草間彌生「命がけで闘っている」 過去最大級の個展『わが永遠の魂』、その圧倒的な会場の様子レポート

レポート
2017.2.23
『草間彌生 わが永遠の魂』プレス内覧会に登場した草間彌生

『草間彌生 わが永遠の魂』プレス内覧会に登場した草間彌生

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日本が誇る「前衛の女王」草間彌生の過去最大級となる個展がついに始まった。2月22日から5月22日まで、六本木・国立新美術館で開催される『草間彌生 わが永遠の魂』展。開催前日に同館で催されたプレス内覧会より、その全貌を会場写真満載のレポートでたっぷりとお伝えしよう。

 

熱狂の予感! 
取材陣の多さからもわかる草間芸術の人気

この日、まず驚いたのはプレス内覧会に訪れた人の多さだ。前衛芸術家としてはもちろん、小説、ファッションなど、枠にとらわれない活動を続けてきた草間の個展とあって、会場には各業界から大勢の関係者が詰めかけた。また、海外からの来客も多く見受けられ、国内外を問わない草間芸術の人気ぶりがうかがえる。

プレス内覧会には大勢の取材陣や関係者が集まった

プレス内覧会には大勢の取材陣や関係者が集まった

待ちわびた報道陣の前に車椅子を押され登場した草間は、フラッシュの嵐の中、記者の声掛けに手を上げて応じながら、熱い視線をカメラに向けた。その後の開会式では、本展にかける思いを綴ったメッセージを自ら音読した。

「私は毎日朝から晩まで芸術の制作に命がけで闘っています。私の心の限り、命の限り、真剣に作り続けたこれらの我が最愛の作品群を、私の命の尽きた後も人々が永遠に私の芸術を見ていただき、私の心を受け継いでいって欲しい」。

 

日本初公開の最新シリーズから初期作品まで
草間芸術の全貌に迫る

本展では草間の最新シリーズ130点を中心に、初期からの過去作品を含む合計約270点を2部構成で紹介。その芸術世界の全貌に迫っている。

第Ⅰ部では、最新シリーズ「わが永遠の魂」を一挙公開する。2メートル四方の大きくてカラフルな作品が、隙間なく巨大な空間の壁を埋め尽くしている。展示された130点全ては日本初公開だ。2009年から現在もなお日々作り続けているこのシリーズは、18年間で520点を超えたという。今年88歳を迎える草間の制作意欲は、とどまるところを知らないようだ。

草間彌生『わが永遠の魂』130点と立体作品が並ぶ

草間彌生『わが永遠の魂』130点と立体作品が並ぶ

その一点一点を間近で見ると、丁寧に描かれた無数のモチーフに惹き込まれる。そのイメージは具象から抽象まで様々で、草間の日々心に浮かぶ全てが作品へと昇華されていることを感じる。詩的なタイトルからも、生命や愛、苦悩、青春をテーマにした強いメッセージを受け取れるだろう。

草間彌生『しのびがたい愛の行方』2014年 アクリリック/カンヴァス 作家蔵 ほか ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『しのびがたい愛の行方』2014年 アクリリック/カンヴァス 作家蔵 ほか ©YAYOI KUSAMA

圧倒的な空間を抜けると、第Ⅱ部の過去作品へ進む。第1章では、幼少期から1950年代ごろまでの初期作品が並んでいる。幼くして精神を病み、絵を描くことで生きてこられたという芸術との出会いや、10代からその才能を高く評価されてきた経緯を、スケッチや水彩画、日本画作品でたどる。

草間彌生『太陽』1953年 水彩、その他/紙 東京国立新美術館 ほか ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『太陽』1953年 水彩、その他/紙 東京国立新美術館 ほか ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『残夢』1949年 岩彩/紙 作家蔵 ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『残夢』1949年 岩彩/紙 作家蔵 ©YAYOI KUSAMA

続く第2章・ニューヨーク時代では、1957年から1973年までの作品を紹介。日本の画壇に限界を感じ、20代で単身渡米した草間が、世界的に注目されることとなった作品の数々を見ることができる。巨大なキャンバスを網目模様で埋め尽くしたネット・ペインティングや、男性根を思わせる突起物を家具などにびっしりと貼り付けたソフト・スカルプチュア、人間の体に水玉模様を描くハプニング(パフォーマンス)の映像作品……。「前衛の女王」と呼ばれることとなった草間の、溢れんばかりの芸術への情熱と表現の多様性に驚く。

草間彌生『No.AB.』1959年 油彩/カンバス 豊田市美術館 ほか ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『No.AB.』1959年 油彩/カンバス 豊田市美術館 ほか ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『トラヴェリング・ライフ』 1964年 ミクストメディア 京都国立近代美術館 ほか ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『トラヴェリング・ライフ』 1964年 ミクストメディア 京都国立近代美術館 ほか ©YAYOI KUSAMA

第3章では、体調を崩し帰国した1973年から2000年代までの作品を展覧する。東京で入院生活を送りながらも制作活動を再開し、コラージュや巨大なオブジェ、インスタレーション、ファッション、小説など、自身の表現をますます広く世界に浸透させていった。

草間彌生『花と自画像』1973年 インク、水彩、コラージュ/紙 オオタファインアーツ ほか ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『花と自画像』1973年 インク、水彩、コラージュ/紙 オオタファインアーツ ほか ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『死の海を行く』1981年 ミクストメディア 東京都現代美術館 ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『死の海を行く』1981年 ミクストメディア 東京都現代美術館 ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『最後の晩餐』1981年 ミクストメディア 千葉市美術館 ほか ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『最後の晩餐』1981年 ミクストメディア 千葉市美術館 ほか ©YAYOI KUSAMA

水玉模様やかぼちゃのモチーフなど、現在もっとも多くの人に親しまれている作品も多く登場する。光が差し込む回廊にのびのびと並ぶ作品からは、草間の人間や世界へ向けられた深い愛情が感じられる。

草間彌生『かぼちゃ』1999年 アクリリック/カンヴァス 松本市美術館 ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『かぼちゃ』1999年 アクリリック/カンヴァス 松本市美術館 ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『南瓜』2016年 FRP/タイル/鉄 作家蔵 ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『南瓜』2016年 FRP/タイル/鉄 作家蔵 ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『水玉脅迫2017』2017年 ミクストメディア 作家蔵 ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『水玉脅迫2017』2017年 ミクストメディア 作家蔵 ©YAYOI KUSAMA

そのほかにも、屋外展示の巨大なかぼちゃや、無限の鏡の間のインスタレーション、水玉のシールを貼って参加できる部屋『オブリタレーションルーム』 などもあり、草間芸術を体感できる展示が楽しい。

草間彌生『南瓜』2007年 ミクストメディア フォーエバー現代美術館 ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『南瓜』2007年 ミクストメディア フォーエバー現代美術館 ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『生命の輝きに満ちて』2011年 ミクストメディア 作家蔵 ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『生命の輝きに満ちて』2011年 ミクストメディア 作家蔵 ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『オブリタレーションルーム』 ©YAYOI KUSAMA

草間彌生『オブリタレーションルーム』 ©YAYOI KUSAMA

 

会場限定や先行販売も! オリジナルグッズは見逃せない

草間ワールドを出て待ち構えるのはショップコーナーだ。バッグやTシャツなどのアパレル商品、クリアファイルやカードなどの文房具、お菓子や紅茶などの食品が所狭しと並ぶ。会場限定、先行発売の商品も多数揃えていて、思わず目移りしてしまう。グッズになってさらにポップな魅力を増す草間彌生の世界を、日常でも楽しんでみては。

草間グッズ満載のショップの様子

草間グッズ満載のショップの様子

これまで草間彌生を愛してきたファンも、そしてまだ彼女の作品に触れたことのない人も、その溢れるエネルギーに圧倒されること間違いなしだ。「日本が生み出した最も傑出したアーティスト」とも言われる草間彌生の魅力に、過去最大規模でどっぷり浸かれる本展。ぜひ多くの人に足を運んでほしい。

『木に登った水玉』が国立新美術館に出現

『木に登った水玉』が国立新美術館に出現

 
イベント情報
草間彌生 わが永遠の魂

会期:2017年2月22日(水)~5月22日(月)/毎週火曜日休館※5月2日(火)は開館
会場:国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2)
開館時間:午前10時~午後6時まで/毎週金曜日と4月29日(土)~5月7日(日)は午後8時まで(入場は閉館の30分前まで)
観覧料:一般1600円、大学生1200円)、高校生800円、中学生以下無料
主催:国立新美術館、朝日新聞社、テレビ朝日
公式サイト:http://kusama2017.jp/

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