モーリス・ベジャール合同ガラ、東京バレエ団による新たなシーン加え公開リハ

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2017.11.16
芸術監督のジル・ロマン。(photo:Kiyonori Hasegawa)

芸術監督のジル・ロマン。(photo:Kiyonori Hasegawa)

モーリス・ベジャール・バレエ団(BBL)と東京バレエ団の特別合同ガラが、11月22・23日に東京・東京文化会館で開催。これに先がけ昨日11月14日に公開リハーサルが行われた。

振付家モーリス・ベジャールの没後10年とカンパニー来日50周年を記念して行われる本公演。昨年2016年末にローザンヌで初演された本作は、ベジャールの10作品から抜粋した傑作集となっており、今回はこれに東京バレエ団のダンサーたちによる新たな場面が加わる。

公開リハーサルでは、「アレポ」のしなやかなパ・ド・ドゥや、溌剌とした「バロッコ・ベルカント」のパ・ド・シス、上野水香と柄本弾のカップルが踊る「我々のファウスト」のパ・ド・ドゥなど、BBLと東京バレエ団のダンサーたちが、次々とベジャールの名場面を踊りつぎ、アンソロジーを紡いだ。

リハーサル後に取材に応じた芸術監督のジル・ロマンは、プログラムを構成する際の基準について「どんなダンサーがいるかということですね。さらに、リズムや全体の多様性を考えて選ぶのです。『我々のファウスト』『アレポ』『バロッコ・ベルカント』。これらは東京バレエ団ダンサーのことを考えて、今回新たに加えました。当初からプログラムに入っていた『ライト』からの抜粋、“レジデンツ”については、今回、日本のダンサーたちに踊ってもらうことにしました」と構想を明かす。

さらに、冒頭に配されたベートーベンの音楽に振りを付けた作品については、「プログラムの全体を大きなアンサンブルとするものを作りたかったのです。いずれも『1789…そして私たち』からの抜粋で、これはベジャールが、1989年のフランス革命の記念の年に作った作品ですが、第九の第三楽章は特に、2つのカンパニーのたくさんの個性が一緒になって、お客さんと愛の交換をするための作品といえるでしょう」と解説する。

続けて、若いダンサーたちにベジャールのスタイルを伝えていくことについて、「難しさを感じることはないけれど、教える以上に、あるいは同じくらい、自分が学んでいるのだと感じています」と見解を述べ、「ベジャールは、振付家という枠組みを大きく超えた人物。深い教養があり、日本が大好きで、オペラや演劇、映画なども手がけた。観ていただければ、きっと何かを受け取っていただくことができるでしょう。モーリスのことは今でも近くにいるように感じていますが、今回の舞台もきっと天国から観にきてくれると思います」と来場を呼びかけた。

「モーリス・ベジャール・バレエ団、東京バレエ団特別合同ガラ〈ベジャール・セレブレーション〉」は、ベジャールの命日である11月22日と、翌23日に東京・東京文化会館で上演される。

「モーリス・ベジャール・バレエ団、東京バレエ団特別合同ガラ〈ベジャール・セレブレーション〉」

2017年11月22(水)・23日(木・祝)
東京都 東京文化会館

第1部「テム・エ・ヴァリアシオン」

振付:ジル・ロマン
音楽:シティ・パーカッション
出演:モーリス・ベジャール・バレエ団

第2部「ベジャール・セレブレーション」

振付:モーリス・ベジャール
演出:ジル・ロマン
音楽:ベートーベン、ウェーベルン、ホイベルガー、ザ・レジデンツ、ロッシーニ、デューク・エリントン、ル・バール、ユダヤ・インド・アフリカ・ピグミーの伝統音楽
出演:モーリス・ベジャール・バレエ団、東京バレエ団

ステージナタリー
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