豊島区の文化事業(まちづくり)がらしくなくて見逃せない!

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2015.8.24

豊島区役所が、目指す未来のアートな姿を仮想する?

 「としまアートステーション構想」というのがある。(1)区民をはじめ多様な人びとが、豊島区内の魅力あふれる場所で地域資源を活用しながら、当事者として主体的にアート活動を行い、その活動がさらに多くの人々の主体性を生み出す。(2)そんな新しい公共活動のあり方を目指し、それら自発的なアート活動を支援することで、地域や人々の想いをつなげるシステムづくりを目的とする。(3)さらに自然に発生したささやかなアート活動が結び付き、人や街とともに暮らすことができるきっかけをつくり出す。

 これらを目指した豊島区による文化事業が、としまアートステーション構想なのだ。文化芸術によるまちづくりと言ってしまえば味気ないのだけれど、その楽しげなあやしさ満載な感じがただよってくる。

 この5月に南池袋にオープンした豊島区役所を舞台に、「居間 theater」が仮想の「アートステーション構想推進課 パフォーマンス窓口」を開設し、アートを生み出す小さな拠点や人びとを指す「アートステーション」をさまざまな形で推進する、というもの。「居間 theater」は、演劇やダンスを背景にもつメンバー(東彩織、稲継美保、宮武亜季、山崎朋)を中心とするパフォーマンスプロジェクト。

 2013年から東京・谷中にある最小文化複合施設HAGISOを拠点に活動を開始し、音楽家や美術家、建築家などさまざまなジャンルの人々との共同制作や、カフェ、移動図書館、街歩きツアーなどの“場”と、そこが作り出す状況そのものともコラボレーションを行い、パフォーマンスのあり方を探っている。人が集まり時間や出来事を共にする「居間」的で「劇場」的な場所のことを考えながら活動している。

 「居間 theaterが活動する上で、いつももやもや考えていたのは、アートと日常生活の関係でした。どうしたらこのふたつが一緒に、同時に存在することができるだろう? そんな中で出会ったのは、結婚式をしたい夫妻や、移動図書館に本を借りにくる親子、カフェにふらっと訪れるお客さんといった人たちと、彼らがつくる、なんてことのない時間と風景でした。私たちはしだいに、そもそもアートと日常というふたつに区別して考えること自体がもう重要ではないのだと思い始めました。誰かの個人的なできごとに密接に関わることで、「アートと○○」という言い方では説明できない状況や結果が生まれてくる。そんなことを想像しては、わくわくしてしまいます。

 今回は、豊島区役所に仮想の課をつくります。そこでとしまアートステーション構想の考え方と、区役所の窓口という形式を借りて、たくさんの人と出会ってみます。『窓口』という対面の出会いから、ともに何かを考えたり感じたりできるやりとりはどうやったら生まれるでしょうか。そんなことを考えながら、おもしろがりながら、実験してみたいとおもいます。あるけどない、架空の窓口でお会いしましょう。」(居間 theater)

 なにか推進してほしいもアイデアがある方は、とりあえず、豊島区役所へ行ってみる? 

イベント情報
区庁舎 × 居間 theater「アートステーション構想推進課 パフォーマンス窓口」

日時:2015年8月28日(金)・8月29日(土)
会場:豊島区役所1階としまセンタースクエア ほか庁舎内各所
出演:居間 theater[いま・しあたー]
公式HP:http://www.toshima-as.jp/#!project16/c3po
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