楠本桃子のゲームコラムvol.13 今なお愛される名作RPG『ライブ・ア・ライブ』
※画像は製品紹介サイトより引用
本日紹介するゲームは『ライブ・ア・ライブ』!スクウェアより1994年9月2日に発売されたスーパーファミコン用RPGです。
そして、2015年6月24日にWii Uのバーチャルコンソールでも配信開始されました!バーチャルコンソール化がずっと待ち望まれてきた作品で、配信前は祭りになるほど!
本作にはコアなファンが多く、ネット上でもよく話題になっています。「あの世で俺にわび続けろオルステッドーーーーッ!!!!」という有名なセリフは、ゲーム好きであれば一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
1994年に発売されたゲームですが、ゲーム自体の出来の良さも一級品。2016年の今プレイをしても、色褪せることのない輝きを放っており、十分に楽しむことができます。
【8つのストーリーからなるオムニバスRPG】
※画像は製品紹介サイトより引用
本作は8つの独立したストーリーをそれぞれ楽しむことができるオムニバス形式。各ストーリーごとに主人公が異なり、ストーリーをひとつひとつ追いながら、プレイヤーは『ライブ・ア・ライブ』の世界を巡ります。
ストーリーの概要は以下の通り。また、8つのストーリー全てをクリアすると、最終編がプレイ可能となります。
・原始編『接触』…石器時代が舞台。異部族の少女を守るために原始人"ボゴ"が旅立つ。全体的に明るい雰囲気で進行する。
・幕末編『密命』…幕末の日本が舞台。要人救出のため、忍者"おぼろ丸"が城へ潜入する。アクション要素有り。
・西部編『放浪』…西部アメリカが舞台の西部劇。"サンダウン・キッド"と共に、ならず者の集団をこらしめる。西部劇のお約束が随所にちりばめられている。
・功夫編『伝承』…中国が舞台。老師から稽古を受けて成長する弟子達の物語。師匠と弟子の関係に感動。
・現代編『最強』…最強を求める格闘家"高原 日勝"の物語。格闘ゲームの様に、バトルのみで構成される章。
・SF編『機心』…遠い未来が舞台のサイエンスフィクション。主人公はロボの"キューブ"。疑心暗鬼に陥った人間の醜さが描かれる。
・近未来編『流動』…超能力を駆使する主人公"田所 晃"の物語。ロボットアニメの様な雰囲気を持ち、漢のロマンと熱血が詰まっている。
・中世編『魔王』…古き良きファンタジー世界が舞台。剣士"オルステッド"が主人公。魔王に連れ去られた姫を助け出す、という黄銅ストーリーの結末に注目。
上記8種類のストーリーは、どれも魅力的で舞台も登場人物も、それぞれに個性を持っています。ストーリーごとにゲーム性が異なり、全て新鮮な気分で楽しむことができるため、飽きがくることもありません。個人的には功夫編と中世編がお気に入り。どちらのストーリーも人間らしい感情を持ったキャラ達が活躍するため、感情移入してしまいます。
時代も舞台も異なる世界では、人々が持つ目的や悩みも様々、雰囲気もガラッと変わります。オムニバス形式のため、好きなストーリーを繰り返しプレイするも良し、全てのストーリーを見るも良し。ストーリーのプレイ順も完全にプレイヤーに委ねられているため、自由な遊び方ができます。
【"チェッカーバトル"が採用された戦略性の高い戦闘】
※画像は製品紹介サイトより引用
戦略性の高い本作のバトルは、7×7マスで構成されたフィールド上にキャラクターを配置しながら進みます。戦略性が高いとはいえ、直感的でわかりやすい操作感のため、複雑に考えなければならない、ということはありません。
基本のバトルシステムは、ターン性バトルとシュミレーションRPGバトルが合わさったようなスタイルとなっています。自パーティの行動ポイントが無くなると敵へ行動権が渡る、というもの。自分がいるマスの位置によってどの敵に技が当たるか、そして敵からの攻撃を受けるかが決まってきます。
時には敵の動きの先を読みながら自分の位置を変え、技を繰り出していくバトルスタイルは、シンプルながら癖になり、本作の大きな魅力のひとつとなっています。
【物語を彩る音楽とイラスト】
本作の音楽を担当しているのは『ストリートファイターII』、『スーパーマリオRPG』、『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』、『キングダムハーツ』シリーズなどなど、多くのヒット作の音楽を担当された下村陽子さん。もちろん『ライブ・ア・ライブ』も他作品同様、耳に残る素敵な音楽が揃えられています。各シーンにぴったりとマッチした下村さんの音楽は、本作に欠かせない存在、一度耳にしたら忘れられないメロディは、一聴の価値があります。
そしてイラストを担当しているのは当時小学館に属していた漫画家である7名。オムニバス形式であるストーリーに合わせ、作家もストーリーにより異なります。
原始編→小林よしのり
幕末編→青山剛昌
功夫編→藤原芳秀
西部編→石渡治
現代編→皆川亮二
近未来編→島本和彦
SF編→田村由美
上記の通り、著名な漫画家が揃った豪華なキャラデザインとなっていました。
音楽にイラストと、豪華な面々が揃った本作は、ゲームシステムやシナリオ以外にも大きな魅力を持ち、今なお多くの人に支えられています。
【親から子へ語り続けられる名作『ライブ・ア・ライブ』】
※画像は製品紹介サイトより引用
『ライブ・ア・ライブ』は私自身が幼いころ、父親が必死になってプレイをしていたことを覚えています。そのころはまだ面白さがわからず、ただただバトルを何も考えずにプレイしていたわけですが、高校生になってきちんとやり直したところ、ドハマリしてしまいました。何といっても胸を打つストーリーに惚れ込んでしまい、遊んでいる時は毎日父親と一緒に語り合っていました。
どのストーリーも秀逸で、自分にとって大切なものを教えてくれました。親子二世代に渡って楽しめる名作である本作は、後世にずっと残していきたい一作です。8人の主人公が織りなす物語に、皆様も是非触れてみてください。きっと、心に残る物語に出会えることでしょう!