のん主演、片渕須直監督『この世界の片隅に』が世界14ヶ国で公開へ 満足度ランキングで1位に輝くなど好調なスタート
(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
公開中のアニメーション映画『この世界の片隅に』が、“ぴあ映画初日満足度ランキング”と“Filmarks初日満足度ランキング”で第1位を獲得。公開館数63館で全国映画動員ランキング10位に食い込むなど好調だ。
映画『この世界の片隅に』は、こうの史代原作の同名漫画を原作に、アニメ『マイマイ新子と千年の魔法』の片渕須直監督が6年の歳月をかけて映像化したアニメーション映画。第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、戦況が悪化していく世の中で大切なものを失いながらも、日々を前向きに生きる女性・すずの姿を綿密な時代考証をもとに描く。主人公・すずをアニメ声優として初主演を果たす女優のんが演じるほか、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔ら多くの才能が同作のために集結。音楽をシンガーソングライター・コトリンゴが担当している。
興行通信社によれば、同作の11月12日(土)、13日(日)の週末興行成績は4,704万2,090円、動員は3万2,032名。ほかの映画に比べてわずか63館にも関わらず、全国映画動員ランキングで見事10位にランクインを果たしている。また、主要劇場でのパンフレット購買率が30%以上を記録し、公開初日から品切れになる劇場が続出しているという。
広島国際映画祭2016でのようす
また、同作は、11月13日に閉幕した広島国際映画祭2016にてヒロシマ平和映画賞を受賞。LINE LIVEで生配信された池袋HUMAXシネマズの舞台挨拶は30万人以上が視聴し、放送直後に公式ランキングで第1位を獲得するなど注目が高まっているもよう。
また、全国50館以上、累計100館以上の劇場が決まっているだけでなく、イギリス、フランス、南米を始め世界14か国での配給も決定したという。同作はより多くの観客に届けるべくクラウドファンディングで出資を募り、2015年当時最高記録となる36,224,000円の支援額、3,374人の支援者を集めることに成功したことでも話題となった。その想いが身を結び、最高のスタートを切ることができたのではないだろうか。
のん アフレコ風景
映画『この世界の片隅に』は公開中。
映画『この世界の片隅に』
声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 / 澁谷天外
監督・脚本:片渕須直
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
企画:丸山正雄 監督補・画面構成:浦谷千恵 キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
音楽:コトリンゴ
プロデューサー:真木太郎 製作統括:GENCO アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル
すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。 だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた。