男肉 du Soleil『LAきょうとピラミッド』稽古場レポート!

レポート
2016.5.26
大長編 男肉 du Soleil『LAきょうとピラミッド』出演メンバー。 [撮影:吉永美和子]

大長編 男肉 du Soleil『LAきょうとピラミッド』出演メンバー。 [撮影:吉永美和子]

いつもの茶番とは違う? 3つの世界がシンクロする、男肉最大の野心作。

京都のダンスカンパニー「男肉 du Soleil 」の、「大長編」という名の本公演直前の、SPICE独占(というか、他のメディアは多分やらない)稽古場レポートがやってまいりました! 毎回毎回「男肉のメンバーが歌って踊って戦って、最後には地球を救う」というお決まりの茶番が続いている男肉ですが、今回はちょっと様子が違うらしくて…?

一見みんなで携帯の対戦ゲームをやっているようだけど、実は一斉メールで届いた脚本の読み合わせ中。

一見みんなで携帯の対戦ゲームをやっているようだけど、実は一斉メールで届いた脚本の読み合わせ中。

京都市内の稽古場に行くと、舞台の半分は3段組のひな壇が設置されていた。バックスクリーン以外はほぼ素舞台の場合が多い男肉には珍しく、今回は高低差のある舞台を設置。各階層が「LA」「京都」「ピラミッド(エジプト)」に世界が分かれていて、それぞれの物語を平行して見せていくという趣向だ。

LA(左手前)京都(右側)ピラミッド(左奥)の3つの世界が交錯する。

LA(左手前)京都(右側)ピラミッド(左奥)の3つの世界が交錯する。

今回の内容は、男肉 du Soleil が今日の稽古では出てこなかった何らかの事情で決裂し、LAでラッパーを目指すチーム(高阪、チェン、森本)、考古学を志してピラミッドを探検するチーム(城之内、すみだ)、京都に残って男肉を継続するチーム(池浦、江坂、小石、ヤマモト、吉田)に分裂。いわば男肉の大長編を構成する「ラップ」「RPG的な冒険物語」「ダンスパフォーマンス」の要素を、それぞれの土地に分散させたという感じだ。

異国の地で一旗揚げることを夢見るLAチームの3人。

異国の地で一旗揚げることを夢見るLAチームの3人。

LAで展開されるラップの講座と、京都で行われるダンスのレッスンの内容が上手い具合にリンクするなど、実は筋金入りの演劇オタクの集まりである男肉らしい、インテリジェンスな構成を見せる部分もある。とはいえ全体的には、団長・池浦さだ夢のその場その場の思いつきから生まれる、熱くて適当な世界は相変わらずだ。

京都に残った男肉たちは新人団員を入れて公演を行おうとするが…。

京都に残った男肉たちは新人団員を入れて公演を行おうとするが…。

その一方で、今回は一部団員に完全におまかせするシーンを設けるという試みも。小石、チェン、森本のソロパート的な部分は、それぞれが構成と振付を担当。チェンのパートを見せてもらったけど、ダンスカンパニー「淡水」を主宰(本名の菊池航名義)しているだけあり、マンガ的な内容ながらも割とカッチリ作ってるという印象だった。

ちょっと香港ノワールを思わせる「チェンの裏稼業」のシーン。

ちょっと香港ノワールを思わせる「チェンの裏稼業」のシーン。

しかしそこに団長から「それ、○○って名前にして」という指示が飛んだ瞬間、一気にタイムリーさとメタ的なバカバカしさがアップした。おそらく他の2人のシーンも同様に、団員の個性と団長のインスピレーションが化学反応を起こした世界が期待できそうだ。

この日一番盛り上がった、新人劇団員・ヤマモトエリコ(右端)によるオタ芸指導。

この日一番盛り上がった、新人劇団員・ヤマモトエリコ(右端)によるオタ芸指導。

またもう一つの試みとしては、劇中で小石がキーボード、すみだがギターの生演奏を披露する場面も用意されているということ。本日の稽古では、すみだがネタ的に弾き語りをするレベルのものしか目撃できなかったけど、本番ではどのように物語と効果的に絡んでいくのか? あるいは実際にネタレベルで終わるのか? にも注目だろう。

ピラミッドの探検に挑む2人。すみだ(右)がJこと城之内を励ます? 歌を熱唱。

ピラミッドの探検に挑む2人。すみだ(右)がJこと城之内を励ます? 歌を熱唱。

本日の稽古では、仲間がいなくても何とかしのいでいるように見えた男肉たちが、それぞれいろんな形の苦境に陥って、さてここからどうする? という所でお開き。まあここからは、合流→宇宙戦争→ほぼ全滅→団長がふんどし姿で歌って全員復活という、いつものパターンになるんでしょ…などと高をくくってしまいそうになるけど、いろんな部分でマイナーチェンジを試みてるっぽい姿を確認した今となっては、お約束の流れもちょっと違ったものになるのかな? とうがったりも。

一見ハードなストレッチっぽいけど、実は今回の物語のキーになるかもしれないシーン。

一見ハードなストレッチっぽいけど、実は今回の物語のキーになるかもしれないシーン。

男肉マニアはもちろん期待を高めて良いと思うし、まだ男肉を観たことがない人も、多分かなり珍しい部類のダンス公演(と言っていいのか)に出会うことができるはずだ。彼らが繰り広げるなんちゃって世界旅行を、安全席から冷静に眺めるもよし、飛び散る席で男肉たちと一緒に騒ぐもよし。それぞれのスタイルで大いに楽しもう。

イベント情報

大長編 男肉 du Soleil『LAきょうとピラミッド』

《京都公演》
■日時:6月2日(木)~5日(日) 19:00~ 4日=13:00~/18:00~、3日=13:00~
※2・3・4日夜公演は終演後に「おまけトークショー」を開催。
■場所:元・立誠小学校 音楽室

《東京公演》
■日時:6月13日(月)・14日(火) 19:30~
※13日は終演後に「おまけトークショー」を開催。
■場所:駅前劇場

■料金(両都市共):一般=前売2,500円 当日2,900円、学生=前売2,000円 当日2,500円、男肉飛び散る席(最前列・最も間近で出演者と触れ合えます)=前売2,000円 当日2,500円 絶対安全席(最後列・このエリアには出演者は立ち入りません)=3,000円(前売・当日共)
■団長:池浦さだ夢
■出演:江坂一平、小石直輝、高阪勝之、城之内コゴロー、すみだ、チェン、森本萌黄、ヤマモトエリコ、吉田みるく/岩田奈々(kitt)、脇坂浩紀
■公式サイト:http://oniku-du-soleil.boy.jp/project/la_kyoto_pyramid/

 

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