ボードゲームに恋して~ ROUND:6

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 (c)Dear Spiele

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「迷い、そして輪廻の渦に巻き込まれよ」
#曼荼羅(マンダラ)

友達と、わいわいと盛り上がりながら遊ぶだけがボードゲームではありません。
時には心静かに、明鏡止水の境地に身を置いて、ただ目の前のコマとカードにストイックに向き合う。
そんなわびさびに満ちた禅道の極地のような遊び方が......ないですね。ないない(笑)

とはいえ、ゲームのテーマとしては存在していて、今回紹介するゲームは、仏教にある六道をテーマとしたなんとも渋く苦しく、そして楽しいゲームです。

その名も「曼荼羅(マンダラ)」

厳かな雰囲気漂うゲーム「曼荼羅」  (c)Dear Spiele

厳かな雰囲気漂うゲーム「曼荼羅」  (c)Dear Spiele

ああ、もうパッケージからして秀麗かつ厳かな雰囲気(オーラ)を纏っています。こちらのアートワークはボードゲーム「枯山水」で、ボードゲームの世界に侘び寂びを見事に表現した「ママダ・ユースケ氏」。今回も良い仕事をしております。素晴らしい。

 

>>東京ドイツゲーム賞 特別賞受賞作品

今回紹介する「曼荼羅」は、ボードゲームショップ「テンデイズゲームズ」と、ショップの運営からゲームの日本語版ローカライズなど広く展開している「ニューゲームズオーダー」が主催した「東京ドイツゲーム賞」にて、「ニューゲームズオーダー特別賞」を受賞(同賞の大賞は「枯山水」)した作品が商品化されたものです。

同賞で大賞を受賞した「枯山水」は、オールドユーロともいうべきタイルをランダムに引いて配置していくシンプルなゲームでしたが、「曼荼羅」は、オールドユーロの雰囲気は残しつつも、モダンユーロ的な特殊能力(アクション)を使った重量感のあるゲームという印象で、同じ賞から生まれた作品でありながら対照的なプレイ感とシステムだなと感じました。

「枯山水」をイメージして臨むと、ちょっと難しくて驚いてしまうかもしれませんが、少し難しいゲームが好きなフリークの方にとっては、とても遊び応えのある作品に仕上がっているかと思います。

 

>>秀麗なアートワークと布製のメインボード

なんといっても、この「曼荼羅」で特徴的なのは、布で出来たメインボードです。

ボードの代わりに盤面が「布」で出来ています  (c)Dear Spiele

ボードの代わりに盤面が「布」で出来ています  (c)Dear Spiele

「ボードゲーム」ですから、メインボードはしっかりしたボードが良いというイメージもあるかもしれませんが、世界観的な合致もある故か、この布製ボードが結構良い味を出していて気持ちいいです。

また、前述しましたが、アートワーク担当の「ママダ・ユースケ氏」によるアートワークも秀麗で、外箱のみならず、内容物の隅々まで込められたこだわりが伝わってきます。

サブボードのアートワークも秀麗  (c)Dear Spiele

サブボードのアートワークも秀麗  (c)Dear Spiele

サブボードはちゃんとしたボード

アクションカードは「六道」をモチーフとしたネーミングに  (c)Dear Spiele

アクションカードは「六道」をモチーフとしたネーミングに  (c)Dear Spiele

アクションとなるカード類は「六道(リクドウ)」をモチーフに「人間道」「修羅道」「地獄道」「天道」「畜生道」「餓鬼道」というネーミングと、モチーフに準じたイラストがしっかり描かれています。

決して派手さはありませんが、アートワークの書き込みは細部に至るまで丁寧にされており、全体を通して華のあるデザインになっています。内容物を広げるだけでテンションの上がる作品です。

 

>>ゲームシステムはそこまで難しくない?

ゲーム内容としては、サブボード上に置かれたタイル、あるいは六道カード(アクション)に自らの「仏駒」を置くことで、勝利点あるいは、アクションを得ることで各ラウンドのイニシアチブを獲得していくゲームとなります。

タイルに仏駒を置くことができれば、ラウンド終了時にタイルは基本メインボードの最も小さい数字が書かれた区画に置かれます。

基本はタイルを配置していくゲームです  (c)Dear Spiele

基本はタイルを配置していくゲームです  (c)Dear Spiele

タイルを置いた結果、実線でつながれているコマの個数だけ勝利点が毎ラウンド入ります。(最も繋がっている1か所のみ)タイルが増えればつながるコマも多くなるため、たくさん得点できる可能性が出てくる感じです。ちなみに、上の画像だと、黒が2点で、他のプレイヤーは1点ずつとなります。

自分の色のコマを繋げた数だけ得点が入ります  (c)Dear Spiele

自分の色のコマを繋げた数だけ得点が入ります  (c)Dear Spiele

タイルが2枚に増えた結果、黒が3点、茶色が2点に。灰色と赤は変わらず1点ずつ。

しかし、これは基本の動きで、六道カードのアクションを使うことでタイルの配置場所を変えたり、既に配置されているタイルを回転したり、移動させたりすることも可能なため、そうそう上手くは行きません。しかも、使える仏駒はそれほど多くないため、すべての選択肢を実行することはできず、なかなか厳しい選択を迫られます。

そして、このゲームでもうひとつ面白いのが、勝利点の入り方です。

勝利点は、ラウンド終了時点で最も多く得点しているプレイヤーから加点されていくのですが、加点の際に他のプレイヤーと同点になることがありません。どのように処理するかといえば、同点になった場合は後から同点に追いついたプレイヤーに更に1点加点して先に得点マーカーを進めてしまいます。

得点初期値  (c)Dear Spiele

得点初期値  (c)Dear Spiele

初期値は全員1点差(点数の低いプレイヤーからプレイ順が回ってくる)

茶色1点獲得  (c)Dear Spiele

茶色1点獲得  (c)Dear Spiele

点数はトップのプレイヤーから加点していく

他のコマは飛び越えることができます  (c)Dear Spiele

他のコマは飛び越えることができます  (c)Dear Spiele

加点の際に、他のプレイヤーと同点になった場合、更に1点加点していく。
黒のみ2点、他が1点の得点だった場合、このように他のプレイヤーを飛び越えて2点以上の得点を得ることができる。

このように、一度に2人、3人飛び越えることもあるので、一発逆転も狙えるかも?!

 

>>目先の利益を追求するゲーム

このゲーム、公称プレイ時間が120分と長めとなっています。これでちょっと敷居が高くなってしまっている気もするのですが......

実はこの「曼荼羅」、毎ラウンドランダムに出てくる六道カードのお蔭で、全くもって先のラウンドの見通しが立たない「見通しの悪いゲーム」で、先のラウンドのことを考えてしまうと確かに公称通りの時間はかかってしまいそうです。

......が、ハッキリ言って先のラウンドのことなんて考えても明確な正解が無いので(笑)出たとこ勝負!目先の(今のラウンドの)得点のみを考えて立ち回るゲームなのではないかな?と。そうすれば、60分前後で終わるちょうどよいゲームになります。たぶん、見通しの悪さは、このような狙いがあってワザとそうしたのではないでしょうか?

とはいえ、次のラウンドを見越した仏駒の運用なども無きにしも非ずなので、多少のバランス感覚は必要ですが、とりあえず目先の利益を追求し、他のプレイヤーと勝利点が乖離しないように心掛ける、それだけ考えるプレイならそこまで時間はかかりません。また、そうすることで、勝利点も団子状態になって一発逆転も!

 

パッと見地味なゲームで、ちょっと難しそうな印象も受けますが、細部までこだわりのある秀麗で苦しくも楽しい「曼荼羅」是非、機会があったら遊んでみてくださいませ。

 

See You :-)
 

ゲーム情報
曼荼羅(マンダラ)
 
(c)Dear Spiele

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 作者:麻生忠嗣
 販売:New Games Order(ニューゲームズオーダー)
 定価:6,000円
 
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