ネルケプランニング発のアイドルステージ第4弾『アンプラネット』ゲネプロ潜入レポート

レポート
舞台
2016.5.6
『アンプラネット』

『アンプラネット』

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ネルケプランニング発のアイドルステージ第4弾『アンプラネット』が、4月30日より5月8日まで東京・紀伊國屋ホールにて上演される。その前日にマスコミに公開されたゲネプロに潜入した。これまでには『少年ハリウッド』『プレゼント◆5』『CHaCK-UP』の3つのアイドルステージを展開。人気もパワーも併せ持つ若い俳優たちを多く輩出してきただけに、その第4弾にも注目が集まるのは当然。大ヒット作『ミュージカル テニスの王子様』等、数々の舞台を世に送り出してきたネルケプランニングだけに、舞台作品としての完成度の高さも期待が募るポイントだ。


物語の舞台は、芸能界入りを目指す若者が憧れる名門校・私立SOJ学院。中でも選抜クラスに入れれば、即、事務所契約が約束される。今期の選抜クラスに選ばれたのは、海月璃紅(赤澤遼太郎)、近江蒼(井阪郁巳)、黄楊いるか(松田将希)、翠木真滉(石川正人)。4人は、惑星アイドル『CHaCK-UP』の大ファンであることから、自分たちを“準惑星”アイドル『アンプラネット』と名付け、日々、歌に踊りにセリフにとレッスンを積んでいる。

『アンプラネット』

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SF的な効果音と共に幕開けすると、レーザービームの中で4人のセリフが始まった。生命誕生の奇跡、出会いの奇跡などをモノローグ風にしゃべっていく。と、「違う、違う!」といきなり割り込んできたのは、三ツ矢雄二演じる学院のボイスアクトの先生。声優として名高い三ツ矢がボイスアクトを教える先生、というのがツボにハマる人も多いはず!どうやら4人はライブようにセリフを練習していたようで、な~んだ、ただのセリフか~、と流してしまいそうだ、……が!オープニングのこの部分のセリフはじっくり鑑賞してほしい。というのも、物語のテーマに深く関わっているからだ。

『アンプラネット』

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本作を貫くテーマは“欲しいのは本物(ひとつ)だけ”。「本物」と書いて「ひとつ」と読ませる意味深なコトバ使いが気になる。『アンプラネット』の4人にはどうしても欲しいものがあるのだ。それは、冒頭に美波日音(福島海太)という『CHaCK-UP』のヘルプクルーを『アンプラネット』のリーダーに欲しい、と懇願する形で現れる。4人はアメリカ留学の際に現地で美波と知り合い「やっと出会えた」と思うほど、“リーダーはこの人でなきゃならない!”と惚れ込んだ。しかし、自分たちのアイドルグループに入ることを美波本人が承諾するかはもちろん、『CHaCK-UP』のメンバーである、鳴上林檎(影山達也)と美野アカネ(古川裕太)の意見も考慮しなければならない。

美波が入る以前の『アンプラネット』のリーダー格、井阪演じる蒼は“胸の中に真意を秘めている”思慮深げな佇まいが印象的だ。いるか役の松田はムードメーカーで、軽いタッチのおチャラけで観客を楽しませてくれる。海月役の赤澤はグループの中のかわいい“お荷物”。愛されキャラでいじられるのが微笑ましい。そして翠木役の石川はマイペースを崩さずみんなを押し上げていく。四人四色のキャラクターは堪能どころの一つだ。

福島演じる美波は人なつこそうな明るさと純粋さが際立っていた。『アンプラネット』に入ることを決める前から4人とダンスレッスンに励むが、その最中にぷっつりと姿を消してしまう事件が勃発!誰が美波を連れ去ったのか?なぜ美波なのか……?

『アンプラネット』

『アンプラネット』

実は、HERO演じる韓国留学生が日本に持ち込んだ“ある工芸品”が大きな引き金になっている。この“工芸品”をめぐり、古川演じる美野は何かを懸命に警告しっぱなし。美野は劇中では「ヴィー」という名で呼ばれ、“背中にチャックがある”と宇宙人的ピポピポな動きが目を引く。影山演じる鳴上は、美野のお守りをする頼れる兄貴分に思わせておいてのギャップが新鮮だ。また、Kimeru演じる掃除のおじさんも謎だらけなので要注目。知らぬ間に至るところに伏線がまかれていたようで、クライマックスに向かうにしたがって回収されていく謎ときに、「なるほど、そういうことだったのか!」と唸らされること必至!

蒼が胸に秘めていた真意とは何だったのか、“欲しいのは本物(ひとつ)だけ”の「ひとつ」が指すものとは……!?

そして最終的に繰り広げられる『アンプラネット』のアイドルライヴへ突入!このライヴもただのライヴじゃない、第一部の物語の集大成として構成され、一つひとつの曲に意味が反映されていて面白い。全8曲とたっぷり魅せるライヴには、うちわやペンライトでの応援も勿論OKだ。

『アンプラネット』

『アンプラネット』

登場人物はすべて地球人(のはず)だが、赤澤には準惑星エリス人☆エリィ、井阪には準惑星ケレス人☆セシィ、松田には準惑星マケマケ人☆マーニィ、石川には準惑星ハウメア人☆サティ、福島には冥王星人☆ポミィ、古川には金星人☆ヴィー、影山には木星人☆ジュジュ、という宇宙ネームがつけられている。劇中では、役名と宇宙ネームが入り乱れているので、よく耳を澄ましてそれぞれの名前を覚えるのもオツな楽しみ方。最後のライブでは、役名と宇宙ネームをあなたらしく上手に使い分けて呼んでみては!?

イベント情報
『アンプラネット』
 
■期間:2016年4月30日(土)~5月8日(日)
■会場:紀伊國屋ホール(東京都)
 
■脚本・演出:久保田唱(企画演劇集団 ボクラ団義)
■音楽:大石憲一郎
■作詞:うえのけいこ
■振付:伊藤加奈恵 / 當間里美 / 黒田育世
<出演>
赤澤遼太郎、井阪郁巳、松田将希、石川正人 /
古川裕太、影山達也、福島海太 / HERO /
Kimeru / 三ツ矢雄二
 

 

 

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