鈴木亮平がスペシャルナビゲーター、特別展『黄金のアフガニスタン―守りぬかれたシルクロードの秘宝―』
特別展「黄金のアフガニスタン」報道発表の様子 左から、東京国立博物館学芸企画部長 井上氏、俳優 鈴木亮平氏、アフガニスタン・イスラム共和国駐日特命全権大使 セイエド・M・アミーン・ファテミ閣下、東京国立博物館長 銭谷氏
守りぬかれた至宝をこの目で
2016年4月12日(火)~6月19日(日)まで、東京国立博物館 表慶館(東京・上野公園)にて特別展『黄金のアフガニスタン―守りぬかれたシルクロードの秘宝―』が開催される。
開催に先立ち、10日(火)に報道発表会が開催され、アフガニスタン・イスラム共和国駐日特命全権大使 セイエド・M・アミーン・ファテミ閣下や東京国立博物館長 銭谷氏、東京国立博物館学芸企画部長 井上氏より本展覧会に対する思いや見どころが語られた。
アフガニスタンは古くから「文明の十字路」といわれるように様々な地域から人が集まり、多彩な文化が発展した地域。本展では紀元前2100年頃から紀元後2世紀ごろまでに古代のアフガニスタンで栄えた文化を、4つの遺跡から出土した名宝によって紹介される。
これらの名宝は、首都カブールにあるアフガニスタン国立博物館に所蔵されていたが、ソ連侵攻やそれに続く内戦とともに永遠に失われてしまったと考えられていた。しかし、国の宝を守ろうとした博物館員が、貴重な文化財を秘密裏に運びだし、内戦終結後、秘宝を大切に保管していた扉が再び開かれた。まさに国を存続させるために命がけで自分たちの文化財を守りぬいたのだ。
「秘宝が金庫から出された瞬間」 2004年 ©NMA / NGS
本展はこれらの秘宝の再発見を機に、アフガニスタンの文化遺産の復興を支援するために企画された国際巡回展。日本での展覧会ではこの奇跡的に守られた古代アフガニスタンの至宝231件に加え、日本で「文化財難民」として保護されてきた流出文化財15件が展示される。
展覧会は遺跡別で構成されており、第1章「テペフロール 先史時代(前2100年~前2000年頃)」、第2章「アイ・ハヌム グレコ・バクトリア王国時代(前3世紀~前2世紀)」、第3章「ティリヤ・テペ サカ・パルティア時代(前1世紀~1世紀)」第4章「ベグラム クシャーン朝時代(1~3世紀)」と第5章「流出文化財 ようやく返還かなう」の全5章となっている。
「ドラゴン人物文ペンダント」 1世紀 ティリヤ・テペ出土、素材:金・トルコ石・ラピスラズリ・ガーネット・カーネリアン・真珠 所蔵元:アフガニスタン国立博物館蔵 ©NMA / Thierry Ollivier
「ゼウス神像左足断片」 前3世紀 アイ・ハヌム出土、素材:大理石 所蔵元:流出文化財保護日本委員会保管
今回日本で開催されるにあたり、セイエド・M・アミーン・ファテミ閣下は、日本からの支援や流出した文化財を故・平山郁夫氏が中心となって収集・修復、保護していたことに力強く感謝の意を述べた。
アフガニスタン・イスラム共和国駐日特命全権大使 セイエド・M・アミーン・ファテミ閣下
また、報道発表会では俳優 鈴木亮平氏がスペシャルナビゲーターに就任し、会場の音声ナビゲーターを担当すつことが発表された。世界遺産検定1級をもつ彼は歴史的価値はもちろん、文化材を守りぬいた博物館員の思いが加わったこの展覧会に「わくわくがとまらない」と期待を寄せ、「同年代から下の方々で、特に世界史に興味を持っている仲間があまりいないので、そういう方に観てもらいたいです。」と語った。
俳優 鈴木亮平氏
輝きに隠された命がけの物語を、ぜひ足を運んで体感してほしい。