世界で一番カッコいい 『ALTAR BOYZ』を創りたい!東山義久・大山真志 インタビュー
(左から)大山真志・東山義久
エッジィで知的な数々の作品を輩出してきたニューヨークのオフ・ブロードウェイで、2005年のベストに輝いたロック&ダンス・ミュージカル『ALTAR BOYZ』。その2017年バージョンが間もなく幕を開ける!(2/3~16◎新宿FACE、2/18大阪・森ノ宮ピロティホール、のち東京で合同スペシャル公演もあり)
神と司祭に使える美しき5人の使徒たちが、ボーイバンド(ダンスボーカルグループ)を結成し、福音の歌とダンスで愛を説き、観客たちの魂を救うという設定の舞台は、人種差別、移民差別、ゲイ差別など、時代の難問を知的な比喩に変えて展開。2時間を駆け抜ける熱い舞台は、2008年の本邦初演以来、愛され続けている。
そんな作品の2017年バージョンは2つのバージョンが上演される。日本初演メンバーが集結した「Team Legacy」、そしてフレッシュなメンバーと振付で挑む「Team Gold」。それぞれを率いる東山義久と大山真志が、各チームや互いの魅力、作品への意気込みを語りあった「えんぶ2月号」の記事を、未掲載の写真とともにご紹介する。
東山義久・大山真志
それぞれの個性を際立たせる2つのチーム
──大人気作品がまた還ってきますが、2017年バージョンの目指すところから聞かせてください。
大山 何回目ですか?
東山 5回目。もはやBOYSではないんだけど(笑)。
大山 いやいやとんでもない! 5回目にして変えたいと思っているところなどあるんですか?
東山 前回の『ALTAR BOYZ』は「Legend」という形で出させて頂いて、「伝説」だから、もう本当にこれが最後だと思っていたんだけど、今回は「Legacy」ということで、「遺産」なんだよね。そう考えた時に、ルーク役が森新吾になっている以外は、全員初演メンバーでさせてもらえるので、この8年間それぞれがソロで培ってきたものを出していきたいなと。やっている内容も楽曲も変わらないといっても、それぞれ初演とは全く別の表現力を持ってアプローチしてくるはずだし。そういう意味で、2017年の「Legacy」ならではの舞台を、バンドを含めた10人のメンバーで創り上げたいと思っている。そちらは「Gold」になるんだよね?
大山 はい。前回の「Red」から「Gold」ということになりましたし、メンバーも3人代わるので、自ずと前回とは全く違うものになるだろうと楽しみにしています。特にうちのチームは振付が全部変わるということなので、また新たな『ALTAR BOYZ』の絵が見えたらいいなと思っています。
──それぞれのチームの魅力はどんなところにありますか?
東山 「Legacy」は、とにかく個性豊かで動物園のような感じですね。『ALTAR BOYZ』自体が劇中劇のライブという形で進んでいくので、あまりにも台本通りにやってしまうと誰が演じても変わらないものになってしまうし、かと言って素を出し過ぎてもいけない難しさがある中で、「Legacy」のメンバーはそのさじ加減が絶妙で、ライブ感を大切にお客様と対話しながら演じることができるのが強みですね。
大山 個性が際立っているというのは「Legacy」の本当に大きな魅力だと思うので、僕たち「Gold」はそこを目指しつつ、とにかく毎回完全燃焼したいです。体力だけは有り余っている連中ですし(笑)、チームワークと、バンドの皆さん、そしてお客様の空気感を肌で感じることが大切な作品なので、楽しみながらそれを感じて作っていきたいです。
全く違う2人が同じ役を演じる面白さ
──別チームで同じ役を演じるお2人ですが、お互いの魅力については?
大山 この作品のマシューを演じている時のヨシさん(東山)ってすごく素に近い感じがして、当て書きなのかな?と思うくらいで。
東山 いや、ブロードウェイの作品だから(笑)。
大山 (笑)だから、役に自分を投影させるのがすごく上手いなと尊敬しています。
東山 僕は前回初めて真志と出会った時に、まず「えらくデカい人が来たな」と思ったんだけど(笑)、それが良かったんです。日本初演メンバーが僕たちなので、どうしてもそのイメージが踏襲されていたところに、見た目から僕とは全く違う個性の真志がマシューを演じたことで、新しい『ALTAR BOYZ』が生まれたと思うし、信頼していますね。
大山 やったぜ! でも僕、ルークも演じてみたいので、いつか「Legacy」に入れてください!(笑) そんな夢も持ちつつ、演出の玉野(和紀)さんは、世界で一番カッコいい『ALTAR BOYZ』を創るとおっしゃってますし、こんなにお客様の熱気を感じられる舞台はそうそうないので、それを楽しみながら頑張りたいと思います。
東山 『ALTAR BOYZ』はダンス、歌、芝居、すべてが揃わないとできない作品だけど、そこにお客様のパワーが加わることで、更にクオリティが上がるからね。昼夜で2チームが観られるようになっているので、是非Legacy,Gold両方を体感しにいらしてください!
(左から)大山真志・東山義久
ひがしやまよしひさ○大阪府出身。大学卒業と同時にミュージカル『Shocking Shopping』で初舞台。00年『エリザベート』のトートダンサーで一躍注目を集める。03年に結成した「DIAMOND☆DOGS」ではリーダーを務め、総合演出も手掛ける。その後も新プロジェクト「BOLERO」の始動など、幅広いジャンルで多方面に表現活動を展開中。4月に『エジソン最後の発明』5月に『CLUB SEVEN~ZERO~』への出演が控えている。
おおやままさし○東京都出身。小学生当時から小椋桂主宰のアルゴミュージカルに参加。09年『テニスの王子様』で千歳千里役として人気を博す。以来オリジナル作品の主演、漫画原作の舞台、ミュージカルコンサートシリーズ、本格ミュージカルなど幅広く活躍。16年には劇団スーパー・エキセントリック・シアター公演 斬新活喜歌劇『恋の骨折り損』ミュージカル『グランドホテル』A NEW MUSICAL『CROSS HEART/クロスハート』に出演。またNHK大河ドラマ『真田丸』出演など躍進を続けている。
公演情報
『ALTAR BOYZ』
作◇ケビン・デル・アギラ
作詞・作曲◇ゲイリー・アドラー マイケル・パトリック・ウォーカー
演出◇玉野和紀
出演◇
「TeamLEGACY」東山義久 植木豪 中河内雅貴 森新吾 良知真次
「TeamGOLD」大山真志 法月康平 松浦司 常川藍里 石川新太
●2/3~16◎新宿FACE
〈料金〉「TeamLEGACY」8,500円 (全席指定・税込 ※会場にて1ドリンク代500円別途必要)
〈料金〉「TeamGOLD」7,000円 (全席指定・税込 ※会場にて1ドリンク代500円別途必要)
プレビュー公演 6,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードー東京 0570-550-799 (11時~18時)
●2/18◎森ノ宮ピロティホール ※「TeamLEGACY」キャスト
〈料金〉8,800円 (全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードーインフォメーション 0570-200-888(10時~18時)
●2/24日~2/26日◎東京・品川プリンス・ステラボール(TeamLEGACY×TeamGOLDによる合同スペシャル公演)
〈料金〉8,800円 (全席指定・税込 ※会場にて1ドリンク代500円別途必要)
〈お問い合わせ〉キョードー東京 0570-550-799 (11時~18時)
http://www.altarboyz.jp/
【取材・文/橘涼香 撮影/山崎伸康】