『熱海殺人事件』演出家&出演者からのメッセージ
(左から)中尾明慶、愛原実花、風間杜夫、平田満、いのうえひでのり
現在考え得る最強の布陣で再演
つかこうへいの代表作であり、現代日本演劇史上の金字塔とも呼ぶべき名作中の名作、それが『熱海殺人事件』だ。1973年に文学座アトリエで初演、つかは1974年に、この作品で岸田國士戯曲賞を当時最年少となる25歳で受賞した。
つかこうへい七回忌となる2016年を間近に控える12月、その『熱海殺人事件』が、現在考え得る最強の布陣で再演されることとなったことは、皆さん既にご承知の通りである。
第一次「つかこうへい事務所」時代、紀伊国屋ホールで木村伝兵衛部長刑事を演じた風間杜夫、同じく「つかこうへい事務所」で1975年から1982年まで熊田留吉刑事を演じ続けた平田満。この伝説の二人が33年ぶりに復活。そこに、つかの実の愛娘にして元宝塚歌劇団雪組トップ娘役の愛原実花が婦人警官役で、さらに中尾明慶が犯人・大山金太郎役として、二人のフレッシュ世代が、真っ向から勝負を挑む。
しかも、演出が劇団☆新感線のいのうえひでのりだ。1980年、新感線の旗揚げ公演はまさにこの『熱海殺人事件』だった。当時、新感線はつかこうへいの完コピ劇団だったのだ。いのうえにとって原点でありバイブルともいうべき戯曲を、彼が最も影響を受けていた時期の二人の俳優に演出をつけることになったのだから、本人の意気込みも並々ならぬものがあろうというものだ。
本作品は最近ついに稽古が始まったという。そこでSPICE編集部は都内某所にあるその稽古場に潜入し、彼らから色々な話を聞くことに成功した。その詳しい模様は、追ってまた改めて報告させていただくとして、その前に、今回の皆さんからいただいた、動画メッセージを、とりたてのホヤホヤのうちにご紹介したい。
▼いのうえひでのり・風間杜夫・平田満・愛原実花・中尾明慶のメッセージはこちら
なお、東京公演のは完売だが、地方公演はまだ入手できる会場もある。この戯曲、色々な形で上演される機会が何かと多いが、こと今回のプロダクションだけは、どんな無理をしてでも見ておいたほうがよいのではないか、ということだけは老婆心ながら一言述べさせていただくとする。
作:つかこうへい
演出 いのうえひでのり
出演:風間杜夫・平田満・愛原実花・中尾明慶
●紀伊國屋ホール
2015年12月8日(火)~26日(土)
http://hpot.jp/stage/atami
●穂の国とよはし芸術劇場 主ホール
2016年1月6日(水)7日(木)
http://www.toyohashi-at.jp/
●兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
2016年1月9日(土)10日(日)
http://www.umegei.com/
●北九州芸術劇場中劇場
2016年1月16日(土)17日(日)
http://www.kitakyushu-performingartscenter.or.jp
●仙台電力ホール
2016年1月20日(水)
http://www.ox-tv.co.jp/
●音更文化センター大ホール
2016年1月23日(土)
http://www.npootofuke.com/
●道新ホール
2016年1月29日(金)30日(土)
http://uhb.jp/
●盛岡劇場 メインホール
2016年2月2日(火)
http://www.mfca.jp/morigeki/
●りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館 劇場
2016年2月5日(金)6日(土)
http://www.ryutopia.or.jp/