人生はインプロ(即興芝居)! インプロを学び、実践する場を提供する"劇的な団体"『劇団しおむすび』へインタビュー

インタビュー
舞台
2016.7.27
劇団しおむすび『トランス』

劇団しおむすび『トランス』

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日本初の学生インプロ(即興芝居)団体『劇団しおむすび』。インプロを芸能、芸術、教育の分野に活用すべく、積極的に企画、パフォーマンス、指導を行っている団体だ。主宰の忍翔(おしょう)は、とある本をきっかけにインプロを始め、その本の著者でもある国際的なインプロ指導者・今井純に師事した筋金入りのインプロ役者だ。そんな忍翔に、劇団しおむすびの次回公演『トランス』について話を聞いた。

 

―劇団しおむすび結成までの経緯を教えてください。

僕が19歳から始めたインプロの公演をやるため、大学の演劇部の後輩を誘って始めたのがきっかけです。最初は単発のユニットでしたが、初公演をきっかけにインプロを続けたい人、見てやりたくなった人が結構いたため、その後も細々と活動するようになりました。学生によるインプロチームの誕生は日本初だったため、方々から取材を受け、気が付けば業界でもそこそこ知られるような存在になりました。


 

―劇団しおむすびの作品の特徴や雰囲気、作風は?

主な活動は隔月で行うインプロショーですが、不定期で今回のように脚本芝居を上演することがあります。普段からインプロやリアリズム演技をベースに活動しているため、大掛かりな舞台セットやガチガチに固めた演出ではなく、役者がキャラクターとしてその場を真実に生きることや、相手と一瞬一瞬繋がり続けることを大切にしています。

日常から常に役者に求めているのは「真実でいること」です。常に自分が感じていることに嘘をつかず、隠さず表現するよう求めています。何をやっても受け入れ合い、許し合える関係性だからこそ、舞台上で冒険することが出来るのです。




 

―次回公演『トランス』は、鴻上尚史原作の作品のようですね。作品のあらすじを教えてください。

フリーライター、精神科医、そしてオカマ。3人の同級生の再会から物語は始まります。
フリーライターの立原雅人は、自身の離人症を疑い、精神科医になった紅谷礼子、なぜかオカマになった後藤参三に相談します。
そして、参三と共同生活をしながら、礼子の病院に通院する生活を始めるのです。

しかしある時、立原は自身のことを天皇だと思い込むようになり、2人は立原の妄想に巻き込まれ…

 

続きは劇場でお楽しみください♪



――次回公演『トランス』の見どころは?

「事実は存在しない、ただ解釈のみが存在する」
「私の愛する人は、精神を病んでいます。ですが、私は、とても、幸せです」
これらは鴻上尚史による『トランス』という作品の冒頭のセリフと最後のセリフです。

人々は「それぞれの妄想の中を生き、その中で真実を追い求める」という矛盾を生きています。
本当の自分、本当の愛、本当の居場所……。妄想の中でそれを探し続ける姿は、哀しく、虚しいものなのかもしれません。しかし、そこにこそ人の持つ本来の美しさがあるのです。

4年前、この作品が私に教えてくれました。初演の時、私は21歳で、キャストは全員19歳でした。若かりし日の僕等は、それぞれの理想をぶつけ合い、生まれたものをそのまま上演しました。千秋楽の拍手喝采は今でも忘れません。鳴り止まない拍手に応えるためにダブルカーテンをやったのはあれが最初で最後でした。

今回はその時の世界観をそのまま、当時作成したオリジナル楽曲と共に、ダブルキャストでお届けします。しかもAチームは通常キャストですが、Bチームは男女逆転キャストです。このインタビューに回答している段階で、既に最後のシーンを演出し終わっているのですが、はっきり言います。

両方観てください。

この「トランス」という作品は、人間そのものを映し出します。人間というのは男と女の二つの性で表裏一体です。実際に演出してみてわかったのですが、この『トランス』という作品は、男女逆転による上演も含めて初めて完成するのです。

もう一度言います。
両方観てください。合わせても5,000円いきませんから!



 

――劇団しおむすびの今後の展望・野望があれば教えてください。

現在、1年毎に新しいメンバーが入り、2年の活動を経て卒業していく(卒業後、メンバーとして活動を継続するかは自由)という「養成所方式」を採用し、学生メンバーを中心に運営しています。。現在は2年目2期生、1年目3期生が主要メンバーです。
この制度を採用してから決まっている目標は「50期まで(50年)続けること」です。「今日明日にでもドカンと売れてやろう!」という野望は正直ありません。すぐに売れて、すぐに解散する劇団も多いですから。それでは本末転倒です。
いつまでも変わらぬ質を。
いつの時代でも美味しい「しおむすび」のように。





 

―劇団しおむすびに関心を持たれた方に、メッセージをどうぞ!

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興味が芽生えたら、まずはご一報を!!



 

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公演情報
劇団しおむすび『トランス』

日時:2016年9月1日(木)~9月4日(日)
9月1日(木)19:00A
9月2日(金)19:00B
9月3日(土)13:00A/18:00B
9月4日(日)12:00B/17:00A

※A、BはそれぞれAキャスト,Bキャストの回。
※開場は開演の30分前。

会場:北池袋 新生館シアター

出演者:
立原雅人役:(A)玉谷義樹(B)岩佐美穂
紅谷礼子役:(A)佐々木葵(B)岩田洋一
後藤参三役:(A)喜田光一(B)赤坂佳保
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