大竹しのぶ「真面目に頑張って楽しい音楽を届けたい」 舞台『リトル・ナイト・ミュージック』初日前会見レポート

ミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』が4月8日(日)から日生劇場で開幕する。初日を控えた7日、大竹しのぶや風間杜夫ら出演者が取材に応じた。

本作品は、イングマール・ベルイマン監督の『夏の夜は三度微笑む』に着想を得たミュージカル・ラブ・コメディ。20世紀初頭のスウェーデンを舞台に、求めあいながら滑稽にすれ違うさまざまな男女の愛の行方を描いており、初演以来トニー賞7部門、グラミー賞2部門受賞した名作だ。

『ウエストサイド物語』の作詞などを手掛けたことで知られるスティーブン・ソンドハイムが作詞・作曲をしている本作。ソンドハイムの曲は、歌うのがとても難しいことで知られる楽曲が多いが、『リトル・ナイト・ミュージック』はクラシック音楽にヒントを得たような、美しくメロディアスな楽曲に仕上がっている。

この日は、大竹しのぶ、風間杜夫、ウエンツ瑛士、蓮佛美沙子、安蘭けい、栗原英雄が囲み取材に出席した。

愛多き女優デジレ・アームフェルト役を演じる大竹は「ゲネプロ(＝総通し稽古)をやって、10段階、100段階ぐらいアップできたらいいなと思っています。みんなでとにかくマリア(※演出のマリア・フリードマン)とティム(※振り付けのティム・ジャクソン)、イギリスから来たみんなが日本に来てよかったと思えるような芝居を作りたいと思います」と挨拶。

デジレとかつて恋愛関係にあった迷える弁護士フレデリック・エーガーマン役を演じるのは風間杜夫。ミュージカル初挑戦となる風間は「初めてのことなんで、ドキドキしているんですが、半面ワクワクしています。きっといいお芝居になると思います」。

今回27年ぶりの共演となる大竹と風間。「二人とも変わらない」(大竹)と言うが、風間は「いい意味でも悪い意味でも変わらない。昨日の稽古で、(大竹が)『もっと真面目に稽古しておけばよかった』と昨日言っていたんですよ(笑)。本当にやるときはやる人だけど、普段はダラダラしている。僕と同じタイプです」。それに対して、大竹は「もっともっともっともっと稽古したいんです。稽古が好きなんです」と返していた。

本番1週間前に犬の散歩中に転倒し、足に全治3週間のけがの診断を受けたという大竹。しかし「大学生並みの回復力」(大竹)で、稽古を休むこともなく、今はほぼ完治させた。風間は「これぞ女優魂。いや、女優だましかもしれない(笑)」と、大竹の回復力に驚きつつもツッコミを入れていた。

フレデリックの息子ヘンリック・エーガーマン役を演じるウエンツ瑛士は「歌や段取りなど教わったことは本当にたくさんあって、ゲネプロ・本番に向けて頭がパンパンな部分があるんですが、パワーをしっかり届けるということを大事にしながら、素敵な作品にしたいと思います」と意気込む。

フレデリックの新妻であるアン・エーガーマン役を演じる蓮佛美沙子は「私は初めてなので、ゲネプロも初日もどういう気持ちになっているかまだ分からない部分が多いんですが、ウエンツさんが仰ったようにエネルギーを持って、臆することなくアンとして頑張っていけたらなと思います」。

ミュージカルの先輩として、風間や蓮佛らにアドバイスを求められたウエンツは「そうですね。まぁ今日ゲネだけど、それはお客様が入っているわけじゃないし、まずはそんな緊張しなくていないでいい。自分のやることを1個ずつ確認して、明日に向けて備えよう。頑張れよ！」と先輩風を吹かせて、笑いをとる場面もあった。

カールマグナスの妻シャーロット・マルコム役を演じる安蘭けいは「大竹さんと風間さんのやり合い…いや、掛け合いがすごく本当に楽しいんですよ。なので皆さんにそこを楽しみにしてもらいたいです」と見どころを語る。

デジレの愛人のカールマグナス・マルコム役を演じる栗原英雄は「このひと月ちょっとみんなで稽古場で作り上げてきたものがありまして、それを土台にこれからどんどんレベルアップできるように、最後まであがいていけたらなと思っています」。

会見の最後、大竹は「蓮ちゃんも風間さんも木野さんもミュージカル初めてで、栞ちゃん(※トミタ栞)は舞台２回目。そんな私たちを、(演出家の)マリアが本当に優しく丁寧に根気強く私たちの力を信じて導いてくれた1か月だった。もっともっと上に駆け上がっていけるように千秋楽の日までもっともっとできたかもしれないと思えるように、真面目に頑張って、楽しい音楽を届けたいと思います」とまとめた。

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