ミュージカル『八犬伝─東方八犬異聞─』まもなく開幕! 坂口湧久・松村龍之介 インタビュー
松村龍之介、坂口湧久
原作マンガは、現在「エメラルド(KADOKAWA)」に連載中で、単行本は第15巻まで発行され、テレビアニメ化もされている人気作品だ。
この作品で前回に続いて信乃を演じる坂口湧久と、新たに荘介に扮する松村龍之介に、この作品と役柄について話してもらったえんぶ11月号の記事を別バージョンの写真とともにご紹介。
1年経って大人の信乃に少しだけ近づいた
──『八犬伝』の「第二章」が上演されると聞いたときはいかがでした?
坂口 犬塚信乃という役をまた演じられるのがすごく嬉しいです。前回演じて大好きになったので。信乃は13歳の子供の姿で止まっていますが中身は18歳の大人で、子供の信乃はこのままでやればいいですが、大人の信乃は想像でやるしかないので、そこは一番がんばったところでした。演出の浅井(さやか)さんと相談しながら、声を変えたり、表情を変えたり、工夫しました。1年経って僕は15歳になって、大人の信乃に少しだけ近づきました(笑)。
──松村さんは初参加ですが、この作品については?
松村 原作も前回公演のDVDも観ました。情報量の多い作品ですが、1人1人の人生がしっかり描かれているので、物語に入り込んでしまいました。舞台のほうも、湧久くんを筆頭に生身の人間が原作の世界を演じる迫力と面白さがあって、僕も早く『八犬伝』の世界に入りたくて仕方ないです。
──犬川壮介の役はどう演じようと?
松村 信乃を想う気持ちは大前提として持っていたいし、抱えているものを、周りの人たちにも大好きな信乃にも見せない強さがあるのですが、瞳や立ち居振る舞いの中に、ふとそれが見える表現をしていけたらと。それによってお客さんに物語の裏の部分まで想像してもらえたら、この作品はさらに面白くなると想いますから。
松村龍之介、坂口湧久
役との出会いは自分を客観視させてくれる
──坂口さんはミュージカルの世界でも活躍していますが、この作品も音楽が素敵ですね。
坂口 音楽も歌詞も、歌っててとても気持ちいいです。前回、浅井さんが、「台詞にしたかったら台詞にしていいよ、そのほうが気持ちが伝わりやすいなら」と言ってくださって、台詞にしたところもありました。
──松村さんは初ミュージカルだとか?
松村 そうなんです。歌は…(笑)、いや、ばっちりです!がんばります!
──それぞれのフィールドで活躍中のお2人ですが、俳優という仕事の楽しさは?
坂口 やっぱり色々な役ができることで、自分が絶対言わないようなことを台詞で言えるのは、楽しくてしかたないです。
松村 個人的に一番楽しいことは出会いがあることなんです。今回も、湧久くんを見ていると、自分がこの年齢のとき何を考えてたかな、こんなに大人びてなかったよなとか思います。役との出会いも得るものが大きくて、役を考えることは、いやでも自分を「松村龍之介」を考えることになるので、弱点とか長所を気づかせてもらったりします。自分を客観視する良いきっかけになるんです。
──素敵ですね。では最後に公演への意気込みを。
松村 この素晴らしい『八犬伝』に携われて幸せです。同時にプレッシャーも不安もあります。でもそれを押しのけ、観にきてくださったお客さんに満足していただくためにも、今の自分を飛び越えたいです。
坂口 僕も前回の信乃を超えないといけないです。一章ではできなかった信乃を、二章ではできるようになりたい。そしてもっともっと良い舞台になるように、皆さんと強力して頑張ります。
松村龍之介、坂口湧久
ミュージカル
『八犬伝─東方八犬異聞─』
脚本◇ほさかよう