「物語性の復権」掲げる彫刻家・遠藤利克の美術館個展『聖性の考古学』
遠藤利克『寓話V―鉛の柩』 2016年 350×120×100cm 作家蔵 展示風景:秋山画廊 撮影:椎木静寧
『遠藤利克展―聖性の考古学』が、7月15日から埼玉・埼玉県立近代美術館で開催される。
1950年に生まれた彫刻家の遠藤利克。宮大工を営む実家や仏師のもとで一刀彫りの技術を会得し、ミニマリズムや「もの派」の影響を受けながら美術作品の制作を開始した。1987年の『ドクメンタ8』や1990年の『ヴェネチア・ビエンナーレ』にも出品したほか、国内外で個展を開催している。
同展では「美術における物語性の復権」を掲げる遠藤が、2010年代に制作した作品を中心に紹介。展示は「聖性」「考古学」をキーワードに構成され、新作を含む12点が出品される予定だ。
会期中はアンドレイ・タルコフスキー監督の映画『ストーカー』を上映し、遠藤が自作との共鳴について語るイベントや、遠藤、ヴァンジ彫刻庭園美術館学芸員の森啓輔、埼玉県立近代美術館館長の建畠晢によるトークイベントなどが開催される。参加方法の詳細は埼玉県立近代美術館のウェブサイトをチェックしよう。