舞台初出演の入山杏奈が「先輩方のハートをぶち抜くぜよ!」 「タクフェス」第4弾舞台『歌姫』東京公演が開幕
俳優兼脚本兼演出家として多才な活躍を見せる宅間孝行が仕掛ける、極上のエンターテインメントプロジェクト「タクフェス」第4弾作品となる舞台『歌姫』が、10月5日(水)池袋・サンシャイン劇場で東京公演初日を迎え、マスコミ向けにゲネプロを公開、舞台挨拶が行われた。
『歌姫』は、宅間孝行が主宰していた劇団「東京セレソンデラックス」の代表作のひとつで、2004年に初演され、2007年に再演されると共に、長瀬智也・相武紗希主演でテレビドラマ化。2014年には松本利夫(MATSU from EXILE)主演で劇団EXILE版『歌姫』が上演された。今回「タクフェス」としては初めての上演となる。
本作で舞台初出演となるAKB48の入山杏奈は、『果し状』を持参。「歴代岸田鈴役を演じた先輩、村川絵梨さん、谷村美月さん、相武紗希さん、ぜひ観にいらしてください。先輩たちのハートをぶち抜くぜよ!」と読み上げ、キャストたちから“おぉ~!”と拍手。すかさず宅間孝行が「お前、ケンカ売りよるのか!?」と突っ込み、「違いますよっ!!」と必死で否定。さらに誤字も指摘され、「なかったことにしましょう」と苦笑いしながら『果し状』を隠して笑いを誘った。
「鈴役への愛は負けてないと思います!」という入山杏奈について、作・演出を手掛ける宅間孝行は「まさか先輩たちにケンカを売るとは思いませんでしたけども(笑)、入山は初舞台で頑張ってくれました。まっさらな状態で入って、声も出ない、動けないというマイナスからのスタートだった。伸びしろと言いますか、1ヵ月の稽古で、ゼロからよくぞここまで来たなと。僕も含め他のキャストも本人の努力を感じて、いち役者として気付かされるところもあったと思います」と称賛の言葉を送った。
また、鈴の母・岸田浜子役のかとうかず子も「注意されたことをメモに取り、できなかったことを次の日にはできるようにするなど、ものすごい努力家だなと思いました。鈴から“歴代の家族の中でも一番仲のいい家族を作りたい”というメッセージをもらったり、刺激になりました」と温かくコメントし、オリオン座館主で鈴の父・岸田勝男役の斉木しげるも「声の出し方からびっくりするくらい変わりました。(宅間孝行の)演技指導のすごさですかね?(笑) それに応える杏奈ちゃんもすごいけど、自分の本当の娘のように思えて涙なしでは舞台に立てないんですよ、本当に。それくらい可愛くて仕方がないんです」と、地方公演を経てキャストたちの結束力もますます固まっている様子が窺えた。
宅間孝行が「今作は9年ぶりの再演でもあり、今回は僕が演じる四万十太郎は最後、決定版を作ろうという思いで集まってくれたメンバーですし、その思いで作ってまいりました。決定版とも言える『歌姫』2016年版の舞台、1人でも多くの人に見ていただきたいと思っています」と語る通り、キャストたちの思いがそのまま舞台に込められている。
昭和の古き良き時代、今だからこそ響くセリフや場面も多く、無茶振り? アドリブ?と思わせる笑いあり涙あり、最後には“そうだったのか!”という発見もあり。お客さんも「オリオン座」を取り巻く一員となって参加できる2016年版『歌姫』。東京公演は、10月5日(水)~16日(日)まで池袋・サンシャイン劇場にて行われる。
<ストーリー>
土佐の漁場町にひっそりと佇む映画館「オリオン座」。時代の流れには逆らえず、ついに迎えた閉館の日、小泉ひばりが東京から息子を連れて訪れる。そこで最後に上演されたのは、1960年代に作られた『歌姫』という作品であった。それは戦後のドサクサで記憶喪失になった男と彼を愛する女性の純愛物語。この映画を最後に上演する事が、先月亡くなったこの映画館の持ち主、松中鈴の遺言であったという。この作品には一体どんな意味があるのか、そしてひばりがこの映画を観に来た理由とは?
昭和30年代の真夏の高知の田舎で繰り広げられる“タクフェス版「ニュー・シネマ・パラダイス」”という話題の舞台。
レポート・文=高橋公子
■日程・会場
■脚本・演出:宅間孝行