実験的すぎる? 俳優ワークショップの発表公演が京都で

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ペルメッソ・メノモッソ『タレをかける』メインビジュアル

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俳優の演技の根拠を奪う世界を、なぜか焼肉を食べながら展開。

現在京都・アトリエ劇研で開催中の演劇フェス「アトリエ劇研スプリングフェス」のトリで、劇場ディレクターのあごうさとしの新作が登場する。あごうといえば、最近は役者が一人も出てこない「無人劇」のシリーズを手がけているため、彼の脚本作品で本人以外の人物が登場するのは、2014年の『純粋言語を巡る物語-バベルの塔Ⅰ-』の東京公演以来のこと。今回はアトリエ劇研の俳優ワークショップ「劇研アクターズラボ」の発表公演となるため、さすがに「役者を一人も出さない」といういつもの手法は無理だったが、その代わり俳優の「演技の根拠」に揺さぶりをかける、相当な実験作を用意したという。

登場人物たちはあらかじめ番号を振られ、その番号に応じた「役」を与えられる。しかし芝居が進むうちに「役」はどんどん変わっていき、最後には消失する…という不条理劇になるそうだ。「会話劇ではあるんですが、言葉があまり信用ならないテキスト。それでも役に応じた演技をして、他の人との関係性も作らなきゃいけないという。しかもその根拠が出てきたら役が変わるので、その中で俳優は何を根拠に“芝居”を作るのかを考えざるを得なくなります。声や動きなどの身体的なものに立ち返って構成するのか、あるいは劇世界全体をとらえ直していくのか。そういうことを、焼肉を食べながらやってもらいます(笑)」とあごう。単なる俳優論としてだけでなく、人は(日常のシーンでも)演技をする時に何を頼りにするのか? について考えさせる世界になりそうだ。この実験が役者・観客双方にどんな結果をもたらすかは未知数だが、猛烈に焼肉を食べたくなることだけは間違いない。

公演情報
アトリエ劇研スプリングフェスVOL.4 劇研アクターズラボ+あごうさとし
ペルメッソ・メノモッソ『タレをかける』
■日時:5月6日(金)~8日(日) 6日=19:30~、7日=15:00~/19:30~、8日=15:00~
■場所:アトリエ劇研
■料金:一般=前売2,000円 当日2,300円 学生=各500円引
■作・演出:あごうさとし
■出演:岡田凌太、柴田拳伍、白鳥達也、たかやまみお、西尾友希、宮路一枝、由田拓真、わたなべなおと
■公式サイト:http://gekken.net/atelier/sf/pg427.html
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