クリスチャン・リンドバーグ(トロンボーン) レジェンドの必聴パフォーマンス
クリスチャン・リンドバーグ ©Mats Bäcker
「トロンボーンのパガニーニ」クリスチャン・リンドバーグが、今秋本格的なリサイタルを行う。彼はトロンボーンをソロ楽器として確立させた歴史的存在。驚異の超絶技巧と楽器を超えた表現力、刺激的なパフォーマンスで万人を唸らせてきた。近年は指揮活動に重きを置いているが、昨年読響を“吹き振り”した際の演奏は、変わらず絶品! それゆえ本公演の開催は実に喜ばしい。
来日25周年特別企画となる今回は、前半がファンのリクエストに応えたソロ・プログラム。グレンダール、シュレック等のオリジナル曲やモンティ「チャルダッシュ」等のアレンジものが、名手ローランド・ペンティネンのピアノ伴奏で披露される。後半は、これにバンドネオンのイェンス・ルンドベリを加えた「タンゴフォリア」のステージ。ピアソラの名曲等をトロンボーン主体のトリオでいかに聴かせるか? 興味津々だ。なお大阪では「タンゴフォリア」の単独公演が実現。タンゴの名作がたっぷり披露されるので、無類のエンターテイナーぶりが全開となる。これら貴重なライヴは、管楽器ファンならずとも必聴!
文:柴田克彦
(ぶらあぼ 2016年9月号から)