祝・台湾公演決定! 初のワンマンツアーを控えるun:cが歌とリスナーへの想いを明かす

インタビュー
音楽
2015.8.25
un:c

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初のワンマンツアー、そして台湾での公演。彼は何を見、見せるのか。

2014年6月の1stワンマンライブから一年と少し。9月に自身初となるワンマンライブツアーをスタートさせるun:c。さらには初の海外でのワンマンライブが台湾で開催されることも発表された。
ニコニコ動画の”歌ってみた”シーンから登場し、今やシーンを代表する存在の一人である彼は、動画でもそのハイトーンの歌声と様々な声色を使い分けた台詞やアドリブのフェイクで多彩なアレンジをこなし人気を集めているが、何より本人もロック好きを公言しているように、ライブでのアツい歌唱とステージパフォーマンスには定評と一見の価値あり。
間近に迫るライブツアーについてのほか、近況や心境ーーとことん自らの歌と向き合いながら悩み、そして前に進む彼の思いを、以前より某音楽雑誌で何度か取材をするなど親交のある筆者が訊いた。
ファンの方はもちろん、今までよく知らなかったという方にも彼の音と、リスナーを楽しませることに全てを賭けるその真摯な姿勢に触れていただければ幸いである。

 

ーー僕がインタビューでお会いするのは『幾千万ラヴレターズ』のリリース前以来なんですが、まずはざっくりと近況はどうですか?
 

「各種ライブに出たりとか、動画を作成したりとか……でも動画はあまり上げられなかったんですよね。僕、毎年歌に対して悩んだり迷ったりするんですけど、またその悩む時期が来てしまい(苦笑)」
 

ーーあれ、少し前にお話を伺ったときには「吹っ切れた」みたいにおっしゃっていた気がするんですが。
 

「そうだったんですけどね……やっぱり僕はメンタルが弱いんだなと(笑)。悩んでいると歌にもそれが出ちゃうんですよね。だから録音していても納得いかないというか」
 

ーー余計ぐるぐると悪循環になりますよね。
 

「ぐるぐる回っちゃいましたね……結局、気にせずアップすれば良い話なんですけど。たとえリスナーさんに「今回あんまり良くなかったね」と言われたとしても。でも、そう思われるのが嫌な自分もいて、ある一定のボーダーラインを超えないと動画を上げたくないって考えちゃうんです。とはいえ、周りが動画を上げてたりとか活動しているのを見てジレンマというか」
 

ーー焦りとか。
 

「そうそう。自分だけその場で地団駄踏んでるみたいな感覚になって」
 

ーーその状態はアルバムを出した後からですか。
 

「そうです。アルバムはもう、個人的には全精力を注ぎ込み過ぎたくらいの印象で。もちろん、「もっと出来る」っていう思いもありますけど……きっとあの作品を作り終えて「次はもっと気合の入った作品を作らなきゃ」って思い過ぎちゃったんですよね」
 

ーー前作のアルバムがとにかくストレートに「歌うこと」に注力した作品だったじゃないですか。その反動というか、突き詰めた故にその後の基準が上がってしまったと。
 

「そうなんですよね。構えすぎてしまったのはあります。あとはボイトレに通っているんですけど、明らかに歌に対する認識も変わってきてて。過去に自分がやってきたことと今やっていることとが、若干の乖離を感じて。昔の良さもあるんだけど、今はもっと変えていかなきゃいけなかったり、進まなきゃいけない、そのバランス取りの難しさですよね。昔の歌い方だと一発で喉やっちゃいますからね(苦笑)。当時は発声から全く未熟で、1日一曲歌ったらもう明日は歌えないみたいな情けない状況だったんですけど、今はもう1日に何曲も歌えるし翌日も歌えるんですけど、でもその喉に優しい歌い方と音で聴いたときにテンションが上がる歌っていうのが一緒ではなくて。そこを両立できるように色々考えたり研究してたら、なかなか納得いくものが出来ずに動画が上げられなかったという」
 

ーーそんな時期が続いて。
 

「最近はそうでしたね。でもライブに出たりとかして嬉しいお言葉をもらえることもあって……最近のライブで「声が太くなった」とか「声の伸びが良くなった」とか言っていただけることが増えて。それを聞くと「ああ、ちゃんと前には進めてるんだな」って思えて、ツアー前の不安みたいなものは無くなりましたね」
 

ーーそんな心境の変化もあって、先日Twitterで「何曲か一気にアップできそうだ」っておっしゃったわけですね。
 

「そうです。実はアルバムを作り終わったあとすぐに、自分一人では上げられないものも含め、いくつか楽曲の製作が始まってたんですよ。それが近いうちに上げられそうだっていう話なんですけど」
 

ーーたとえば「こんな曲が上がるよ」っていうのは今話せます?
 

「コラボが多いですね、歌い手同士であったり。ロック系が多いかな。……なんか、今ってやっぱり歌い手もそうだしテレビを観ていてもそうですけど、歌が上手い人が当たり前になってるじゃないですか。そこにはやっぱり負けたくないし、かといって動画がつまらなくなるのも嫌だなと思うんですよ。観終わって「すごかったな、この人」って思われたいなっていうのもあるし。僕自身、そう思える人の動画を観て尊敬して歌い手の活動を始めたし、そこは妥協せずにやっていきたいですね……っていうところで悩むんですけど(笑)。でもそこは解決し始めてますけど」
 

ーー自分なりに整理できた感じですか。
 

「僕は調子がいいもので、悩んでても一発納得のいく歌が録れたら「あ、もうこれいけるわ」みたいになって(笑)。結局はずっとその繰り返しなんですよね」
 

ーーやっぱり、そういう悩んで乗り越えるみたいな時期がないと、慢心とまでは言わないけど停滞しますよね。
 

「うん、ボイトレの先生にも言われたんですよ。「悩むのは当たり前」「悩まない人は今すごくノっている人なのか、自分の現状に気づけていない人だ」って。もちろん第三者の目は必要で、お客さんから教えてもらうことも多いけど、基本的には自分自身にしっかり目を向けてなくちゃいけない。「でもun:c君は少し向けすぎ」って(笑)。もっと無責任で良いって言われました」
 

ーーあははは!
 

「最終的に評価するのは他人なんだから、僕がそこで悩んで世に出るはずの歌をストップさせるんじゃなくて、ある程度形にして世に出すのが義務ですっていうことを言われて、「なるほど!」と」
 

ーーええと……un:cさんってA型でしたっけ。
 

「僕A型です。ドAですよ(笑)」
 

ーーやっぱり(笑)。でも、そういう真摯なところというか、歌とか作品にちゃんと向き合うところが好きっていうファンの方も多いと思うんですよね。
 

「言ってくださる方はいます。こだわって納得のいくものができるまで待ちますっていう方もいるんですけど、そう言われると思わず甘えちゃう自分もいるので。「じゃあ、もうちょっとやろうかな」って(笑)。その”もうちょっと”のレベルも、始めて聴く人からしたらどこで悩んだのか分からないような些細な部分なので、単なる僕のエゴというか、こだわりになっちゃうんですけど」
 

ーー確かに、「これ以上はない!」って自身を持って言えることが一時的にはあったとしても、「まだもっと出来るはず」っていう気持ちは一生付いて回るのかもしれないですよね。
 

「そうなんですよね。最初はたくさん観てもらえるように面白いことやろう!とか、せっかく観てくれた人には笑ってもらいたい、っていう気持ちでやっていたんですけど……その初心は絶対忘れないですけど、昔以上に今思うのは「ガッカリさせちゃったらどうしよう」っていうことなんですよ。歌わせてもらってる以上、生半可なことは絶対にできないし、「昔の方が良かった」って言われるのは悔しいし。っていう初心とは違った気持ちが大きくなってしまうときは、やっぱり上手くいかなくなるんですよね。以前はなかった気持ちなんですけど、それこそランキングに載らないような時期には。そのときはガッカリされようが100%出すしかない、みたいな。今は責任があるというか、でもある意味無責任に悪ふざけするような作品もあって良いと思うし、そこの気持ちと上手い具合に付き合いたいなとは思いますよね」
 

ーー近々上がる予定の動画は、その突き詰めたタイプと遊んでみたタイプ、どちらになりそうですか?
 

「わりと突き詰めた方が多いですね。ボカロ版と同時にアップされる楽曲だったりとか、あるボカロPさんのメジャー盤に収録される楽曲だったりとか。やっぱりせっかくボカロPさんが僕に任せてくれるっていう部分を考えると責任はありますよね」
 

ーーなるほど。やっぱり責任の比重が増してきたのはそういう周りの状況もあるんでしょうね。
 

「もちろんそれはあります。でも僕はそのせいにはしたくないし、感謝すべきことだと思うので。あとは自分の気持ちのーーこの弱いメンタルの持って行き方ですよ(笑)」

ライブの様子1

ライブの様子1

ーーそこは適度に発散しつつ、ファンの方からの思いをインプットしながら向き合っていただきたいです。というところで、ツアーがありますね! 4公演はすでに発表になってましたが、10月24日には台湾でもライブを行うそうで。
 

「やります! 台湾の追加公演」

ーー台湾っていうのは以前もCOFツアー(un:cがレギュラーメンバーを務める、歌い手合同のツアー)で行かれたときに「すごく良かった」っておっしゃっていた土地ですよね。

 

「初めてのアジア公演が台湾だったこともあって、すごく特別な場所なんですよね。行ってみて思うのは、待っていてくれる方がたくさんいて、普段から僕らの動画をしっかり観てくれているんですよ。自分の知らない土地に、自分のことを知ってくれている人がこんなにいるんだっていうことにまず感動したし、日本語をしっかり覚えてくれてるっていう勉強家なところとか、台湾の方の姿勢っていうのがすごくリスペクトできるんですよ。あとすごく面白いのが、ライブ中みんな黙って聴くんです」

ーー一緒に歌ったりはせず?
 

「そう、じーっと静かに聴いていて。「あれ?僕、なんかやらかした?」とか思うんですけど(笑)、間奏になるじゃないですか、その瞬間「ウオーーーー!!」って盛り上がるんですよね。すごい、なんてお行儀の良い国なんだ、と(笑)。COFで行ったときにはライブ慣れしたのか、一緒に飛び跳ねたりもしてくれましたけど、最初はそんな感じで」
 

ーーお国柄って面白いですねぇ。
 

「そうなんですよ。最初は演歌のコンサートみたいでしたからね(笑)。サビが終わったら拍手が起きて、2番になったらまたスッと聴き入るみたいな。日本と比べるわけじゃないですけど、本当にしっかり聴いてくれるんですよ。あとは人だったり文化の面でも台湾っていう国自体がすごく好きなので、今回スタッフの方から「台湾公演しませんか」ってお誘いがあったときは「ぜひやりたいです!」って即答でした。どれだけ来てくれるかは分からないですけど、やること自体に意味があると思うし。今回は『YOUR STORY』っていうツアータイトルで『幾千万ラヴレターズ』のリリースツアーになるんですけど、応援してくれるファンのみなさんにちゃんと”ラヴレター”を届けに行きたい!っていう思いで決めました」

ライブの様子2

ライブの様子2

ーー『YOUR STORY』というタイトルに関していうと、『幾千万ラヴレターズ』は「un:cさんの」ストーリーだったと思うんです。今度は「あなたの」ストーリーっていうことですよね。
 

「はい。アルバムは僕から色んな方々への感謝、いただいたファンレターを一人一人に返すのは出来ない代わりに、アルバムを僕の視点でラヴレターに置き換えて、その気持ちに合う素晴らしい楽曲を歌わせていただいて、綴ったものだったんですけど、その中にも聴いてくれた人がその人自身にも重ねられるようにオリジナル曲の「君のストーリー」を入れたんです。だからツアータイトルはそこから取ったし、アルバムではパーソナルな部分も含んでいたものを、今度は完全に聴いてくれるみなさんへの想いとして伝えに行く、届けに行く感じですね」
 

ーーなるほど。今回は東・名・阪に加えて福岡と台湾のご自身初となるツアーですが、昨年のワンマンライブと比べてどのような内容になりそうですか?
 

「まだ漠然としているんですけど、前回よりもっと「歌」にフォーカスしたライブらしいライブにしたいなっていうのは考えてます。そこに僕らしい部分もちゃんと入れたいなと。あとは前回から引き続き、はしやんがゲストで出てくれます」
 

ーーなるほど、パフォーマンス面も含めすごく楽しみです。その後の展開は何か考えていますか?
 

「COFの冬ツアーがあるので、そこはしっかりやりつつ……結構前からある気持ちなんですけど、オリジナル曲をしっかりやりたいと思ってるんですよ。それに向けていま少しずつ動いていることもあるので、今後はオリジナルが増えるかもしれないですね」
 

ーーそれは音源化も含めてですよね?
 

「音源化が前提です。”歌ってみた”は好きだし、今後も続けていきますけど、やっぱりいつまでも”歌わせてもらってる”っていう立場だけのままでは良くないなってうのもあり、もっともっと「自分の言葉」っていうのを発していきたいというか、その気持ちがすっごく出てきてるんです。それを形にしたいし、以前は一人ではできなかったんですけど、今は手伝ってくれる仲間も増えたし、その人たちと一緒に楽しめてリスナーさんも楽しんでくれる曲作りをしながら、最終的に1枚アルバムが作れたらいいなと思ってます」


インタビュー=風間大洋

イベント情報
un:c 1st ONEMAN tour - YOUR STORY ‐​

2015年9月24日(木)渋谷 TSUTAYA O-WEST
Open 18:00 / START 19:00

2015年9月30日(水)名古屋 APOLLO BASE
Open 18:30 / START 19:00

2015年10月2日(金)大阪 アメリカ村 DROP
Open 18:30 / START 19:00

2015年10月22日(木)福岡 Queblick
Open 18:30 / START 19:00

チケット価格:前売り:3,300円 当日3,800円(別途ドリンク代必要)

 
 

 

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