SCREAM OUT FEST2017開催記念対談「ラウドな夜」TRIPLE VISION吉川氏、ライター荒金氏、SPICE編集長秤谷が近年のラウドミュージックを語る!
吉川:レーベルとして、最近は若手もやっているんですけど、ここ数年の大きなラウドブームみたいな波は終わったと言っていいと思うんですよね。
秤谷:なるほど。
吉川:あれ、俺、終わらしちゃっていいのかな(笑)。
荒金:今回の波がちょっと。
秤谷:落ち着いた。
吉川:なんかその大きな波が下地を作ったと思うんですよ。絶対に以前よりはベースが上がったから、次にもう一回でかい波がきたら前よりもっとでかい波になるかもしれない、3回ぐらいしたらとんでもない波が来るかもしれないし、もっと底上げするかもしれない。だから今ちょっと波が引いたなっていうタイミングで、若いバンドのケツ叩いて、どんどんフックアップしていって、そいつらが次の波を作るように仕掛けるようにしなくちゃいけないと思ってるですよね。なのであえて20歳ぐらいの若いバンドと契約してそいつらのケツを叩いてる最中なんですけど、20歳ぐらいのバンドとか話していると、CrossfaithとかHER NAME IN BLOODとかに影響を受けてバンドをスタートした連中もいて、洋楽スタートじゃないんですよね。まずね。
荒金&秤谷:ほんとそうですね。
吉川:そこがスタートで、機材面とかも前と比べると全然良くなってるんで、みんなクオリティ高いんですよね。音源はめちゃくちゃクオリティ良いし、ライブもそこそこうまい子いっぱいいるんですよ。 でも以前と比べてバンド数が減ってるので地方をツアーするのが難しい状態になってるので、場数踏んでもらう為に、まだ早いかな?と思っても海外バンドのオープニングに当ててみたりとか、早いうちに大きなステージでやらせてみて、自分たちとデカいバンドの違いを体感させたりしてます。
秤谷:それこそこの前のPERIPHERYのオープニングにあててたLAST DAY DREAMやPALEDUSKも。
吉川:そうですね。幸い評判も良かったので。
秤谷:頑張ってましたよね。
荒金:徐々に盛り上がっていった感じ。
吉川:最終的に盛り上がって、ツイッターのトレンドに入ったりしてたのでびっくりしましたけど。でもそういうことの繰り返ししかないんじゃないかなって。新たな波は意図的に作らないと、そういうバズみたいなものって広がっていかないと思うので。
秤谷:逆にラウドの最前線の吉川さんにそれを聞けて嬉しいですね。ボジティブで。まだまだ波を作る、次こそもっとでかい波ってポジティブで良いと思います。例えば今のメロディックシーンってそれこそ吉川さんがいった、二回目以降の波じゃないですか。
吉川:そうですね。
秤谷:だからでかいじゃないですか。やっぱり。WANIMAだとか04 Limited Sazabysだとか。ハイスタとかエアジャム世代が作った波がすこし落ち着いた後は、大きな爆発はなくある一定の層に受け継がれていたものが、今はとても大きなバンドやうねりが何個か出てきて。もちろんWANIMAなんか血統直系なんでしょうけど。
吉川:いい意味でしぶといですよね。僕らも身近でああいうバンドを見ていて、それを感じられるからこそ諦めないでずっと続けていられるんです。今はラウドから大人がひいちゃっている部分もあるので、こういう時は逆に攻めようって事でと以前リリースしていた若手を集めた「BRAT PACK」っていうコンピCDを去年から復活させたりしています。
秤谷:なるほど、いまこれ良いよっていうのいます。
吉川:いいなと思ったバンドは契約しちゃいました(笑)。
秤谷:HER NAME IN BLOODもそうですけど、元々Crossfaithやってたレーベルの奴が今はHER NAME IN BLOODマネージャーやってたりとか、また別の新しい若手を見ていく、それは吉川さんもそうだと思うんですけど。なんかそういう系譜があるからそれを残してくれているのが嬉しいですし、大切な火種や系譜はそうやって残していてほしいと思う。
吉川:あんまり意識はしないんですけど、やっぱりやるからには、残していきたいという気持ちはありますよね。ただ冷静にみると洋楽/邦楽のミックスイベントも沢山あるし、バンド主催の中〜大規模イベントも沢山行われるようになったので、スタートした当初のSCREAM OUT FESTの役割は失われていると思っているんですよね。毎年イベントが終わってから疲労困憊の中「さて来年はどうするかな」って考えざるを得ない状況もあります。
秤谷:お客さんの声とかあるんじゃないですか。求めてくれるというか。
吉川:来年このバンド呼んでほしいみたいなものとかね。