早見沙織、梶 裕貴、櫻井孝宏が原作者からの2,200字の手紙に感激 『はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~』初日舞台あいさつ

レポート
アニメ/ゲーム
2017.11.12

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11月11日(土)  東京・新宿ピカデリーにて『はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~』の初日舞台あいさつが行われた。イベントには、早見沙織、梶 裕貴、櫻井孝宏らキャストが登壇している。

『はいからさんが通る』は、1975年から1977年まで『週刊少女フレンド』(講談社刊)にて連載された大和和紀原作による少女漫画。1978年にはテレビアニメシリーズ(全42話)が放送され、その後、1987年には南野陽子・阿部寛主演の劇場実写映画版も公開。1979年、1985年、2002年にはTVアニメ化もされた。公開される『はいからさんが通る』は、原作の連載40周年を記念した前後編の新たな劇場版。後編では旧テレビアニメシリーズでは未完となった原作のラストエピソードまでを初めて完全アニメ化する。劇中では、大正時代を舞台に、女学校に通う17歳のじゃじゃ馬娘・花村紅緒(早見沙織)と伊集院忍少尉(宮野真守)の恋の行方が描かれる。

初日舞台挨拶は上映後に実施。早見沙織(花村紅緒役)、梶 裕貴(藤枝蘭丸役)、櫻井孝宏(青江冬星役)らが登壇すると、観客はこれを大きな拍手で迎えた。

MCから印象的なシーンについて質問されると、早見は「紅緒さんはこの劇中で全てをさらけ出すので、喜怒哀楽を見られる数多の魅力的なシーンがあるのですが、少尉とオペラを鑑賞しに行くシーンで、紅緒さんがモノローグで3秒に1回くらい気持ちが切り替わるところがあり、そこは演じていてテンポも良くて、ハマった時の爽快感が印象的でしたね」と回想。さらに「原作が、ギャグがあってそしてじーんとするシーンがあってと、メリハリがありすごくテンポが良いので、原作の良さを感じられるシーンかなと思いました!」と答えている。

梶は、「蘭丸君は女性のお芝居をする役者ということで、とても可愛らしくて可憐な容姿をしているんですけど、その中にも紅緒さんに対する真っすぐな愛情を持っていて、男らしい一本筋の通ったところは大事だなと思いながら演じさせていただきました」とコメント。そして、「とても歴史のある作品なのでオーディションを受ける時は緊張しましたが、実際に演じさせていただくと、蘭子という、紅緒が愛しいあまり女装をして潜入するシーンがあるのですが、そこでは見た目もより女性に近づきますので、コミカルに楽しく、蘭丸いい子だなと思ってくれるように頑張りました!」とアピール。さらに、「蘭丸のように「もう嫌っ!」と、普段から女性らしい役を演じることは中々ないですね」と話つつ、さりげなく蘭丸ボイスで「もう嫌っ!」を生披露した。

そんな梶に、櫻井は「キュンとしました」とトキメキつつ、「青江冬星というキャラクターの登場で物語が広がっていきますので、今後どうなっていくのか、そしてこの髪型ですよね!(笑)紅緒との出会いによって彼自身も変化していきますので。その心情の揺れ動きであったり、奥行きのあるキャラクターだと思います」と、後編から大きな活躍をみせる冬星の魅力を語った。

また、舞台挨拶に登壇することができなかった伊集院忍(少尉)役の宮野真守からのメッセージ映像も到着。宮野は、「本日はそちらにお伺いできず本当に残念です。いよいよ公開となった本作を多くの方に観ていただきとても嬉しく思っております!」とあいさつ。そして、「私の少尉はいかがだったでしょうか?とても気になる終わり方で前編は終わるので、どうなっちゃうのかなって、ドキドキしながら後編を待っていただきたいと思うのですが、本編中も胸のときめくやり取り、告白のシーンであったりとか、ドキドキするシーンがある中、僕は最初に紅緒に会った時に『はいからさん』とってかける台詞が好きで、忘れられません。引続き応援よろしくお願いいたします」と、印象的な場面を明かした。

そんな宮野の演技について、早見は「宮野さんの演じる少尉は、王子ですよという雰囲気を、意識せずに出る王子なんですよ!溢れ出づる王子!滲み出ていますよね」と絶賛。梶も、「男性から見ても、少尉のキャラクターや宮野さんのお声とお芝居で、こういう男性カッコイイなって思われるんじゃないかと思います!」と少尉の魅力を語った。

続いて話題は、原作の大和氏も絶賛したという紅緒の酒乱シーンに。梶が、「僕大好きなんですよ!」と顔がほころばせると、早見は「原作でも本当に可愛らしく描かれていて、初めて原作を読んだ時はこのシーンはアニメになったらどうなるんだろう、誰が声をつけるんだろうと思うくらい楽しみなシーンでした(笑)。でもいざやる側となると緊張もありますし、本当にお酒を飲んでやるわけにもいかないですし(笑)。でも絵柄を見ているととてもキュートなので、可愛らしく、でも泥酔しているという図が自然とイメージできました」と振り返る。

さらに、トークの話題は酒に移る。MCから「早見さんご自身は酒乱になられます?」と聞かれると、「紅緒さんをやってからこの質問がすごく来るようになって!(笑)」と笑う早見に、櫻井が「でも興味はありますよ」とすかさず食いく。すると、早見は「紅緒さんまではいかないですけど、結構飲みますよ!楽しくなったり陽気になります!」と答えつつ、「紅緒さんの演技には今までの自分の酔っ払い経験であったり、色々な経験が詰まっています!」と、役作りについて明かした。

また、櫻井は「そこそこ飲みますね。けど最終的に眠くなっちゃいます。覚えてないですけど「ぼちぼち帰るんで、もう一杯。」という謎のフレーズを繰り返していたことがあるらしいです(笑)。今は自分のペースで楽しめるようになりました。」と、酔っ払いエピソードを明かした。

梶は「あんまり顔には出ないんですけど、周りの人が気になっちゃいますね。あの人お酒足りてるかな、体調大丈夫かなって。酔っぱらっているんですけどね!」と飲酒時に気を遣ってしまう傾向を話すと、櫻井は「可愛さが増すよね」と梶の裏面を明かす。すると梶は、「いつかは紅緒さんみたく僕も!」と意気込んでいた。

その後は、『はいからさんが通る』を生み出した原作の大和氏からの手紙が読みあげられる一幕も。約2,200字におよぶ文章に、早見は感激し、「こうして御手紙で先生のお心を知れてとても嬉しいです。以前対談させていただいた時に思ったのですが、大和先生はとっても温かくて、チャーミングで、ちょっと紅緒さんテイストのある方なのかなと思います!」と、喜びを語った。

最後にキャストを代表し、早見が、「本日は、皆さまお集まりいただきましてありがとうございます。こうして公開初日を迎えることが出来て、本当に嬉しいです。『はいからさんが通る』という作品は、ずっと色褪せない作品だなと思っています。老若男女、全ての人に何かを届けてくれる、そっと手渡してくれる、そして自分も次の世代にどんどん受け継いでいきたくなるような、宝物のような作品だと思っています。今回こうして劇場で前編が公開されましたが、前編の想いをまた胸にしまっていただいて、来年の後編を楽しみにしていただけると嬉しいです。後編もまだまだ紅緒は暴れていきたいと思いますので、皆さまどうぞよろしくお願いいたします!今日はどうもありがとうございました!」と締めくくった。

大和氏のコメント全文は以下のとおり。

 

大和和紀(原作)

観客の皆様、本日は「劇場版  はいからさんが通る  前編 紅緒、花の17歳」をご覧いただき、ありがとうございます。
また、キャストの皆様、お忙しい中舞台挨拶をしてくださってありがとうございます。

今日のお客様の中には、キャストやスタッフのファンの方々はもちろんのこと、
原作の漫画の「はいからさん」ファンやTVアニメ版のファンの方々もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。
新しい「はいからさん」はいかがだったでしょうか?
楽しんでいただけたでしょうか?
私は、この生まれ変わった「はいからさん」をとても気に入っています。
 
古橋監督は作画の方々と一緒になって、時代考証をしっかりやってくださいました。
浅草の風景や東京駅、横浜港などモダンで温かみのある大正の姿が目の前に現れた時はワクワクしました。
また、男性監督ならではの迫力あるシベリアの戦闘シーンには脱帽です!
 
キャラクターデザインの西位さんを始め、作画スタッフの若いクリエーターの方々の手によって新しい姿に生まれ変わった紅緒たちは、とても生き生きとしていて新鮮です。
ご苦労の多い大変な現場だったと思います。本当にありがとうございました。
また、このキャラクターや画面にぴったりの温かみのある音楽と、
その緻密な演出で声優さんたちの素晴らしい演技を引き出してくださった音響監督の若林さんにも敬意を表します。
大島ミチルさんの音楽は、どこかヨーロッパの雰囲気を思わせるクラシックな趣があり、現在の東京とは違う、
自然に満ちて空気が澄んでいただろう大正時代の東京の空気を感じることができました。
懐かしい、そして美しいメロディをありがとうございました。
 
また観客の皆さんは、今、エンディングの竹内まりやさんの曲「夢の果てまで」と、早見さんの透明感のある歌声に、
元気づけられて気持ちが上がっているところではないでしょうか?
懐かしさと力強さのあるメロディ、そして紅緒の気持ちそのものの歌詞を作ってくださって本当に感謝しております。
 
松田、井上両プロデューサー、宣伝などに関わってくださったスタッフの皆様、
公開に向けてご尽力いただきました製作委員会の皆様にも、この場をお借りして御礼申し上げます。
 
最後になりましたが、早見さん、宮野さんをはじめとするキャストの皆様にも御礼申し上げます。
私は今回ほど、声優さんの「力」を痛感したことはありません。
皆さんの演技力は本当に素晴らしかったです。
まさに、絵に「命を吹き込んで」くださいました。
それはひとえに、過密なスケジュールの中、皆さんが原作をしっかり読み込んでくださり、
世界観とキャラクターを深く理解してくださった、ご苦労のお陰だと思っております。
「はいからさんが通る」への愛、キャラクターたちへの愛をありがとうございました。
 
早見さんの紅緒、とにかく可愛かったです!
TVアニメの紅緒ももちろん素敵ですが、早見さんの声を聴いた時に、私は「新・紅緒が誕生した!」と感じました。
性格も表情もコロコロ変わって、しかも〝酒乱〟というこの大変なヒロインを、驚くほど色んな声で演じ切ってくださいました。
特に酔っ払いのシーンは最高です! 後編も思いっきり恋して、泣いて、笑って、そして酔っ払って 紅緒を生きてください。
 
今日はここにいらっしゃいませんが、宮野さんにも、ぜひ一言お礼を言わせてください。
初めて宮野少尉の声を聴かせていただいた時、「おおお! そこに少尉がいる!!」と感動いたしました。
少尉は女性にとって理想の男性、「夢の男」です。そんな難しいキャラが、宮野さんの声によってリアルにそこに現れました。
涼やかで包容力があって、ロマンチックな声……本当に魅力的です。
ありがとうございました。ちゃんと、紅緒の元に帰ってきてくださいね!
 
その少尉と人気を二分する冬星を、クールにかっこよく演じてくださった櫻井さん、そのお声に心底うっとりいたしました。
前編でもちょっと片鱗はありますが、冬星はこれからが見ものです。恋愛も盛り上がり、
色気のある二枚目であることは変わりませんが、原作ではもっとギャグシーンが増え、けっこうキャラを壊しています……! 
櫻井さんのファンの皆さん、申し訳ありません…。 でも、櫻井さん、思いっきり壊れてみてくださいね‼︎
  私もとても楽しみにしております!
 
梶さんの蘭丸は、今までの色んな作品で演じていらした感じとは、一味違う思い切った演技で、とっても蘭丸でびっくりしました!
 アフレコの時に、梶さんがスタジオに入るやいなや監督さんに
「蘭丸と女装をしている蘭子って、どう声を変えたらいいですか?」と質問されたと私のスタッフから聞き、
そこまで蘭丸を大事にして研究してくださっているんだと、とても感激しました。
後編では歌舞伎役者っぽい蘭丸のシーンがあるかもしれません。また体当たりの演技を楽しみにしております。
「もう、いやー!」がまた聴きたいです。
 
長くなってしまいました。
キャスト、スタッフの皆様、観客の皆様への感謝を書き連ねるとキリがありませんので、これで終わりにいたします。
「劇場版 はいからさんが通る」を観た方々全員に「いいね!」をいただければ、こんなに嬉しいことはありません。
皆様、早見さんの主題歌「夢の果てまで」に元気付けられたまま、映画の余韻を噛み締めつつ楽しく家路におつきください! 
明日もまた頑張りましょう。

では後編でまた紅緒たちがお待ちしております。
それまで、どうぞお元気で。

2017年11月11日
大和和紀
 

アニメーション映画『劇場版 はいからさんが通る 前編 〜紅緒、花の17歳〜』は公開中。

作品情報

アニメーション映画
『劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~』
『劇場版 はいからさんが通る 後編 ~東京大浪漫~』

後編 2018年公開予定
【ストーリー】
いつだって 大キライは恋のはじまり。
時は大正。女学校に通う17歳の花村紅緒は、いつも明るくケンカっ早いところのあるじゃじゃ馬娘。親友の環とともに楽しい学園生活を送り、恋も結婚相手も自分で選びたいと思っている。そんなはいから娘が出会ったのは、笑い上戸なイケメン、伊集院忍少尉。実は彼が祖父母の時代から決められていた許婚であることを知った紅緒は、それに反発。愛のない結婚を阻止しようと奮闘して騒動を巻き起こすが、少しずつ少尉に心惹かれていく。
【スタッフ】
原作:大和和紀「はいからさんが通る」(講談社KCDXデザート)
監督(前編)・脚本:古橋一浩(「機動戦士ガンダムUC」「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」「らんま1/2 熱闘歌合戦」)
監督(後編):加瀬充子(「ヤング・ブラックジャック」「リストランテ・パラディーゾ」)
キャラクターデザイン:西位輝実(「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」「輪るピングドラム」)
サブキャラクターデザイン・総作画監督:小池智史(「ソウルイーターノット!」「ノラガミARAGOTO」「えとたま」)
背景デザイン・美術監督:秋山健太郎 (「悪の華」「輪るピングドラム」「虹色ほたる」)
色彩設計:辻田邦夫 ※辻は「1点しんにょう」になります。(「ONEPIECE FILM Z」「四畳半神話大系」「輪るピングドラム」)
撮影監督:荻原猛夫(グラフィニカ)(「美少女戦士セーラームーンCrystal」「ONE  PIECE FILM Z」「HELLSING OVA Ⅷ・Ⅸ・Ⅹ」)
音響監督:若林和弘 (「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」「精霊の守り人」)
音楽:大島ミチル (「大河ドラマ 天地人」「ごくせん」「鋼の錬金術師」「赤髪の白雪姫」)
前編主題歌: 「夢の果てまで」(歌:早見沙織 作詞・作曲:竹内まりや 編曲:増田武史)
アニメーション制作:日本アニメーション(「赤毛のアン」「ちびまる子ちゃん」「長編映画シンドバッド」)
製作:劇場版「はいからさんが通る」製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画
 
【キャスト】
花村紅緒:早見沙織
伊集院 忍:宮野真守
青江冬星:櫻井孝宏
鬼島森吾:中井和哉  
藤枝蘭丸:梶 裕貴  
北小路 環:瀬戸麻沙美

公式サイト:http://haikarasan.net/
(C)大和和紀・講談社/劇場版「はいからさんが通る」製作委員会

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