A.B.C-Z塚田僚一&黒川智花が大阪で会見、名作”競馬コメディ”「サクラパパオー」で恋人役の二人

2017.5.3
インタビュー
舞台

『サクラパパオー』合同取材会にて(撮影/石橋法子)


ワケあり男女8人の人生が夜の競馬場で交錯する、スリリングなワンナイト・コメディ『サクラパパオー』。劇団「ラッパ屋」主宰・鈴木聡の書いた戯曲を劇団「柿喰う客」代表の中屋敷法仁の新演出で16年ぶり4度目の再演となった。その初日が、4月26日 (水) 彩の国さいたま芸術劇場 大ホールで開幕したことは既報通りだ(30日にさいたま公演は無事終了した)。このあと、東京・仙台・愛知を経て、大阪でも公演をおこなう。主人公の会社員・田原俊夫役で初座長を務めるA.B.C-Zの塚田僚一と、婚約者の岡部今日子役を演じる黒川智花が、大阪での合同取材会で意気込みを語った。

「大人がはしゃげる遊園地をテーマにした、新しい『サクラパパオー』です!」(黒川)

ーーウェルメイド・コメディの旗手でもある鈴木聡さんの作品が、勢いのある次世代の演出家・中屋敷法仁さんの手でどのように生まれ変わったのか気になるところです。

塚田僚一(以下、塚田) いま一番求められているのは運動量ですね。黒川さん演じる今日子ちゃんとのケンカの場面では、実際の競馬場であんなことが起こっていたらすごいよね!というくらい、アクロバットのパフォーマンスのようでもあります。

黒川智花(以下、黒川) 中屋敷さんには「大人がはしゃげる遊園地をテーマに動いて欲しい」と言われて、なるほどなと。みんな走り回ったりしてるもんね。

黒川智花

塚田 うん。セットも特殊というか、レース場を表すような場所、芝が敷かれてる場所、売り場、実況の方がポンと出てくる場所があったり。見た目にも遊園地のような印象を受けられると思います。

ーー本作では、塚田さん演じる田原俊夫が黒川さん演じる婚約者の岡部今日子を競馬場デートに誘ったことで、物語が動き始めます。じつは酒と女とギャンブルが好きな田原の素顔がひょんなことからどんどん明るみとなり……。

塚田 鈴木さんが描くキャラクターはダメなところがあっても、俺はダメだと落ち込むのではなく、「俺はダメなんだー!」とどこか明るさを感じさせる(笑)、そいう本だと思っていて。ダメな部分も含め、愛着が沸くキャラクターが揃っている。アイドルの誰々推しではないですが、「あのキャラクター良いよね」「このペアでの組み合わせが好き」とか、観ているお客さんもそういう気持ちが生まれてくると思います。今日子ちゃんとケンカした田原は、謎の女性ヘレンに心が揺れ動いたり。でもヘレンには他にも愛人がいて、そことのライバル関係が芽生えたり。劇中では暗転もなく、次々と何かが起こる。最終的には、サクラパパオーのレースがキーポイントになってくるんですけど、人間模様が一番の見所になると思います。

黒川智花

黒川 私が演じる今日子も、田原くんとのケンカの相談をなぜか見ず知らずの未亡人にしていたり。競馬場の雰囲気がそうさせるのか、全然知らない人とも打ち解けられるようなお話になっていて、不思議だなと(笑)。ギャンブルにハマっちゃうって危険な感じもするんですが、鈴木さんの本だからなのか、ちょっと優しい気持ちになれる。今回はそこに中屋敷さんのダイナミックな演出がプラスされていて、これまでの作品とは違う新しい『サクラパパオー』になっていると思います。

「座長も恋人がいる役も初めてですが、いい意味でファンの期待を裏切ります!」(塚田)

ーー塚田さんは本作が初座長公演になりますね。

塚田 当初は初主演のプレッシャーもあったのですが、共演者の皆さんがそれぞれ経験豊富な方々ばかりで、自分が先頭に立つどころか、付いて行くのに必死です。最近はそういう所も田原っぽくて良いのかなと思えるようになって、そこから吹っ切れました。今は皆さんとお食事に行った時は極力自分がご馳走しよう、と意識しているぐらいです(笑)。黒川さんとも気負うことなく、日に日に仲良くなっていこうねという雰囲気ですね。

ーー初共演のお二人ですが、お互いの印象は?

塚田 第一印象は、明るくて楽しくてほんわかされている方だなと。ただ、今日子ちゃんとのケンカのシーンでは気迫がすごくて。普段とのギャップもあると思うんですが、僕は何度も台詞を飛ばしています(笑)。人間は本気で怒られると「はい」としか言えなくなる、みたいな。本番でも注目して欲しいところです。

黒川智花

黒川 塚田さんは、座長という感じですよね。稽古場でもみんなを盛り上げて下さって。私は特に同じシーンが多いので、練習にも付き合って貰っています。初めて生でバック転を見させて貰ったときは感動しました。歩く姿でさえ誰よりも軽やかでキレイなので、やっぱり違うなと。自分の出番じゃないシーンでも、じっと塚田さんの動きを観察しています(笑)。

ーー黒川さんは、久しぶりの舞台出演です。

黒川 約4年ぶりですが、やっぱり舞台は良いなと思います。お客さんと一体化できる本番が楽しみですね。台本を読んだとき、岡部今日子は優等生で真面目な役だなと思っていたのですが、稽古場では中屋敷さんから「もっと激しく動いて、怒って」と言われるので、結構大変な役だったんだなと、稽古しながら実感しています。塚田くんの胸ぐらや、首根っこをつかんだりもするので。中屋敷さんはそこで私が爆発すればするほど、喜んでいますね。優等生という役のイメージや「黒川智花を壊したいんだ!」という熱意はすごく感じるので、本番では暴れ回ろうかなと思います(笑)。

黒川智花

ーー躍動感のある新演出に期待が高まります。最後にお誘いのメッセージを。

黒川 鈴木さんならではの会話劇に中屋敷さんによる予想外の演出が加わり、とくに塚田さんは運動神経が良いので、塚田さんにしか作れない田原になっています。塚田さんの魅力がたくさん詰まった作品なので、ファンの方は婚約者役の今日子に感情移入して楽しんで頂ければなと思います。

塚田 この作品は競馬が好きで集まっている人たちの物語です。出演者である僕たちも芝居が好きで集まっているので、「好きなことのために集まっている」という点ではすごくマッチングしている。劇場が最高のパワースポットになるような、とても良い空気感でお客さんを包み込めると思います。最終的にはお客さんもサクラパパオーのレースを前のめりで応援したくなるんじゃないかなと、本番がすごく楽しみですね。個人的には、恋人がいる役は初めてなので、そこもファンの方たちの期待を良い意味で裏切っていきたい。5会場を巡るツアーの最終地が大阪なので、すごく良い状態でお見せできると思います!

黒川智花

 
公演情報
パルコ・プロデュース公演『サクラパパオー』
 
■作:鈴木聡
■演出:中屋敷法仁
■出演:
塚田僚一(A.B.C-Z)
 
中島亜梨沙
黒川智花
伊藤正之
広岡由里子
木村靖司
市川しんぺー
永島敬三
 
片桐仁
 
 
<埼玉公演>(公演終了)
■日程:2017年4月26日 (水) ~2017年4月30日 (日)
■会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
■問合せ:パルコステージ 03-3477-5858
(月~土 11:00~19:00/日・祝 11:00~15:00)
 
<東京公演>
■日程:2017年5月10日 (水) ~2017年5月14日 (日)
■会場:東京国際フォーラム ホールC
■問合せ:パルコステージ 03-3477-5858
(月~土 11:00~19:00/日・祝 11:00~15:00)
 
<仙台公演>
■日程:2017年5月16日(火) 19:00開演
■会場:電力ホール
■主催=仙台放送/ぴあ
■問合せ=仙台放送 022-268-2174(平日9:30-17:30)
 
<愛知公演>
■日程:2017年5月19日(金) 16:00開演
■会場:穂の国とよはし芸術劇場 PLAT 主ホール
■主催=キョードー東海
■問合せ=キョードー東海 052-972-7466
 
<大阪公演>
■日程:2017年5月25日 (木) ~2017年5月26日 (金)
■会場:サンケイホールブリーゼ
■主催=読売テレビ/サンライズプロモーション大阪
■問合せ=キョードーインフォメーション0570-200-888(10:00~18:00)

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