展覧会『日本刀の華 備前刀』が静嘉堂文庫美術館で開催 鎌倉武士や戦国武将を魅了した、「刀剣王国」の華やかな作風

ニュース
アート
2019.3.13
重要文化財 古備前高綱太刀 鎌倉時代(12~13世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】

重要文化財 古備前高綱太刀 鎌倉時代(12~13世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】

画像を全て表示(7件)

展覧会『日本刀の華 備前刀』が、2019年4月13日(土)〜6月2日(日)まで、東京都世田谷区・静嘉堂文庫美術館にて開催される。

日本刀の主要製作地(山城・大和・備前・相模・美濃)のうち、備前(岡山県南東部)は、上質な原料や水運の利に恵まれ、平安時代より優れた刀工を輩出し、圧倒的な生産量を誇ったことから、今日「刀剣王国」と称されている。備前刀の特徴は、「腰反り」の力強い姿と、杢目を主体とした精緻な地鉄に、「丁子乱れ」と呼ばれる変化に富んだ刃文とされている。その豪壮にして華やかな作風は、鎌倉武士や戦国武将たちをはじめ、多くの人々を魅了してきた。

重要文化財 嘉禎友成太刀 鎌倉時代・嘉禎3年(1237) 静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】

重要文化財 嘉禎友成太刀 鎌倉時代・嘉禎3年(1237) 静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】

一文字守利太刀 鎌倉時代(13世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】

一文字守利太刀 鎌倉時代(13世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】

本展では、 「備前刀の宝庫」として知られる静嘉堂の蔵刀を中心に、重要文化財4振、重要美術品11振を含む在銘作約30振を精選し、「古備前」と呼ばれる初期の刀工群から、一文字・長船・畠田・吉井・鵜飼など各流派による作風の展開をたどっていく。あわせて、江戸時代に幕府の御用をつとめた後藤家歴代とその門流(脇後藤)による刀装具を展示。さらに国宝「曜変天目(稲葉天目)」を特別出品する。

国宝 曜変天目 中国・南宋時代(12~13世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】

国宝 曜変天目 中国・南宋時代(12~13世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】

静嘉堂の刀剣コレクションについて

静嘉堂所蔵の刀剣は、創設者の岩﨑彌之助が、廃刀令直後の明治10年頃から蒐集したものを基礎に、息子の小彌太が拡充した。彌之助による刀剣蒐集は生涯で数百振に及んだというが、なかでも蒐集にあたって助言や斡旋を行った刀剣鑑定家・今村長賀の影響もあって、備前の古名刀が多く蒐まった。現在静嘉堂が所蔵する刀剣約120振のうち約4割を備前刀が占めている。鎌倉時代を中心に南北朝、室町時代までをカバーし、重文4件、重美12件と質量ともに充実しており、静嘉堂は「備前刀の宝庫」として知られている。

重要文化財 長船真長小太刀 鎌倉時代(13~14世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】

重要文化財 長船真長小太刀 鎌倉時代(13~14世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】

十二支図三所物 伝 後藤乗真 室町時代(16世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】

十二支図三所物 伝 後藤乗真 室町時代(16世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】

宇治川先陣図三所物 後藤方乗 江戸時代(19世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】

宇治川先陣図三所物 後藤方乗 江戸時代(19世紀) 静嘉堂文庫美術館蔵 【全期間展示】

イベント情報

日本刀の華 備前刀
会期 : 2019年4月13日(土)〜6月2日(日)
休館日:毎週月曜日(ただし、4月29日・5月6日は開館)、5月7日(火)
会場 : 静嘉堂文庫美術館(〒157-0076 東京都世田谷区岡本2-23-1)
開館時間 : 午前10時〜午後4時30分(入館は午後4時まで)
入館料 : 一般1,000円、大高生700円(20名以上団体割引)、中学生以下無料
T E L : 03-5777-8600(ハローダイヤル)※英語版も共通
ホームページ : http://www.seikado.or.jp
シェア / 保存先を選択