキャラはアニメだとこんな喋り方をしてるっていうのは資料としては頭の片隅にありますが、結果的に自分でやるしかないし、あまり意識もしなくなっています。ビジュアルに関してはスタッフもお客様もシビアで、それはすばらしいと思います。

――植田さんは、空丸について大変そうだなと思いますか?

植田: ザ・次男ですよね。いろんな作品がある中で、だいたい次男って苦労してるし…(笑)。真ん中って本当に大変なんですよ。僕は姉と妹がよく親に怒られていた姿をみていたので、俺はこうして生きていきたい、と一線をひいて見ていたり。気がつけば世渡り上手になっていた。でも空丸は憧れとかを声に出して話すタイプではないと思うんです。辛い時に辛いと言えなかったり。僕は負けず嫌いなので腹立ったらすぐ言うし、隠せない。僕が持っているザ・次男らしさみたいなものはいちばん出世すると思うんですよ、社会に出てから。だからこそ苦労しているところもあると思うので、そういったアンバランス的なものを丁寧に描いていかないと大変だなと思います。

――百瀬さんは、宙太郎を演じるにあたって改めて心がけたいことはありますか?

百瀬: 前回は可愛いさが大事かなと思っていました。それが僕の大事な位置だし、そこが大事だからと思いながら、がむしゃらにやってきました。昨日、漫画を全部読み返したんですが、改めて、宙太郎はこんな顔をしてるんだなって場面がたくさんあったんです。だから人間らしさとか、かっこよさとかを出していければ更に面白くなるかなと。前回のも踏まえた上で、いろんなところを見せていけたらなって。

――植田さんと百瀬さんは初共演、ということですが、お互いの印象はどうですか?

植田: 可愛い、若い。すごくエネルギーを感じます。

百瀬: たくましいお兄さん。「あ、植田君だ」と思いました。存在は知っていたので。

――三兄弟は実際の年齢も30、26、21でちょうどいい感じの間隔ですしね。そういえば、前回の舞台での体力作りはどんなことをしましたか?

百瀬: 筋トレが稽古の前に結構あるんですよ。稽古の前に腕立て50回やりましょうみたいな。腹筋とかを毎回やるのとか、ワークショップ的な遊びみたいなことも。声出しもやりましたね。それが辛くて。みんなで円になってチョビさんが「はっ」ていうのをみんなでやって。その声の出し方で全部やってくださいって。しんどかったですが、こうやって教えてもらえる機会もないですし、面白いなって。

――ちなみに1番最初にバテるのは細貝圭さん?

玉城: 圭ですね(笑)けっこういいところでこけたりします。ゲームで落ちになるキャラになったり(笑)

植田: 実は今までいくつかの作品でご一緒してるんですが、その頃は大変お世話になっていました。ご飯を食べさせてもらったこともあります。家も近くて、ランニングもしたりとか。本当に飯ばっか食べさせてもらっていて、今回一緒に共演できることになってこの間泣きそうになりました。相当好きな人です。

舞台「曇天に笑う」(左から)百瀬 朔・玉城裕規・植田圭輔(撮影=こむらさき)

――ところで、突然ですが3人の「楽屋飯」をお聞きしてみたいのですが。稽古中や本番のときに、必ず食べるものって何かありますか?

植田: 僕はウィダー・イン・ゼリー。ウィダーはいつも置いておきますね。何かあった時のために。味はスタンダードのやつ。お腹に入れても身体はすぐに動かせるし、おなかにたまり過ぎるものだとあがってきてしまうので。ジムでバイクに乗るところにもおいておきます。

玉城: あまりコレというものはないですが、パスタは食べるようになりました。昨年か一昨年くらいから、すぐ栄養になるという話を聞いて。あと、周りが食べていると美味しそうに感じるので。誰かが食べていたものを次の日に食べる確率が高いですね。誰かがざるそばを食べていると、翌日の自分のメニューはそれになります。美味しそうに感じるので。さすがにウィダーはないかもしれませんが(笑)

百瀬: 僕は飲み物ですが、ダイエットコーラが好きで基本それをずっと飲んでいます。家でも大きいサイズを買って飲んでいます。食べ物はいいものがあったらそれをちょいちょい食べています。

――三人ともまだまだ食べ盛りだと思ったので、稽古場の差し入れコーナーの周りをぐるぐるしているイメージがあったのですが(笑)

植田: その日によりますね。

百瀬: 僕は差し入れコーナーぐるぐるしちゃいますね。「あれ、今日新しいの入ってる!これを入れてくれた人、いい人だな」って。役的にもお腹すいたーとかいう役だったので(笑)楽屋にあるとうれしいのは甘いものですね。今回みたいに立ち回りで動くと甘いものとか、あと塩気も欲しいので、せんべいは自然に食べますね。

植田: 今の現場だとバナナとお味噌汁があればいい。お味噌汁って寒い時には暖まるし、ちょっとお腹がすいた時にはありがたいです。

百瀬: バナナとみそ汁の組み合わせはヤバくないですか!?

植田: けっこういけるんだよ!味噌汁をがーっと飲んで、水飲んでからバナナを…。

玉城: あ、ワンクッションおいて食べるのね!(安堵)

舞台「曇天に笑う」(左から)百瀬 朔・玉城裕規・植田圭輔(撮影=こむらさき)

 

(取材・撮影:こむらさき)

 
【インタビュー記念企画!<東京公演限定>

インタビューを記念して、取材写真のプレゼント付き受付を期間限定で実施いたします。一枚につき、下記取材写真3点のうちランダムでいずれか一枚を当日会場にてプレゼントいたします。ぜひ、この機会をご利用ください!
 

「インタビュー記念企画」取材写真プレゼント

受付期間4/7(木)10:00~4/20(水)18:00
プレゼント付きのご購入はこちらまで ⇒ http://eplus.jp/donten-sp/
 
公演情報
舞台「曇天に笑う」

■日程・会場
【東京公演】
2016年5月27日(金)~6月5日(金)天王洲 銀河劇場
【大阪公演】 
2016年6月10日(金)、11日(金)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

 
■原作:唐々煙(マッグガーデン刊)
■脚本:高橋悠也
■演出:菜月チョビ
■出演:玉城裕規、植田圭輔、百瀬朔、細貝圭、入来茉里、福井博章、横山一敏、蒼山真人、今奈良孝行、秋元龍太朗、兒玉宣勝、仁藤萌乃、橘輝、小澤亮太、松田凌、藤木孝 ほか

(←プレゼント付きはここからではなく、上部の専用URLからお申込みください)
 
  • イープラス
  • 植田圭輔
  • 「曇天に笑う」再演!曇三兄弟を演じる玉城裕規、植田圭輔、百瀬 朔の胸の内は?