吉岡徳仁個展『スペクトル ― プリズムから放たれる虹の光線』レポート 幻想的な光の鑑賞から、見えてくるもの

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『吉岡徳仁 スペクトル ― プリズムから放たれる虹の光線』会場入口

『吉岡徳仁 スペクトル ― プリズムから放たれる虹の光線』会場入口

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1月13日(金)~3月26日(日)にかけて、資生堂ギャラリーではデザイン、アート、建築など幅広い領域で活躍する吉岡徳仁の個展『スペクトル − プリズムから放たれる虹の光』が開催中だ。

吉岡は倉俣史朗、三宅一生のもとでデザインを学び、2000年に吉岡徳仁デザイン事務所を設立。数々のプロダクトデザインを手がけるほか、自然と感覚を実験的なテクノロジーと融合させる作品は、分野にとらわれず国内外で高い評価を受けている。

2013年に東京都現代美術館で開催された個展『TOKUJIN YOSHIOKA_Crystallize』では、プリズムのステンドグラスでつくられた「虹の教会 - Rainbow Church」を、また2011年に開催されたヴェネツィア ビエンナーレ国際美術展では、自然光によって様々な表情を見せる「ガラスの茶室 - 光庵」を発表するなど、光をモチーフにした作品から日本文化の本質を見つめてきた。

Rainbow Church | 2010 | 2013

Rainbow Church | 2010 | 2013

KOU-AN

KOU-AN

 

光線のスペクトルを放つ新作インスタレーション

本展で初公開となる新作インスタレーションでは、プリズムでつくられた彫刻から照射された光が、ギャラリー空間を柔らかく包む込む。放たれる七色の光線は、カタチがないもののくっきりと鑑賞者の目に止まるだろう。そしてプリズムによって分光された光は、私たちの日常を包む自然の奥深い姿に気がつく時間を与えてくれる。

ギャラリー空間の隅々でいくつもの表情を見せてくれる光線のスペクトルだが、加えて見逃せないのは美しい佇まいをみせる透明なベンチ「Water Block - KATANA」だろうか。光の屈折によって浮かび上がるガラスのベンチは、パリのオルセー美術館の印象派ギャラリーで、クロード・モネやポール・セザンヌらの名作とともに常設展示もされている吉岡の代表作だ。

実態のない光線のスペクトルは、一人一人の網膜を通して内省的な世界を立ち上げる。もしかしたら隣の人とは異なる像が見えているかもしれないという想像力に包まれた時、目の前の光景はより一層かけがえのないものに見えるだろう。こうして会場全体を光によって構成するインスタレーションは、目に見えない奥深い自然を感じさせてくれるとともに、その実験的なアプローチにも引き込まれる。

シンプルでありながら物事の本質を的確に突く本作は、是非会場でご覧いただきたい。

イベント情報
吉岡徳仁 スペクトル ― プリズムから放たれる虹の光線

会期:2017年1月13日(金)~3月26日(日)
会場:資生堂ギャラリー
〒104-0061
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
Tel:03-3572-3901 Fax:03-3572-3951
開館時間:平日 11:00~19:00 日曜・祝日 11:00~18:00
休館日:毎週月曜休(月曜日が祝日にあたる場合も休館)
入場無料
主催:株式会社 資生堂
協力:株式会社 吉岡徳仁デザイン事務所
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