原作ファンの上川隆也「無茶苦茶やらないと出来ない作品!」と決意 舞台『魔界転生』制作発表会見
舞台『魔界転生』
2018年10月から福岡、東京、大阪にて上演される舞台『魔界転生』の制作発表会見が6月19日(火)都内にて行われ、上川隆也、溝端淳平、高岡早紀、村井良大、松田凌、玉城裕規、木村達成、猪塚健太、栗山航、丸山敦史、山口馬木也、藤本隆宏、浅野ゆう子、松平健と、脚本を手掛けるマキノノゾミと演出を担当する堤幸彦が登壇した。
本作は、山田風太郎の人気伝奇小説が原作となる。1981年には深作欣二監督により映画化され、大ヒット。それ以降も舞台、漫画、アニメ、ゲームなど様々なジャンルでリメイクされてきた。この人気作を舞台『真田十勇士』でタッグを組んだマキノと堤が再度顔を合わせ「今までに見た事のないような『魔界転生』」を作り上げるという。
マキノノゾミ
制作発表の場で、マキノは「原作ファンと深作版のファン、どちらのファンにも納得してもらえるような脚本を書きました。なおかつ誰も見た事のない芝居にしたい、というプロデューサーの要望がありました。結果、『どうやってやるんだ、こんな事』と、スタッフに激怒されそうな無茶苦茶な脚本を書きました」と語り、「僕が演出するなら絶対にしないが、堤監督ならきっと燃えてくれるだろう、という滅茶苦茶なものを書いた」と笑う。
堤幸彦
そのマキノの熱い思いを受け止めるように、堤は「誰も見た事のないものをどうやって見えるものにしようか、ご飯を食べている時もそのことばかり考え、頭を悩ませております」と口にするも「今できる舞台技術の最高峰のものを結集した、かなり大胆な舞台になると思います」とおそらく堤の心の中にある完成予想図を思い浮かべるように語った。そして堤の横に居並ぶキャストたちに視線を送りつつ「俳優の皆さん……本当に大変です。体調を整え、身ぎれいにして(稽古に)お越しください」と言うと、キャストたちはたまらず笑い出していた。
堤の「大変です」発言にこの表情!
ベテラン勢も思わず笑顔です
以下、キャストたちの挨拶を紹介する。
上川隆也
柳生十兵衛役:上川隆也
今年の秋は平成最後の秋です。この物語を観に足を運んでくださった方々が、いつの日か平成最後の秋を思い返したときに「あの秋は楽しかったね、あの舞台は素晴らしかったね」と言われるような舞台を作りたいと思います。この作品は、一つの時代のアクション物語にしてしまうには枠が小さすぎる作品だと思っています。そして、ある意味無茶苦茶しないと『魔界転生』という作品はできないと思います。覚悟を持って受けたお仕事なので、無茶苦茶してやろうと思います。
溝端淳平
天草四郎役:溝端淳平
先日、堤さん、マキノさんと3人で、四郎が命を落とした原城の跡地を訪れました。その場所の風、空気、匂いを感じながらこの役に臨めることをありがたいと思いました。そこはとても穏やかな場所で、四郎の史実が少ない分、想像力が掻き立てられます。もしかしたら彼は、キリシタンたちの望む偶像を演じていたところがあるのかも。僕も自分なりの四郎像を作れたらと思います。宙づりにされようが、地べたをはいつくばろうが、精一杯できるよう精進したいです。天草四郎といえば沢田研二さんが演じた時の印象が強いのですが、いいところは真似をし、尊敬しつつ、いつか自分ならではの四郎を作っていきたいです。
舞台では敵同士。今はこの笑顔です。
高岡早紀
お品役:高岡早紀
いちばん楽しみにしている事は、自分が10代の頃にお仕事でご一緒させていただいて以来の堤監督とまたご一緒できる事。でも見た事のない作品と先ほどから監督がおっしゃっているので、そうか、見た事のない私を演じさせていただけるのかな、と楽しみにしています。
村井良大
根津甚八役:村井良太
『真田十勇士』と同じ役なので、僕自身も驚きました。前回は物語の最後に生き残ったんですが、この役のまま『魔界転生』に出ることとなりました。ですが、僕の予想とは違う登場の仕方をするようなので、さらにハードルが上がったように感じで、すごく楽しみになりました。マキノ×堤作品は驚きの連続です。毎回わくわくしながら取り組んでいるのでこの気持ちをお客様にも体感していただきたいです。
松田凌
北条主税役(柳生衆):松田凌
僕は役者としても一人の男としてもまだまだ青二才です。でも演劇に救われて演劇に生きてきた人間です。すばらしい作品の中の一人になれることを光栄に思います。自分の持てる力をすべて出し切って舞台の上で表現していきたいです。
玉城裕規
田宮坊太郎役(魔界衆):玉城裕規
松田の凌くんが言ったように、僕もまだまだ未熟ですが、この座組みの一員として出ることができることを光栄に思います。また、堤さんが「この作品は大変だ」とおっしゃっていましたが、大変だからこそ熱量が生まれると思うので、それが観るお客様に伝わり、作品の素晴らしさも伝わるようになれば演じた意味もあると思います。精一杯稽古に励みたいと思います。
木村達成
柳生又十郎役(柳生衆):木村達成
役者としてこの役を演じられること、またこんな豪華なメンバーと一緒に舞台を作れることを嬉しく思います。個人としては自分は殺陣が初めてなので、不安もありますが精一杯やりたいです。
猪塚健太
荒木又右エ門役(魔界衆):猪塚健太
魔界からよみがえった人たちがとても強くて魅力的。悪役が強ければ強いほど、作品全体も柳生衆も、より魅力的に見えてくると思っていますので、魔界衆の一人として華のある魅力的な荒木を演じたいです。全力を尽くします。
栗山航
小栗丈馬役(柳生衆):栗山航
伝説の『真田十勇士』とほぼ同じスタッフさんと作る作品なので、また伝説となることは間違いないと思っています。サッカーのワールドカップに負けない舞台にしたいし、堤さんにいいところ見せたいです(笑)。
丸山敦史
戸田五太夫役(柳生衆):丸山敦史
このような素敵な作品、素敵なキャストの皆さま、スタッフの皆さまと何か月も稽古をし、本番を迎える事を光栄に思います。また「大変だ」という言葉に『真田十勇士』の時と同じデジャヴ感を覚えました(笑)。大変であることは心得ておりますので、酸素ボンベを吸いながら頑張りたいと思います。
山口馬木也
由井正雪役:山口馬木也
丸ちゃん(丸山)の言葉ではありませんが、『真田十勇士』の製作発表でも堤さんに「しんどいよ」と言われました。今ではトラウマです(笑)。今日、ここの廊下で堤さんが「今回はもっとしんどいよ」と笑顔でおっしゃいましたので、またトラウマになりそうです(笑)。でも素晴らしい作品になると思います。「『魔界転生』と言えば“舞台の”『魔界転生』だろう」とお客様に言っていただけるように全力で駆け抜けたいです。
藤本隆宏
宮本武蔵役(魔界衆):藤本隆宏
私が宮本武蔵役という事ですが、この役が自分でよいのか、武蔵と同じなのは身長くらいじゃないか、と思っています。巌流島が見える街で生まれ、先日は(武蔵の生国と言われる)岡山県の美作に足を運び、一昨日は(武蔵の死没地)熊本に行きました。私は2度オリンピックに行きましたが、オリンピックを「五輪」と呼ぶようになったのは武蔵が執筆した兵法書「五輪書」に由来しているそうです。そういった縁も感じつつ精一杯やらせていただきたいと思います。今回の舞台は日本のみならず世界の戯曲として観ていただきたいですし、自分が演じている横に外国語の字幕スーパーが出ている気持ちで多くの方に観ていただきたいです。
浅野ゆう子
淀殿役:浅野ゆう子
随分前から堤監督の作品であれば、通行人でもお掃除のおばさん役でもいいから出していただきたいと言い続けてきました。舞台『真田十勇士』では、淀殿のお役をいただき念願が叶いました。その時の淀殿が大好きで、打ち上げの時にもマキノさんの耳元で「淀殿淀殿……」とささやき、もちろん堤監督の耳元でも同じようににささやいていました。その結果、今回『魔界転生』にて、原作にも映画にも出てこない「淀殿」の役をいただきました。ありがとうございます(笑)。(村井)良太くんは『真田十勇士』で秀頼役も演じていたので、再び親子共演が出来ることを嬉しく思い、その他『真田十勇士』でご一緒した方々、さらに松平健さんは映像出演でしたが、「松平さーん」とその映像に手を振っていました。この『魔界転生』は『真田十勇士』を上回る大変な作品になると思っています。また男性陣の殺陣も前回を上回るということでしたので、“いちお客さん”として楽しみに拝見したいと思います(笑)。
松平健
柳生宗矩役:松平健
皆さんのお話を聞いていて「大変だ」「大変だ」とおっしゃるので、だんだん不安になってきました。いちばん強いという役なので身体を鍛えなおしたいと思います(笑)。
【おまけ1】高岡さんのドレスがカワイイと評判でした!
【おまけ2】松田さんと玉城さんの個性的なスタイルも注目です!
取材・文・撮影=こむらさき
公演情報
2018年 10月6日(土)~28日(日) 博多座
2018年 11月3日(土・祝)~27日(火) 明治座
2018年 12月9日(日)~14日(金) 梅田芸術劇場メインホール
■脚本:マキノノゾミ
■演出:堤 幸彦
■出演:
上川隆也 溝端淳平 高岡早紀 村井良大 松田 凌 玉城裕規
木村達成 猪塚健太 栗山 航 丸山敦史 山口馬木也 藤本隆宏
浅野ゆう子 松平 健
■公式サイト:http://makaitensho.jp/