失われたシルクロードの名品が甦る クローン文化財展が東京藝術大学で開催に
クローン文化財:バガン遺跡壁画Gubyauk Gyi (Myin ka bar)
シルクロード特別企画展『「素心伝心」クローン文化財 失われた刻の再生』が、2017年9月23日(土)~10月26日(木)にかけて、東京藝術大学大学美術館にて開催される。
東京藝術大学は、劣化が進行しつつある、あるいは、永遠に失われてしまった文化財の本来の姿を現代に甦らせ、未来に継承していくための試みとして、文化財をクローンとして復元する特許技術を開発した。本展では、その「クローン文化財」の技術で甦ったシルクロードの文化財を展示する。
G7伊勢志摩サミットにて各国首脳へクローン文化財について解説する宮廻教授
クローン文化財:アフガニスタン壁画仏坐像
クローン文化財:バーミヤン東大仏天井壁画復元
クローン文化財:バーミヤン東大仏頭上から見た様子を復元
本展で展示されるのは、2001年に爆破されたバーミヤン東大仏天井壁画、流出後に第二次大戦の戦火で失われたキジル石窟航海者窟壁画、保存のため一般公開が困難な敦煌莫高窟第57窟、模写作業中に焼損した法隆寺金堂壁画など。これらは、いずれも唯一無二の価値が認められながら、失われていたり、実物を鑑賞することが難しい作品ばかりだ。その精巧な再現度については、ぜひ会場を訪れて確認したい。
なお会場では、生涯にわたってシルクロードを撮り続けた並河万里の写真や、本展のために現地で撮影した映像、臨場感のある音などが展開されるとのこと。まさに五感でシルクロードの世界を体感できる展示となる。
クローン文化財:バガン遺跡壁画Gubyauk Gyi (Myin ka bar)
クローン文化財:復元したキジル石窟航海者窟
クローン文化財:ペンジケント遺跡壁画
クローン文化財:法隆寺金堂壁画(焼損前復元)
クローン文化財:法隆寺金堂壁画焼損前復元_3号壁_平山郁夫担当
クローン文化財:法隆寺釈迦三尊像復元
【展示壁画作品(予定)】
・バーミヤン東大仏天井壁画≪天翔る太陽神≫(アフガニスタン)
・キジル石窟207窟≪画家窟≫ 212窟≪航海者窟≫など(中国・新疆)
・敦煌莫高窟第57窟≪美人窟≫(中国・甘粛)
・唐代壁画(中国・陜西)
・高句麗壁画(北朝鮮)
・法隆寺金堂壁画(日本・奈良) ほか