「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2016 AUTUMN」全公式プログラムを紹介!

レポート
2016.8.7
シャンカル・ヴェンカテーシュワラン/シアター ルーツ&ウィングス『水の駅』 Photo by Shoeb Mashadi

シャンカル・ヴェンカテーシュワラン/シアター ルーツ&ウィングス『水の駅』 Photo by Shoeb Mashadi


12組のアーティストが「境界」について問いかけた“演劇”を突きつける。

国内外の刺激的なステージパフォーマンス(あるいは映像や展示)が一堂に会する、京都発の演劇フェスティバル「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2016 AUTUMN」(通称KEX)。今年は「ロームシアター京都」開館に合わせて「2016 SPRING」「2016 AUTUMN」の2回開催されるが、10/22~11/13に行われる「AUTUMN」の記者会見が先日行われ、その場で公式プログラムの詳細が発表された。

「SPRING」は、トリシャ・ブラウン・ダンスカンパニーやチェルフィッチュ、維新派の松本雄吉の演出作品(これが彼の最後の演出となった)など、斬新な身体の使い方に迫る作品が多かった。対して「AUTUMN」は演劇、あるいは演劇性の強い表現で、なおかつ「境界」や「越境」を意識した活動をしている、12組のアーティストが顔をそろえている。

木ノ下歌舞伎『勧進帳』(2010) Photo by Naoko Azuma

木ノ下歌舞伎『勧進帳』(2010) Photo by Naoko Azuma

まず国内の演劇ファンになじみの深い所では、木ノ下歌舞伎庭劇団ペニノが参加。木ノ下歌舞伎は、歌舞伎の名作を現代的なアプローチで演出した『勧進帳』(11/3~6○京都芸術劇場 春秋座)の新バージョンを上演。庭劇団ペニノは、山奥の温泉宿で起こる不穏な人間模様を描いた、第60回岸田國士戯曲賞受賞作品『地獄谷温泉 無明ノ宿』(11/9~13○ロームシアター京都)を、関西で初めて上演する。

また日本と海外の演劇をクロスオーバーさせる試みとして、元快快(ファイファイ)で、現在はタイを拠点にする篠田千明と、インドで最も注目される演出家の一人、シャンカル・ヴェンカテーシュワランが登場する。篠田は「SPRING」で上演されたチリの現代演劇『ZOO』(※SPRINGでの上演タイトルは『動物園』。11/11~13○京都芸術センター)を「日本人にとっての“他者”とは」という視点で演出。シャンカル・ヴェンカテーシュワランは、太田省吾が提唱した「沈黙劇」の傑作中の傑作『水の駅』(11/12・13○京都芸術劇場 春秋座)を、自らが主宰するインドの劇団「シアター ルーツ&ウィングス」で上演する。

マーティン・クリード『Work No. 1020(バレエ)』 Photo by Hugo Glendinning

マーティン・クリード『Work No. 1020(バレエ)』 Photo by Hugo Glendinning

さらに海外からは、マレーシアを拠点に活動するマーク・テが、同国の現代史を語る上で欠かせない「バリン会談」を、ドキュメンタリー風のパフォーマンスにした代表作『Baling(バリン)』(10/22~24○ロームシアター京都)を。型破りな活動で英国アートシーンを席巻するマーティン・クリードが、バレエと生演奏と映像をユーモラスにコラージュした『Work No.1020(バレエ)』(10/29・30○京都府立府民ホール“アルティ”)を。またウィーン在住の日本人アーティスト松根充和が、イスラエルで入国拒否されたダンサーの実話を元にしたパフォーマンス『踊れ、入国したければ!』(11/3~6○京都芸術センター)を、それぞれ上演する。

池田亮司『datamatics [prototype-ver.2.0]』(2006-) Photo by Ryuichi Maruo © Ryoji Ikeda  courtesy of Yamaguchi Center for Arts and Media (YCAM)

池田亮司『datamatics [prototype-ver.2.0]』(2006-) Photo by Ryuichi Maruo © Ryoji Ikeda  courtesy of Yamaguchi Center for Arts and Media (YCAM)

また舞台芸術とは異なるが、演劇的な視点を感じさせるアーティストとして、音楽家&ビジュアルアーティストの池田亮司と、映像作家の小泉明郎が登場。池田は、独自の美学から作られた電子音&映像で、全感覚を強烈に刺激するオーディオビジュアル・コンサート作品の総集編ともいえる『Ryoji Ikeda:concert pieces』(11/1~6○ロームシアター京都)を。小泉は『CONFESSIONS』(10/28~11/27○京都芸術センター)のタイトルで、記憶障害の男性を通して人間の記憶を考えた《忘却の地にて》と、匿名の人間たちへのインタビューから都市の狂気を浮き彫りにする《最後の詩》を上映する。

ルイス・ガレー『メンタル・アクティヴィティ』 Photo by Yuki Moriya

ルイス・ガレー『メンタル・アクティヴィティ』 Photo by Yuki Moriya

世界各地…特に南米のアーティストと、長期的な交流の継続を目指しているのもKEXの特徴だが、今回はルイス・ガレーフェデリコ・レオンがフェスティバル再登場を果たす。アルゼンチンの振付家ルイス・ガレーは、日本に滞在し、日本人ダンサーと共に作った新作『(タイトル未定)』(10/28~30○ロームシアター京都)を。同じくアルゼンチン出身のマルチアーティストのフェデリコ・レオンは、彼自身が舞台に立ち、新作の構想を練っている現場を見せるという虚実入り乱れる作品『Las Ideas(アイディア)』(10/28~30○京都芸術センター)を上演する。

researchlight『河童よ、ふたたび』 Photo by Natsumi Kinugasa

researchlight『河童よ、ふたたび』 Photo by Natsumi Kinugasa

また展示企画として、「SPRING」で京都の街の様々なインフラを原寸大で再現&屋外に展示したresearchlightが『河童と、ふたたび』(10/22~11/13○ロームシアター京都)で引き続き参加。子どもたちが展示物を遊具代わりにして、会場が公園のようになったという、思わぬ現象を生みだしたプロジェクトだ。またマーティン・クリードと池田亮司も公演とは別に作品展示を行うほか、松根充和が企画したグループ展『世界の向こう側へ』も、松根の公演期間中に開催される。

公式プログラム以外には、子連れの観劇を促進する企画「こどもとおとなの演劇祭 プレイ! パーク」や、KEX期間中に京都市内で開催される36演目がエントリーしたフリンジオープンエントリー作品」もあり。 今まで見たことのない、様々な可能性を秘めた“演劇”の数々が、一気に上演される秋の京都。公演チケット付きの宿泊プランなどもあるので、紅葉狩りならぬ「アート狩り」を楽しみに、ぜひ遠方からも訪れてほしい。

イベント情報
『KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2016 AUTUMN』​

■日程:2016年10月22日(土)~11月13日(日)
■料金:公演によって異なる。各種セット券あり(公式プログラムと「プレイ! パーク」有料公演が対象)
全演目フリーパス:一般24,000円 学生14,000円  ※枚数限定
3演目券:一般7,500円 学生6,000円
■チケット発売:8月8日(月)
■公式サイト:http://kyoto-ex.jp/

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