【小田原城・万葉の湯探訪記】 歴史がある、だから梅雨のストレスも解消できる
梅雨の時期はどうしても心身ともにストレスが溜まってしまいます。ストレス解消に散歩が良いと聞いても、なかなか出かける気にはならないのですが、そろそろ小田原城の改修が終わっていると思い出して行ってみることにしました。
白く輝く天守閣に見惚れる~小田原城あじさい花菖蒲まつり
新宿から小田急線で小田原駅まで1本、1時間半の旅を終え、東口から出ると宿場町として栄えた小田原の商店街が目に入ってきます。文久3年創業のひもの屋さん『山安』など歴史を感じさせるお店もあります。
すき家がある交差点で右折して進むとお堀が見えます。お堀手前の交差点で右折すると小田原城あじさい花菖蒲まつり会場への近道になるのですが、せっかくなのでお堀を見に行きました。
学橋を通り過ぎて、馬出門から天守閣へ行くのが正式な登城ルートですが、垣間見える天守閣も素敵な感じです。色々な角度から天守閣を見ようとさらにお堀沿いに進みました。藤棚の先には報徳二宮神社があります。カフェがあるので地サイダーなどを飲んで一休みするのも良さそうです。報徳二宮神社から天守閣へ向かう道があり、少し上ると天守閣にたどり着きます。
白く美しい天守閣はそれだけで感動してしまいます。天守閣は軍事的目的と象徴的目的があるとされますが、時代とともに軍事的目的も象徴的目的も薄れ、人々を楽しませる憩いの場として進化しているのだなと思いながら天守閣を後にしました。
6月に入ると『小田原城あじさい花菖蒲まつり』が開催されます。小田原城本丸東堀の斜面に植えられたあじさいが見事です。あじさいは日本原産で、ヨーロッパで改良されたものが手まり咲きと呼ばれるよく見かけるのものです。
梅雨の時期しか見れないあじさいは、運動不足になりがちな人々のストレスを解消するために美しく改良されてきたのだなと感じてしまいます。
夜7時から8時までライトアップがあります。昼間とは違ったあじさいを眺めるのも良いのですが、気温も湿度も高いこの時期に散歩しているとどうしても汗ばんできます。温泉で汗を流すのが一番でしょう。
くつろいだ空間で時間もストレスも忘れてしまおう~小田原お堀端万葉の湯
小田原城の近くに『小田原お堀端万葉の湯』があります。行基や弘法大師などによる開湯伝説がある湯河原温泉を毎日タンクローリーで運んでいるという万葉の湯。最新の温泉事情を万葉の湯の工藤様に伺ってきました。
万葉の湯の利用法は人それぞれ
温泉と言えば病気やケガの治療の一環として使われるというイメージがありますが、湯治目的は少ないとのことです。それではどのような目的で訪れる人が多いのでしょうか?
「夜はサラリーマンのお客様が多くなります。休日は家族連れでにぎわっているので、スリッパ卓球大会など家族で楽しめるイベントを開催しております。同窓会や女子会利用も多いですし、急に親戚などが訪ねてきた時のおもてなしとして利用されるお客様もいらっしゃいます。伊豆箱根旅行や釣りの前泊代わりにもお使いいただいております。」
宴会は2名様より当日予約も可能だそうです。急に来客があると、準備などで大変になり、楽しむ余裕もなくなりがちです。小田原観光の後に温泉というプランならおもてなしとしても満足してもらえるでしょうし、自分も楽しめます。食事も近くの早川港で水揚げされた地魚をお召し上がりいただけるとのことです。朝食にアジの干物を食べたのですが、これがアジ?と思ってしまうほどおいしくいただきました。
安心・安全な万葉の湯
温泉が人気と言っても衛生面などで苦手とする人もいます。安全・衛生面はどうなのでしょうか?
「衛生面は特に気を付けております。毎日深夜3時半から5時にお湯を抜いて高圧洗浄機で全面清掃いたします。貸切風呂もお客様が利用されるごとに全面清掃しております。」
非常に手入れの行き届いた温泉で、足が滑らないように薬剤を用いてぬめりを除去しているだけでなく、床石に溝があるので滑りにくくなっています。下駄箱やロッカーのにおい対策もされており、貸部屋には消臭剤が置いてあるなど衛生面では納得のいくものになっています。
大浴場の洗い場に仕切りがあって、隣の人が気になりにくいよう配慮されています。あじさい祭りで平日にしては人が多かったのですが、大浴場は広々としていて、混雑が気になるほどではなく、露天風呂も3種類あるので楽しみやすくなっていました。
温泉につかった後ゆっくり休めるの?
温泉は湯河原温泉のものなので、肌にやさしく湯冷めしにくいという特徴を持っています。効能も幅広く、老若男女を問わず人気の高い温泉ですが、温泉の後は眠くなってしまうもの。
「貸切部屋は午後9時から翌朝9時まで1部屋5000円のサービス料金になっています。2Fの仮眠室や4Fのリラックスルームで仮眠をとることもできます。」
貸部屋では、近くのインターネットコーナー横に置いてある片手で運べるほど軽いマットとタオルケットを持ち込んで寝ることができます。貸切部屋は6畳の広さなので、グループで行けばかなりお得に休むことができます。リラックスルームは女性専用もあり、一つ一つのリクライニングシートに備え付けられているテレビを見ながらくつろぐことができます。
「深夜3時以降は深夜料金を頂戴しております。」
深夜の館内は非常に静かで、良いにおいが漂ってきます。女性1人でも安心して利用できる感じでした。
マンガコーナーは銀魂やキングダムといった話題のものからドラえもんや沈黙の艦隊といった名作もあり、種類も豊富で選び方が上手だなと思いました。無料休憩所にもなっている食堂では無料で無農薬のお茶が飲めるのですが、渋みが少なくおいしいお茶でした。携帯電話の充電もできてWifiもある上、インターネットコーナーもあるのは嬉しいところです。
子供向けのキッズランド&ゲームプラザもあったり、映画上映もやっていたりして、ついつい長居をしてしまいます。
貸切部屋を借りてみたものの、気が付いたら朝になっていました。おいしい朝ごはんと朝風呂を堪能して、後ろ髪ひかれる思いをしながら小田原を後にしました。
小田原城の天守閣やあじさいを見て感動し、散歩で汗ばんだ体を温泉で洗い流してリラックスしたら梅雨のストレスは吹き飛んでしまいました。万葉の湯は駐車場が地下にあるので雨で濡れなくて済むのも嬉しいところです。
20年くらい前は温泉と言えば、湯治のためにある程度のストレスは我慢するというイメージがありました。ストレス解消ができるようにと少しずつ積み重ねてきた歴史の重みが、様々な場所でストレス解消に役立ってくれているのだと実感しました。歴史や文化は学ぶだけでなく、体験しなければならないことを再確認した1日でした。