カール ラガーフェルド写真展『太陽の宮殿 ヴェルサイユの光と影』 彼の本当のミューズはヴェルサイユ宮殿だったのかも?と思った午後

レポート
2017.1.24

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東京の片隅で、お金をかけなくても想像力とユーモアで楽しく生活していくことを目指す、森田シナモンによる連載企画『東京の片隅で、普通に、楽しく生きていく』。毎回、さまざまな「午後」を探しながら、東京カルチャーの現在を切り取っていきます。第五回目となる今回は、カール ラガーフェルド写真展『太陽の宮殿 ヴェルサイユの光と影』へ。


突然ですが、毎週月曜22時、テレビ東京を欠かさず見ていた方はいらっしゃいますか? そうです、『ファッション通信』の時間です。(現在はBSで土曜23時だそうですね。)世界最新のファッション、コレクション、常に移り変わるモードのシーンを教えてくれる教科書のようなその番組に頻繁に登場し、圧倒的な存在感を見せつけていた、シャネルのデザイナー「カール・ラガーフェルド」(以下K・L)。白髪のポニーテールに黒いサングラス、高い襟のシャツとタキシードにクロムハーツがトレードマーク。あのシャネルの世界観を作るモードの帝王は、実は写真家でもあり、自らシャネルの広告写真も手がけています。

そんな彼の完全プライベートな写真展が初めて日本で開催されるとのことで、銀座のシャネルブティックに併設されているネクサス・ホールに皇帝への参賀に出掛けたのでした。

まずは、ヴェルサイユ宮殿のオリヴィエ ジョス氏より写真展開催についてのご挨拶。「今回の写真展の作品はあくまで、広告写真とは一線を画した、K・L個人のピュアなアートの表現です。作品は全てヴェルサイユ宮殿に貯蔵されており、約60点ある中の41点を、今回皆様にご覧頂きます」とのこと。彼は、世界有数の観光地であるヴェルサイユ宮殿での撮影に、人の影が写らないように各調整をしたり、撮影に同行したりと、K・Lの創作活動をバックアップした一人です。そのときのお話を質問を交えてうかがいました。

ヴェルサイユ宮殿のジョス氏(写真右)

ヴェルサイユ宮殿のジョス氏(写真右)

――撮影期間は?

まず、一番最初に、K・L本人からヴェルサイユ宮殿を撮影したいと連絡がありました。それから第一回の撮影があってほどなく、もう一回撮影したいと連絡があり、その後も、もう一回、もう一回、というのが数週間続きました。トータルして数ヶ月の撮影期間となりましたね。2007年に撮影され、2008年にヴェルサイユ宮殿で発表したものです。

室内(鏡の間)から撮影した作品。5キロ先の地の果てまで写されているようだ。

室内(鏡の間)から撮影した作品。5キロ先の地の果てまで写されているようだ。

――撮影クルーは何名位でしたか?

5〜6名です。ヴェルサイユ宮殿は、約1000hの敷地、7000もの窓がついた建物、とにかく壮大です。しかし彼はそこで働く私たちよりも宮殿や庭園に詳しく、敬愛の念を持っており、ガイドは必要ありませんでした。

(私はもっと多い人数かと思い質問しました。意外と少ない人数で、やはりプライベートな撮影であることがうかがえます。)

 

――撮影した時間帯は?

夕方に近い午後が多かったですね。建物のファサードの西に光があたる時間帯が彼のお気に入りでした。

(なんとロマンチックなエピソードなのでしょう。K・Lにとってこの撮影は、美しい恋人との夕暮れ時のランデブーだったのではないかと想像してしまいました。)

 

迷路のような展示会場

迷路のような展示会場

ピンで留めるだけのシンプルな展示 紙もかなり厚め

ピンで留めるだけのシンプルな展示 紙もかなり厚め

このような紙での作品も。「K・L」のロゴが美しい。

このような紙での作品も。「K・L」のロゴが美しい。

続いてはシャネル・ネクサス・ホールの責任者の方より。「今回の写真展の作品は、K.Lの視点を忠実に再現するため、彼自身プリントと展示方法にこだわっております。プリントはモノクロのスクリーンプリント、紙は羊皮紙を模したもの。そして展示方法は紙の質感をそのまま感じられるように、フレームに入れずに、ダイレクトにピンで壁に貼付けております。会場内はヴェルサイユの庭園に迷い込んだようなイメージで作品を楽しめるような配置にしました」とのこと。

 

では作品に近づいて見ましょう。

光と影の演出、そして遠近法が用いられていることがわかる

光と影の演出、そして遠近法が用いられていることがわかる

影が光を作り、光が影を作っている

影が光を作り、光が影を作っている

光も影も、小さな点の集まりなのですね

光も影も、小さな点の集まりなのですね

K.Lがどんな風にモノをみているのか。光と影の出来方を、マクロにもミクロにも計算するように風景を切り取っている一方で、被写体への憧れや敬いの気持ちをプリントに載せているように感じさせられます。

カール・ラガーフェルドの肉筆サインに感激

カール・ラガーフェルドの肉筆サインに感激

最後にジョス氏は、「現在、森アーツセンターギャラリーで開催中の『マリー・アントワネット展』が歴史の一部を楽しむ展覧会とすると、このK・Lの写真展は“Art de Vivre”、つまり現在進行形のヴェルサイユ宮殿を表現したもの。これらは互いを補足しあう関係にあります。どちらもヴェルサイユ宮殿からのギフトとして、受け取って頂けたら幸いです」と締めくくりました。

イベント情報
カール ラガーフェルド写真展『太陽の宮殿 ヴェルサイユの光と影』

会期:2017年1月18日(水)~2月26日(日)
12:00~20:00(会期中無休)
会場:シャネル・ネクサス・ホール(中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F)
入場料:無料
http://www.chanel-ginza.com/nexushall/2017/versailles/
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