錦織一清「これまで出演してくれた役者にLINEで謝りたい」 舞台『おたふく物語』初日会見
田中美佐子、藤山直美
9月1日、明治座にて舞台『おたふく物語』が初日を迎えた。
本作は、おっちょこちょいだが心は温かく、ご近所の人気者の姉おしず(藤山直美)としっかり者の妹おたか(田中美佐子)、そしておしずが想いを寄せる彫金師の貞二郎(錦織一清)を中心に、江戸の下町に暮らす人々の愛と葛藤を描いた山本周五郎の傑作を舞台化したもの。
この日、演出を務める石井ふく子の卒寿(90歳)の誕生日ということで、これをお祝いするセレモニーが終演後のステージの上で行われた。錦織が舞台袖まで進み、石井をエスコート、ステージの中央まで連れていくと、本人のイラストつきの特製ケーキが登場。石井が挨拶で「十九になりました」と自身の年齢を逆さにして語ると、どっと笑い声が起きていた。
石井ふく子の90歳を祝う誕生日ケーキ
終演後、同劇場内にて行われた会見では、藤山、田中、錦織が登場し、石井からの演技指導について語る。「セリフをしっかりしゃべりなさい、間を大事にしなさい……普通のことですが案外できないことですね」と省みる。「ずっと怒られっぱなしでした」と田中。「立ち振る舞いが全然できてなくて。でも直美さんに言ったら『任せとけ!』と言ってくださって……」この言葉に藤山が「言ったかなあ?」とボケると「言ったやん!」と笑いながら田中がつっこんでいた。
明治座は2回目となる錦織は「(石井は)僕のなかでは演劇的なトレーナーのような方。先生と僕とではゾウとアリなんで。全く歯が立たないです」と評し、昨今は演出の仕事が多くなっている自身について「久しぶりに出演するほうになって、これまで演出で役者に言ってきたことが自分でできないことに気が付きました。今から出ていただいた方々にLINEで謝ろうと思います」と笑いを誘っていた。
そんな錦織の印象について、藤山は「ご自身でも演出をされていますから、冷静なんです。一つ一つの芝居が。演出をされている方だなあというのがすぐわかりますね」と分析。ちなみに二人で演出の話などをするのか?という質問には「全然違う話ばかりしている。永ちゃん(矢沢永吉)の歌でどれが好き?とか。よく歌ってくれるんです。廊下で歌ってくれるんですよ」と仲の良さを披露していた。
劇中では、おしずがあつらえた着物に貞二郎が着替える場面がある。「あれ、後ろを向いているのでわからないと思いますが、何にも着てないんですよ…嘘ですけどね!」と錦織お得意のジョークも飛び出し、終始笑いの絶えない会見となった。
■日時:2016年9月1日(木)~25日(日)
■会場:明治座
■原作:山本周五郎
■脚本:黒土三男
■演出:石井ふく子
■出演:藤山直美、錦織一清、田中美佐子、音無美紀子、丹羽貞仁、金子昇、林与一ほか
■公式サイト:http://www.meijiza.co.jp/2016_09/