『ウィキッド』のシュワルツと『アベニューQ』OBCのタータグリアが来日!~船上ミュージカル『ザ・シークレット・シルク』上演記念イベントレポート~

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2018.11.6
(左)ジョン・タータグリア、(右)スティーヴン・シュワルツ (撮影:安藤光夫)

(左)ジョン・タータグリア、(右)スティーヴン・シュワルツ (撮影:安藤光夫)

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船上ミュージカル『ザ・シークレット・シルク』 (撮影:安藤光夫)

船上ミュージカル『ザ・シークレット・シルク』 (撮影:安藤光夫)

外国客船による日本発着クルーズ送客実績ナンバー1を誇る豪華客船、ダイアモンド・プリンセス。ラグジュアリーな“客室”、世界各国の料理が味わえる“美食”、フィットネスやスパなどの“施設”と並んで呼び物のひとつとなっているのが、毎晩さまざまなエンターテインメントが日替わりで上演される“アクテビティ体験”だ。その演目のひとつである『ザ・シークレット・シルク』は、あの『ウィキッド』『ピピン』の作詞作曲家、スティーヴン・シュワルツがプロデュースしたミュージカル。2018年10月31日、横浜港に停泊中だった同船内のプリンセス・シアターにて「プリンセス・クルーズ『ザ・シークレット・シルク』日本上演記念イベント」が開催され、同作が上演されたほか、シュワルツらによるトークセッションが行われた。

豪華客船 ダイヤモンド・プリンセス (撮影:安藤光夫)

豪華客船 ダイヤモンド・プリンセス (撮影:安藤光夫)

プリンセス・シアター (撮影:安藤光夫)

プリンセス・シアター (撮影:安藤光夫)

タータグリア版「鶴の恩返し」

イベントの開始を告げたのは、シュワルツや船長、そして『ザ・シークレット・シルク』の演出を務めたジョン・タータグリアら5人によるテープカット。タータグリアと言えば、2004年のトニー賞でシュワルツの『ウィキッド』と熾烈な争いを繰り広げた末に作品賞を手にしたミュージカル、『アベニューQ』のオリジナルキャスト(プリンストン/ロッド役)だ。世紀の番狂わせとも言われる結果だっただけに、こちらとしてはつい“因縁の間柄”と勘繰りたくなるが、二人はいたって親しげ。そのあたりの真相は、このあとのトークセッションで明らかとなる。

『ザ・シークレット・シルク』テープ・カット

『ザ・シークレット・シルク』テープ・カット

続いてお披露目された『ザ・シークレット・シルク』は、日本の民話「鶴の恩返し」をモチーフに、タータグリアが大胆な脚色を加えたミュージカル。セリーヌ・ディオンやクリスティーナ・アギレラら、さまざまなアーティストの既存曲を中心に構成された、いわゆるカタログミュージカルの形式をとっているため親しみやすく、またパペットやビジュアル・エフェクトを多用した演出も楽しい。

『ザ・シークレット・シルク』 (撮影:安藤光夫)

『ザ・シークレット・シルク』 (撮影:安藤光夫)

『ザ・シークレット・シルク』 (撮影:安藤光夫)

『ザ・シークレット・シルク』 (撮影:安藤光夫)

『ザ・シークレット・シルク』 (撮影:安藤光夫)

『ザ・シークレット・シルク』 (撮影:安藤光夫)

『ザ・シークレット・シルク』 (撮影:安藤光夫)

『ザ・シークレット・シルク』 (撮影:安藤光夫)

シュワルツとタータグリアに加え、多数のブロードウェイ出演歴を誇るシャノン・ルイスが振付を担当するなど、クリエイティブ陣はブロードウェイと地続き。キャストのレベルも上々で、ここで研鑽を積んで陸のミュージカルに進出する例も少なくないのだろうと思わされた(実際、来日公演のキャストプロフィールを眺めていると、過去の出演作としてクルーズ船内ミュージカルはよくクレジットされている)。

『ザ・シークレット・シルク』 (撮影:安藤光夫)

『ザ・シークレット・シルク』 (撮影:安藤光夫)

『ザ・シークレット・シルク』 (撮影:安藤光夫)

『ザ・シークレット・シルク』 (撮影:安藤光夫)

『ザ・シークレット・シルク』 (撮影:安藤光夫)

『ザ・シークレット・シルク』 (撮影:安藤光夫)

700席を超える本格的な船内劇場で、ふっかふかの椅子に座って1時間弱のミュージカルを鑑賞したあとは、多彩なメンバーによるトークセッションタイム。スペシャルゲストの浅野ゆう子、鶴にちなんだアート作品を披露した美術作家の小野川直樹、プリンセス・クルーズ初の日本人ダンサー前田奈保子らが入れ替わり立ち代わり登場してトークを繰り広げたなかから、シュワルツとタータグリアの主な発言をピックアップして、以下にお届けする。

制作陣+ダンサー前田奈保子による Q&A セッション

制作陣+ダンサー前田奈保子による Q&A セッション

浅野ゆう子と制作陣によるトークセッション (撮影:安藤光夫)

浅野ゆう子と制作陣によるトークセッション (撮影:安藤光夫)

美術作家 小野川直樹と女優 浅野ゆう子によるトーク

美術作家 小野川直樹と女優 浅野ゆう子によるトーク

実は15年来の仲良しだった!

――日本での初公演を迎えた、今の率直なお気持ちは?

タータグリア とても光栄に思っています。(他国発着船での初演を経て)日本にこの作品を持ってこられたことは、僕たちの誇りです。

シュワルツ プリンセス・クルーズのための作品を創らないか、とジョンに持ちかけた時から、アジアにおいてクルーズに対する興味が高まっていることは分かっていました。ですから、ジョンが「鶴の恩返し」を見つけてきた時はとても興奮しましたし、こうしてようやくアジアの観客の前で披露できた今は、家に帰ってきたような気持ちです。

スティーヴン・シュワルツ

スティーヴン・シュワルツ

――今作の創作過程と、船上ミュージカルを手がけられることになったそもそもの経緯についてお聞かせください。

シュワルツ 数年前にプリンセス・クルーズから、かつてない新しくてハイレベルな船内ミュージカルを創りたい、ということでアプローチされました。それ以来、この『ザ・シークレット・シルク』が3作目のパートナーシップ作品となります。毎回、ブロードウェイのトップクリエイターたちとプリンセス・クルーズ側からの多大なサポートを受けながら創作しており、今回は友人であるジョン・タータグリアを頼ったというわけです。

タータグリア スティーヴンと久々に会ってランチをしている時に、プリンセス・クルーズでのミュージカル創作に興味がないか尋ねられ、すぐにイエスと答えました。最終的にアジア発着船で上演される作品ということで、スティーヴンはその時から、アジアの昔話をモチーフにしてはどうかと。彼のアイデアを元に、昔話を探して「鶴の恩返し」に辿り着き、道徳性を持ったラブストーリーへと仕上げていきました。

(左から)ジョン・タータグリア、スティーヴン・シュワルツ (撮影:安藤光夫)

(左から)ジョン・タータグリア、スティーヴン・シュワルツ (撮影:安藤光夫)

――なぜ「鶴の恩返し」だったのでしょうか。

タータグリア 僕は劇場に行って、感動したり、変わった体験をしたり、前向きな気持ちになったりすることが大好きなんです。「鶴の恩返し」には、そのすべてがあります。最初に読んだ時からその美しさに涙が流れて、これだ!と思いました。ご覧いただいた通り、かなり脚色を加えていますが、それはよりミュージカルらしくしようと思ってのことでした。

シュワルツ パペットを多用した作品ですが、決して子どもだけに向けたものではありません。それは、ジョンに最初に声をかけた時からお願いしていたこと。ジョンはパペットを使った作品で世界的に有名で、その多くは若者向けですが、彼なら大人が観ても素晴らしい作品を創れると思ったんです。

(左から)ジョン・タータグリア、スティーヴン・シュワルツ (撮影:安藤光夫)

(左から)ジョン・タータグリア、スティーヴン・シュワルツ (撮影:安藤光夫)

――創作の過程で、お二人の意見がぶつかることもあったのではないかと思いますが…?

シュワルツ ないですね、残念ながら(笑)。

タータグリア あはは! つまらない二人だよね(笑)。

シュワルツ ずーっと仲良く創作していたよ(笑)。

囲み取材 (撮影:安藤光夫)

囲み取材 (撮影:安藤光夫)

タータグリア 演劇の創作は、要するにコラボレーションですからね。良い作品は、関わる全員がより良いものにしようと思い、すべての良いアイデアが吟味された時に初めて生まれるものだと思っています。それができるスティーヴンを僕は尊敬しているし、素晴らしいストーリーテラーである彼の意見はいつも納得のできるものばかりだったから、感謝以外の感情が湧かないんですよ。それに僕らは、元々親しかったですから。

シュワルツ そうだね。最初に会ったのは確か、『アベニューQ』がまだオフ・ブロードウェイで上演されていた時だから…もう15年くらい前になるのかな。『ウィキッド』もまだニューヨークで開幕していない頃、僕が『アベニューQ』を観に行った時以来の長い付き合いなんです。

スティーヴン・シュワルツ

スティーヴン・シュワルツ

――既存のポップス曲を中心に構成された意図と、唯一のオリジナル曲もシュワルツさんではない方が書かれている理由というのは?

タータグリア 既存曲を中心にしたのは、そのほうが親しみやすいと思ったからです。でもすべての曲は、物語を運ぶために選んだものなんですよ。また、オリジナル曲に親しみを感じてもらうことも重視していたので、バランスにはとても気を使いました。

シュワルツ プリンセス・クルーズとのパートナーシップの楽しいところは、ジョンのような才能ある友人たちと、ソングライターとしてではなく関われることなんです。彼らに創作の機会を与え、普段とは別の角度から手助けできるのは、とても新鮮で楽しい経験です。

【動画】『ザ・シークレット・シルク』日本上演記念イベントより


――4作目のパートナーシップ作品の準備がすでに始まっていると伺いましたが、そこでもタータグリアさんのようなブロードウェイスターの起用は予定されていますか?

シュワルツ まだ詳細は言えないですが、答えはイエスです。準備がちょうど始まったところで、僕たち自身とてもワクワクしています。ぜひ楽しみにしていてください。

(左から)ジョン・タータグリア、ケリー・ラヴグローヴ、スティーヴン・シュワルツ (撮影:安藤光夫)

(左から)ジョン・タータグリア、ケリー・ラヴグローヴ、スティーヴン・シュワルツ (撮影:安藤光夫)

『ザ・シークレット・シルク』出演者たちとスティーヴン・シュワルツ、ジョン・タータグリア (撮影:安藤光夫)

『ザ・シークレット・シルク』出演者たちとスティーヴン・シュワルツ、ジョン・タータグリア (撮影:安藤光夫)

取材・文=町田麻子

プリンセス・クルーズについて

世界最大の国際的なプレミアムクルーズラインであるプリンセス・クルーズは、現在 17隻の近代的な客船を運航する、世界的なクルーズ会社。革新的なデザインの客船で、食事やエンターテイメント、施設の豊富な選択肢を、上質なカスタマーサービスとともに提供。世界的なクルーズ会社のリーダーとして、 年間200万人のゲストを世界の360以上の目的地に向けて、3泊から111泊の日程でバラエティ豊かな150以上のクルーズを運航。 
 
詳細は、公式サイト参照 https://www.princesscruises.jp/
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