『東京ゲームショウ2016』ビジネスデー2日め探訪記 強く感じた「VR元年」の今開催をレポート

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2016.9.20

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9月16日のゲームショウビジネスデー2日目、編集長の加東氏と共に会場の幕張メッセに降り立った。『東京ゲームショウ』は日本最大のゲーム発表会であり、情報受信と体験を同時に出来るゲーマー垂涎のイベントである。超有名企業から、一人で賄っているインディーズメーカーまで、幅広い層が参加している。

朝現地集合したSPICEチームは早速現地に向かうが、ビジネスデー初日と違って発表も少ないせいか、人の流れも落ち着いているようだ。まあそれでも開場前のプレス入場口には長蛇の列ができており、人が多くて試遊台を体験できないかも……と悩んだりして不安にもなるといった、ゲームショウ特有のドキドキ感は相変わらずだ。

開場直後、場内に突入するやいなやチェックしたのは一番人気のCAPCOMブース。出展されていた新作の『めがみめぐり』『モンスターハンター ストーリーズ』『バイオハザード7VRエディション』の3つをプレイしてみた。

最初にプレイしたのは新技術「めがみスピークエンジン」を搭載したフルボイスおしゃべりコミュニケーションソフト『めがみめぐり』。多くの人を明るく照らすために、女神を目指すツクモガミ「ツクモ」とコミュニケーションを取りながら、成長させていくのが目的だ。

体験版をプレイさせてもらっての感想としては、表情豊かなツクモの顔と自然な声の表現があって、非常に魅力的な意欲作になっている。単体でのプレイは勿論のこと、SUICAやPASMOなどの交通系ICカードと連動する新しい試みがなされているのもポイント。たとえば渋谷に行った履歴があれば、話題として「渋谷ってどんなところ?」と問いかけてきたりする。これによってまたコミュニケーションの機会が増え、言語力も上がっていくのだ。そして何より重要なのが、ツクモの顔も声も超かわいいということ。試しにお礼の言葉を「ありがとう、だいすき」にカスタムした編集長加東氏はその可愛らしさに一撃でノックダウンし、グッズブースでツクモのクリアパネルを即購入したほどなので、その威力は推して知るべし。このように会話をカスタムして楽しむことで、自分だけのツクモを育てられるとあって、人気が出るのではないだろうか。

 


めがみめぐりコーナーは暖かな雰囲気でバイオコーナーと対照的。

めがみめぐりコーナーは暖かな雰囲気でバイオコーナーと対照的。

 
交通系ICとコラボということもあって、試遊席は電車風。

交通系ICとコラボということもあって、試遊席は電車風。

次にプレイしたのは名作『モンスターハンター』の流れを汲むRPG『モンスターハンター ストーリーズ』だ。従来のアクション性の高い操作を廃して、操作は簡単だが奥深い楽しみが出来るRPGとして生まれ変わったのが大きなポイント。
体験版で楽しめたのはモンスターの巣に入ってタマゴをゲットし、それを孵化させて仲間となるモンスターを生み出し、強敵にぶつかるというもの。戦闘システムはパワー、スピード、テクニックの3すくみになっており、敵モンスターの攻撃タイプを読むことで有利に戦闘を進められる。呼び出したモンスターに乗ることも可能で、「モンスターは仲間」という世界観をすぐにわからせてくれる。モンスターの育成、対戦など独自の要素も盛り沢山。美しく壮大なモンハンの世界観を手軽に楽しみながらも育成や武具生成などのやりこみ要素を楽しめるタイトルとして注目していきたい。

リオレウスにまたがる勇姿が本作を物語る。

リオレウスにまたがる勇姿が本作を物語る。

そして最後に控えるのが、お待ちかねの恐怖要素にステータスを全振りしたタイトル『バイオハザード7』だ。バイザーを着用していきなり暗さ、狭さで圧迫感を感じる室内のディティールが完成しているのに、加えて背後から謎の館の住人である老婆が迫ってくる恐怖よ。

この老婆の追跡をかわして隠れながらゴールを目指すという仕様になっており、勿論見つかったら即座にゲームオーバー。
狭い家の入り組んだ廊下の中を迷いつつ、、隠れられる場所でしゃがんで息を潜め、やり過ごす。この緊張感が今までのシリーズとは全く違い、手に汗握る。そう、展示されていた体験版では反撃の手段がないのだ。そんな条件で視界の悪い中、屋敷の中を這いずり回っているときの絶望感はゲームということを忘れて焦ってしまう。
ちなみに何度かゲームオーバーになってしまったが、そのたびに老婆がどアップで襲ってくるので心臓に悪い。隠れているときもこっそり覗いたりして様子を探るのだが、見つからないように動きを探るという緊張感が凄くて気が休まらない。クリアしたときの恐怖はひときわで、海外の展示会で話題になったのも頷ける恐ろしさだった。エピローグはバイオハザード公式ぺージにもある「TAPE-2 ベイカー」と一緒になっているのだが、VRになっていることで絶望感(拘束されている)とグロテスクさがアップ。本作のキャッチである「全ては恐怖のために。」を裏切らない、純粋な恐怖を味わうことができた。

夜の山小屋といった風情の中を暗中模索。怖い。

夜の山小屋といった風情の中を暗中模索。怖い。

 
ブースのレイアウトが恐怖感を煽る出来栄え。

ブースのレイアウトが恐怖感を煽る出来栄え。

 

 

ここで各ブースの花でもあるコンパニオンさんたちも少し紹介しよう。セガブースでは『龍が如く』シリーズの伝統でキャバ嬢風のコンパニオンが待機。他のコンパニオンとは違ったオーラを出していた。花も豪華で艶やかな雰囲気だ。

龍が如くと言えばキャバ嬢を外せない。

龍が如くと言えばキャバ嬢を外せない。

2K/テイクツー・インタラクティブジャパンでは、マフィアⅢの広告をメインに展開していたが、ワルそうなお姉さんと一緒に写真がとれるというので体験。偉そうな態度で椅子に座ってますが、実はかなり緊張しております。

悪そうなヤツは大体トモダチな感じです。

悪そうなヤツは大体トモダチな感じです。

CAPCOMに戻ってコンパニオンさんを激写。笑顔が眩しい!

最高の笑顔ありがとうございます!

最高の笑顔ありがとうございます!

モンスターハンター ストーリーズのナビルーも登場!

ブースをいくつか回ったところで、ボルテージブースに到着。ロマンスゲームコーナーと銘打たれたこのエリアでは、壁ドンならぬ椅子ドン体験ができるVRと、『天下統一恋の乱 Love Ballad』をモチーフにした、イケメン戦国武将に抱かれて囁かれるというアトラクションが開催されていた。ここで誰が行くのか揉み合いになったが、結局自分が行くことに。

最初はイケメン戦国武将との告白アトラクションをチョイス。豊臣秀吉と上杉謙信の2択だったので、謙信公でお願いした。超ドキドキしながら障子の前で待っていると、スラリとした美青年が登場。肩を抱きしめられ、いい匂いがする中で甘いボイスで囁かれた時点で頭がフットーしてしまい、何を言われたのか分からなくなってしまったうえに、こちらからも抱きしめ返す謎の反撃が炸裂。見物してた加東氏から後で聞いたのだが、この時点で他の列に並んでいる女性たちから「あれヤバイ! あれヤバイ!」と声が上がっていたとのこと。ヤバイのは真っ白になってしまった自分のハートです。

イケメンとご対面。ドキドキ。

イケメンとご対面。ドキドキ。

 
ハグされてますが、ハグし返してます。負けられない闘い。

ハグされてますが、ハグし返してます。負けられない闘い。

 
満面の笑み、もうこれはオチてますね……。

満面の笑み、もうこれはオチてますね……。

 
笑顔でツーショット。待ち受けにしたいです。

笑顔でツーショット。待ち受けにしたいです。

ドキドキが収まらない中、その後は本日2つ目となるVR体験「椅子ドンVR」に挑戦。人気恋愛シミュレーションアプリ『スイートルームで悪戯なキス』に登場するキャラクターが、椅子で動けない自分に向かって囁きかけてくるのをVRで体感することに。

最初は狭い部屋の中に閉じ込められている感じだったのだが、部屋がエレベーターになっているらしく、上昇していくと東京の夜景を一面に映し出して非常に美しい景観に。そこでドSな感じのお兄さんから言葉責めを受けるのだが、視覚と聴覚の情報がお兄さん9割、夜景1割くらいの情報量でこちらに迫ってくるのでドキドキ感が凄かった。新しい扉が開いたかもしれません。

近い近い近い! チューされる!

近い近い近い! チューされる!

ドキドキ体験を終了し、、大きなブースを周ってみようということで、プレイステーションブースを始めとした幾つかのブースをチョイス。順番に注目タイトルをピックアップしていくことに。

プレイステーションブースは試遊台が多く、注目タイトルが多く集まっていた。中でもドライブシミュレーターの最高峰である『グランツーリスモSPORT』とオープンワールドアクションRPG『Horizon Zero Dawn』は人気が高いように伺えた。

PS4専用タイトル『Horizon Zero Dawn』は、生命が機械化されてしまった近未来の世界を舞台に、ハンターが機械獣を倒しながら世界を探検していくオープンワールドRPG。木々などはそのままに、動物たちだけが機械化されている世界観が独特で、非常に魅力的に写った。動物の中には自分の乗用にすることもできるものも居るようで、機械獣に乗ったまま他の機械獣を攻撃するシーンも見受けられた。自由度の高いRPGが好きなプレイヤーなら、心ゆくまで冒険の世界を堪能できるはずだ。

 

次はスクウェア・エニックスを探訪。FFⅩⅤとキングダムハーツを全面に押し出したレイアウトだったが、編集部で注目したのはサガシリーズの完全新作『サガ スカーレット グレイス』だ。シナリオ:河津秋敏、キャラクターデザイン:小林智美、サウンドコンポーザー:伊藤賢治と歴代サガシリーズを作り上げてきたスタッフが集結しての新作となれば、期待値が高まるのも必然。

   © 2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. ILLUSTRATION: TOMOMI KOBAYASHI

© 2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. ILLUSTRATION: TOMOMI KOBAYASHI

 
 © 2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. ILLUSTRATION: TOMOMI KOBAYASHI

© 2016 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. ILLUSTRATION: TOMOMI KOBAYASHI

DMMブースでは人気の刀剣乱舞とVRを組み合わせた試遊台が用意されていたが、人気のため完全抽選予約制になっていたためプレイはできず。女性人口がこことボルテージブースだけ高かったのは気のせいだろうか。

当選者の皆様、おめでとうございます。体験したかったなあ……。

当選者の皆様、おめでとうございます。体験したかったなあ……。

新作タイトルの中には人気アニメ作品『甲鉄城のカバネリ』も。なんとアニメの続きを描く作品になるという。原作ファンとしては見逃せないタイトルと言える。プラットフォームはPCとスマホアプリになるようだ。冬に期待したい。

メインのホールはこれで一段落。屋台が並ぶランチコーナーで食事を軽く済ませて、物販とインディーズコーナーが用意されている別棟の9~11ホールへと向かう。ちなみにランチの一番人気は牛タン弁当であった。飯物強し。

E3でもTGSでも、尖った作品を見たいならインディーズコーナーというのは定番だ。どちらも本館から隔離されて別館になっているのも特徴と言える。そんなわけでやってきたインディーズコーナーだが、いきなり今年一番の尖った作品が目に入ってきた。他のブーストは違い、地上5メートルになろうという高さまで掲げられたLEDが特徴的な本作は『ラインウォブラー』という。

オレンジに広がるのは溶岩。消えた瞬間に走り抜ける。

オレンジに広がるのは溶岩。消えた瞬間に走り抜ける。

3DやVRが幅を利かすこのご時世に反抗するかのように、この作品は1D、つまり1本の線で構成されており、この中に自機、敵、障害物が表現されているのだ。バネを倒すことで移動し、敵が近くにいるときはバネを素早く左右に振って攻撃する、基本的な操作は以上で、あとは加速度センサーがついているので長く移動していると動きが早くなるだけだ。たったこれだけなのに、このゲームにはイメージによるスペクタクルが満ち溢れている。線の上で敵を撃破し、溶岩を突破し、テレポートするボスに頭を悩ませながら上下する。この操作が実に気持ちよく、そして負けるととても悔しいのだ。5メートルある高さがネックになるため、家庭用には持ち込めないだろうが、遊園地などにあったら子供よりもお父さんが夢中になってやってしまうタイプのゲームだといえる。

 
クリアすると七色の光が降ってくる。これが気持ちいいのだ。

クリアすると七色の光が降ってくる。これが気持ちいいのだ。

 

インディーズコーナーでもVRは注目の商材として扱われている。そんな中でチャレンジャブルなMR(ミックスドリアリティ=複合現実)に挑戦していたのがPDトウキョウのブースでプレイアブル出展していた『サークルオブセイバーズ』だ。

現時点では座ってプレイするVRが多い中、このブースではヴァーチャルスタジオを持ち込んで、立った状態ででの立廻りをさせるシステムを採用していた。VRは天井からぶら下げるようにし、盾と剣となるアイテムを手に持った状態で、迫り来る敵軍を倒していくという代物だ。このシステムの良いところはヴァーチャルスタジオを採用しているので、リアルタイムでゲームとプレイヤーの姿を組み合わせてモニターに映し出せるところだ。これによって観客はいまプレイヤーがどういう風になっているのかを分かりやすく鑑賞し、エンタテインメントとして楽しめるようになっているのだ。

今回は加東編集長が並々ならぬやる気を示し、我々はその勇姿を見学することにした。加東氏はかなり検討したものの、ラスボスのパンチで残り体力を奪われてしまい、あえなくゲームオーバーとなってしまったが、その活躍はモニター越しにしっかりと伝わった。

シールドバッシュや回転斬りを駆使して戦う加東氏。強いぞ!

シールドバッシュや回転斬りを駆使して戦う加東氏。強いぞ!


さて駆け足でゲームショウを眺めてきたが、ここまで来たら、やはりまとめは必要だろう。感じたことをここでお伝えしていく。

一番言いたいのは、メーカーの規模にかかわらず、今年のTGSから始まる『VR元年』の流れを強く感じたこと。この熱量はプレイステーションが発売されて、ゲームが奔流のように現れたあの時代の熱量を思い起こさせる。いろんな挑戦的なタイトルが現れ、その中から次の世代のヒントになる作品が生まれてくる予兆が間違いなく見えているといえる。今は価格の問題で先鋭化したプレイヤーしか遊べないかもしれないが、時を待たずして一般化が進むだろうと予測できる。この技術が進化することによって、より深いゲームへの没入、仮に言うならばフルダイブの技術も発展していくことだろう。前回もVRは登場していたが、今回のTGSでより現実味のあるアプローチが見えたと言える。時代の移り変わりの変換点として、今回のTGSは記念すべきものになると感じている。

 

文:鶴岡八幡 写真:原地達浩

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