LACCO TOWERだからできる群馬だからできる『I ROCKS』が他のフェスと違うわけを塩崎啓示に直撃インタビュー

インタビュー
音楽
2018.2.13

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長い年月、バンドを続けていなければできないことがある。それは、勿論楽曲のクオリティも、ライブでのパフォーマンスも、MCも、全てにおいて経験と深みとなって反映されるのだが、何よりも一番変わってくるのは、もしかしたら「ホスピタリティ」なのかもしれない。バンドを続けた年数分だけ、様々な人に応援をされてきた。だからこそ、その分だけ与えたい、返したい、こたえたいと。そうしたタイミングで主催される、アーティストマターのフェスは本当に「愛」にあふれているのだ。その最たる例ともいえる『I ROCKS』を主催するLACCO TOWERのベースであり『I ROCKS』代表でもある塩崎氏に、フェスに対する愛、バンド愛、群馬愛について直撃した。

塩崎啓示(LACCO TOWER)

塩崎啓示(LACCO TOWER)

「家族」をテーマにしているので子供のロック・デビューが『I ROCKS』

――今年、記念すべき5回目を迎える『I ROCKS 2018』について、改めて話を聞ければと思ってます!

今年は5回目ということもあり、地元・群馬ではいろんな媒体が協力してくれて、膨らみが出ているんですけど。バンドは東京でも活動しているので、もっと全国的に発信できたらいいなと。まだ『I ROCKS』って何?という人もいると思うので、改めてどんなフェスなのかを知ってもらえたらいいなと。

――ええ、まず今年は初めて3日間(3月30日、3月31日、4月1日)に渡って開催されることになりました。現在はどこまで仕込みは進んでいるんですか?

出演者も大事なので、そこはすべて発表している段階ですね。ほかにロック・ファンに向けて、LACCO TOWERがやっている意味を改めてアプローチするタイミングだなと。で、群馬県に「Hi-NOTE」という文房具屋さんがあって、今回初めて協力していただくことが決まったんですよ。会場の中にキッズ・スペースを作って、僕らもお父さんお母さん世代なので、そこで何かしらできるように考えてます。群馬県内にある「Hi-NOTE」やCDショップで『I ROCKS』のポスターを配るんですけど、お客さんが「ください!」って来るんですよ。1人に2枚ずつ配って、1枚は自分用、1枚はどこかに貼ってくださいという感じでやってます。県内だと、そういう動きも火が付きやすくて、ありがたいことに広報活動に協力してくれていて。僕たちが行けないところを代わりに駆けずり回ってポスターを貼ってくれるんです。本当にありがたいなと思います。

――ストリート・チームみたいな形で応援してくれる動きがあるんですね。

おかげさまで、その輪が広がっているんですよね。

――それは素晴しいですね。今年の『I ROCKS 2018』は「家族」をテーマに掲げてますが、ファミリー層も楽しめる内容にしようと?

そうですね。これまで3歳以上は大人と同じ金額だったんですけど、今回は未就学児は無料とか、もちろん保護者同伴だったりとか、条件はあるんですけど。小学生は千円、中高生は3千円という設定にして、「家族」をテーマにしているので子供のロック・デビューが『I ROCKS』だったら、嬉しいなと。

――ああ、なるほど。

僕らの世代だと、結婚している人も多いですからね。それこそTVアニメ『ドラゴンボール超』エンディング主題歌(LACCO TOWERの「薄紅」と「遥」の2曲)をやっていたのが同級生なんだよ、という流れで聴いてくれる人もいますからね。でもライブハウスだと、少し行きづらいと思う人もいると思うんですよ。音楽センターにはちゃんと椅子もあるし、何よりくつろげる。そこで僕たちの盟友バンドを観てもらえる機会もそうそうないと思うから。昨年、「ザスパクサツ群馬 2017 公式応援ソング(「火花」)」も任せてもらったんですけど、サポーターの方でライブに行ったことがない人もいるので、そんな方々を含めて、より多くの人に足を運んでもらえるきっかけにしてもらいたいです。

塩崎啓示(LACCO TOWER)

塩崎啓示(LACCO TOWER)

毎回何かしら挑戦しているから、今回も怖さはある

――そもそも、「家族」をテーマに据えようと思ったきっかけは?

前作『遥』(7thアルバム)で初めて亀田誠治さんをプロデューサーに迎えて……アルバム1曲目をどバラードと言える「遥」にしたんですよ。そこでバンドとしての広がりが出せたと思ってて。去年Zepp DiverCityでライブをやったときに2階席の応募も多かったし、スタンディングのライブも大事だけど、椅子を求めているお客さんもいるんじゃないかなと。だから、今年は初めてホールツアーもやりますからね。

――そうなんですね。

はい。フェスの話に戻ると、トイレがいっぱいある、休める場所がたくさんあるとか、そういう設備はもちろん。あと、「KIDS ROCKS」のためにイヤーパフをプレゼントする話も出ているし、ゆるキャラが来るよ!という演出も考えてますからね。

――ご当地ゆるキャラですね(笑)。

そうですそうです。やれることを広げたら、お客さんが行きたいと思える理由も増えるかなって。毎回何かしら挑戦しているから、今回も怖さはあるんですけど、思い切ってやってみようと。

――LACCO TOWERがやっている意味を考えたと言ってましたけど、もう少し言うと?

「家族」と、もう一つ挙げるなら「絆」だと思うんですよね。出演者に入れ替わりはありますけど、今回5回目を迎えると話したときに去年出れなかったアルカラ、GOOD ON THE REEL、FOMAREとか、僕ら以上に想いを強く持ってくれるんですよね。出演者からコメントを貰っているんですけど、涙が出そうなくらい、ほんとにこんなに思ってくれるんだ!という内容が多くて。LACCO TOWER16年目の活動の中で深く付き合ってきたバンドばかりですし……これまでもそうですけど、『I ROCKS』で観るバンドのパーフォーマンスは他では見れない最高で特別なライブばかりだから。そういうスペシャル・ライブが全バンドあると考えると……「絆」みたいなものをすごく感じますね。どのバンドも愛をもって駆けつけてくれることが本当に嬉しくて。

――出演バンドが愛を持って参加してくれるのは、フェス全体の熱量にも繋がるし、何より観ている人に伝わりますからね。

ほんとそうですね。こないだSUPER BEAVERがZepp Tokyoでライブをやったときに、日本武道館でやることを告知しましたけど。その発表した日の帰りに配るフライヤーも、日本武道館公演のチラシと合わせて『I ROCKS 2018』を入れてくれたりするんですよ。普通だったらあり得ないこともやってくれますからね。

――それは嬉しいですよね。今年はさらに気合いが入りますね。

だから、今回のブッキングも5年間の総まとめみたいなラインナップなんですよ。その分、僕らのステージも背負ってやるから……重いんですよね(笑)。

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