NBS/東京バレエ団代表の佐々木忠次さんが死去
佐々木忠次さん
オペラ、バレエのプロデューサーであり、公益財団法人日本舞台芸術振興会(NBS)/東京バレエ団代表の佐々木忠次(ささきただつぐ)さんが 2016年4月30日未明、心不全のため死去した。享年 83 歳。葬儀は5月4日に親族による密葬で執り行われた。6月12日(日)に(公財)日本舞台芸術振興会により「お別れの会」が開かれる予定。
佐々木さんは、1964 年に東京バレエ団を設立、以後代表を務めてきた。国内での活動はもとより、29 回にわたり30カ国153都市において 747 回の海外公演を実施するなどの、日本から世界に発信するバレエ団 として同バレエ団を育てた。そのかたわら、パリ・オペラ座バレエ団、英国ロイヤル・バレエ団、モーリス・ベジャール・バレエ団などの著名なバレエ団を招聘し、日本に紹介。1976年から3年に1度開催し14回続いている<世界バレエフェスティバル>では、世界中のトップダンサーを日本に招き、世界で最も重要なバレエ公演として国際的に知られるようになった。
また、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場、英国ロイヤル・オペラなど欧米の名門歌劇場を定期的に招聘。日本で超一流の歌劇場の舞台を現地のまま観られる引っ越し公演の実現に尽力した。多くのアーティストと親交があり、とくに指揮者のカルロス・クライバー、ズービン・メータ、ダニエル・バレンボイム、 リッカルド・ムーティ、また振付家のモーリス・ベジャール、ジョン・ノイマイヤーとの交流はよく知られた。2014 年にフランス政府より授与された〈国家功労勲章グラントフィシエ〉をはじめ、世界8カ国から多くの賞/勲章を受章している。著書に『オペラの値段』『だからオペラは面白い―舞台裏の本当の話』『闘うバ レエ―素顔のスターとカンパニーの物語』『起承転々 怒っている人集まれ!―オペラ&バレエ・プロデューサーの紙つぶて』など。これらの活動を通じて、「日本のディアギレフ」との異名をとった。