ヤッターマン、ガンダムなど40年に渡る仕事を一挙大公開!『メカニックデザイナー大河原邦男展』
大河原邦男「メカニックデザイナー 大河原邦男展」描き下ろし作品 2015年 ©サンライズ ©創通・サンライズ ©タツノコプロ ©タツノコプロ・読売テレビ 2008
「ヤッターマン」「機動戦士ガンダム」など、誰もが一度は目にしたことのあるロボットアニメを支え続ける、日本初のメカニックデザイナー・大河原邦男。その40年に渡る仕事約500点を一望できる「メカニックデザイナー・大河原邦男展」が、8月8日から9月27日まで、上野の森美術館で開催されている。その公開前日、大河原邦男、本展監修者でアニメーション研究家の五十嵐浩司、本展音声ガイドナビゲーターで声優の保志総一朗、小松未可子による記者会見と、プレス内覧会が行われた。
記者会見の様子(右からなしのすけ、大河原、五十嵐、小松、保志)
五十嵐氏は「ジャンルも関わる制作会社も非常に多岐に渡る大河原氏の作品の収集には困難も多かったが、その甲斐あってマイナー・メジャーを問わない大河原氏の仕事の深さと重みを感じられる展示となっています。」とみどころを語った。大河原氏は「アニメーションというのは共同作業。その中のワンセクションである私の作品の展覧会を開いていただくことに感謝しております。」と挨拶した。
また、稲城市とのコラボレーションで生まれた「なしのすけ」もサプライズゲストとして登場し、会場を和ませた。
「メカニックデザイナー大河原邦男展」展示の様子
本展は1972年のデビュー作となった「科学忍者隊ガッチャマン」をはじめとするタツノコプロでの初期の作品から始まり、細部のリアリティにこだわったメカニックが魅力のかっこいいロボット原画がずらりと並ぶ。80年代からの玩具メーカー、模型メーカーとのタイアップによる設定原画では、発注者の意図を汲み取りつつオリジナリティと生産性を考え抜いた「職人技」とも言える仕事ぶりがうかがえる。一方、その作風はさらに広がりを見せ、丸いフォルムが親しみやすいかわいいロボットなども生み出される。90年代以降もますます多種多様なロボットのアイディアが花開き、大河原氏によるロボットアニメの奥深さを感じることができる。
「メカニックデザイナー大河原邦男展」展示の様子
また、「機動戦士ガンダム」を中心としたイラストレーターとしての作品では、その鮮やかかつ精密な手描きのカラーイラストを数多く堪能できる。その他、設計に携わったことがあまり知られていない「グリコ」のおまけや、鉄道会社や自治体とのコラボレーションによる、アニメから飛び出した近年の仕事までをも網羅しており、大河原作品の深い世界観にどっぷりと浸かることができる。
また、展覧会場で借りることのできる音声ガイド(税込600円)では、「機動戦士ガンダムSEED」キラ・ヤマト役の保志総一郎、「ガンダムビルドファイターズ」イオリ・セイ役の小松未可子に加え、なんと大河原氏本人による熱い作品解説を聞くことができる。「作品作りで苦労したことはない」という裏話など、非常に聞き応えのある楽しく賑やかな内容で、ボッチで来ても全然さみしくない!のでオススメである。