セレッソ大阪堺など昇格チームにも注目! なでしこリーグは3月21日にキックオフ
30年目の節目の今年、戴冠するのはどのチームか? 来年は仏ワールドカップもあり、重要な一年となる
日本女子サッカーリーグ、通称「なでしこリーグ」が今年30周年を迎える。今季のキックオフは21日(水)。来年2019年はワールドカップイヤーだが、前々回の2011年は優勝、前回の2015年は準優勝と世界を引っ張ってきたなでしこジャパン。その礎を築いてきたのがなでしこリーグだ。30周年の記念すべき年となる今年、最高の盛り上がりを期待せずにはいられない。
2011年にワールドカップ・ドイツ大会を制したなでしこジャパンだが、すでに澤穂希や宮間あやなど、当時の主力メンバーが何人か抜けた。しかし、その後姿に憧れてきた若手は着実に育ってきている。日テレ・ベレーザの優位は今年も変わらないが、それに大きく貢献しているのが2016年、17年と2年連続得点王を獲得したFW田中美南(23)だ。昨年12月に行われた皇后杯でも、開始直後の6分に得点を決めて、早々に試合を決定づけた。
156センチと小柄ながら、得意のドリブルで敵陣を脅かす岩渕真奈(24、INAC神戸 レオネッサ/FW)も、アルガルベカップのデンマーク戦でしっかりと得点を挙げた。また、同試合で先取点を挙げた日テレベレーザの長谷川唯は、若干21歳だ。
こうした若手の台頭も見ものだが、27歳の菅澤優衣香(浦和レッズレディース)や、29歳の鮫島彩(INAC神戸 レオネッサ)なども健在。日本代表戦だけでなく、国内のリーグ戦、カップ戦でもしっかり結果を残し、その存在感を示している。
リーグ開幕に向けて1部も2部も入れ替え戦が行われているが、新たなチームが“先輩格”に挑むのも面白い。10チームで行われるため、必然ながら初戦は1位対10位、2位対9位…のチーム同士で対戦する。注目の一戦は今回、2部から昇格を果たしたセレッソ大阪堺レディースと王者日テレ・ベレーザの1戦だ。セレッソは外部から選手を入れない生え抜き選手ばかりの“純血チーム”で構成しているのが特徴で、この純血チームがどれだけ日テレ相手に自身のサッカーをさせてもらえるのか、サッカーファンでなくともワクワクしてくる。
同じく1部昇格して勢いに乗っている日体大FIELDS横浜は、西のクイーンINAC神戸 レオネッサと対戦する。大学チームだけあって、同じ学生たちの応援も一体感があり、選手に大きな力を与えている。
皇后杯に進んだノジマステラ神奈川相模原は、絶対的支柱だった尾山沙希が引退し、その後を受け継いだ吉見夏稀のキャプテンシーにかかる。強豪・浦和レッズレディースが初戦となるが、2012年のチーム創設メンバーは吉見だけとなった。元日本代表の田中陽子も健在で、大学から新規加入した松原有沙や田中萌(めばえ)らの活躍にも注目が集まる。
勢力図がガラリと変わった2部も面白い。降格組の伊賀フットボールクラブ くノ一と、昇格組の静岡産業大学磐田ボニータがいきなり激突。同じく降格の苦渋を舐めたちふれASエルフェン埼玉は、年々着実にステップアップしているバニーズ京都SCと相まみえる。
国内リーグが活性化すれば、おのずと代表戦も盛り上がる。かつての栄光を掴むのは選手やスタッフの努力だが、その過程を見るには今年は最高のシーズンとも言える。今年はどの大和撫子たちが輝くのか。その戦いが21日から始まる。