藤原紀香、家族からは「地でいくの?!」舞台『サザエさん』にかける思いとは?
藤原紀香
国民的人気作『サザエさん』がついに今年秋、舞台化される。アニメ放送50周年を迎える記念の年に、10年後のサザエさんという設定で展開される。主人公のサザエさんを演じる藤原紀香に、サザエさんの魅力や意気込みを聞いた。
家族からは「地でいける?!」
ーー今回紀香さんが演じられるのは、サザエさん。衝撃的なキャスティングだったのですが、紀香さんご自身、キャスティングされた時の感想を教えてください。
初めは驚きましたが、とても嬉しいオファーでした。実は私は、基本的におっちょこちょいでよくやらかすので、家族や仲間からは「でた! サザエさん!」と普段からつっこまれていて。でもあまり外では見せてない所なので、きっと皆さんの中にはイメージがないかもです。私を良く知る身内には、そのままやん! と言われますね(笑)
ーー愛之助さんも?!
「地やな、ピッタリやん」と笑っていました……(笑)
藤原紀香
ーーではご自身としてはそんなに違和感は感じなかったわけですね。
そうですね。ただ、みんなが大好きなサザエさんですし、それぞれのサザエさん像があると思うので、さあ、どうしようと考えていました。が、今回の舞台設定を聞くと、「アニメのサザエさんの10年後の世界」ということで脚本次第でどうにでも演じられますし、これは面白いことになったぞと。お客様の想像も膨らむでしょうし、集まったキャスト陣を聞いて、個性的で、ステキな方々ばかりでとにかく脚本ができることが今から待ち遠しくて。
きっと田村監督(※演出の田村孝裕)が独自の感性で、これまでのサザエさん像を守りつつも、令和という新しい時代に合ったエッジの効いた脚本をあげてくださるのかなあと期待しています。私たち役者はどんな脚本ができても、監督の期待に応えられるよう全力を尽くしますし、オリジナルのサザエさんに敬意をはらい心を込めて演じます。笑って泣いてほっこりして……そんな心に残る温かい舞台にしたいですね。
泣いて笑ってほっこりして。温かい舞台にしたい。
ーー今年はサザエさんのアニメ放送開始50周年という記念の年です。長年愛されてきた「サザエさん」ですが、紀香さんなりのサザエさん像を教えてください。
やはり家族はこうあるべき、という“原点”だと思います。何か問題が生まれたら、みんなで食卓を囲んで美味しいものを食べながらワイワイ話して……。時代が進むにつれてこういう家族が現実的には少なくなってきているのでないか?と感じたりしますが家庭の形は変われど、家族への愛情、ご近所さんへの思いやりなど、本来のサザエさんの持つテーマは変わらないと思うんです。
藤原紀香
ーーサザエさんの思い出は何かございますか?
やはり昔から食卓を囲んで、家族で見ていた番組です。上京してからもサザエさんを見て家族を思い出して涙したりほっこりしたり。
家ではサザエさんのカレンダーを使っていますよ。タマのぬいぐるみは何度となく買い直したことか。何とも言えず可愛いです。タマの貯金箱もありますし、サザエさんの浴衣も、エコバッグも、グラスも、瀬戸物も! 気づくと家には意外とサザエさんグッズがたくさんありました(笑)
ーーちなみに、サザエさんのお気に入りのキャラクターは誰ですか?
フグタ家、磯野家、ご近所さんなどなど、サザエさんの登場人物は味のある個性的な方々ばかりで、一人、というともちろん選べませんが、エピソードがあるとすれば、私は学生時代に落語研究会に所属していたのですが、神戸親和女子という学校だったので、芸名が「親和亭かつお」だったんですよ。サザエさんの一家で、親和亭波平、親和亭フネ……などなどその中で私はサザエさんを選びたかったのに、落研のみんなが満場一致で「あんたはカツオや!」って(笑)。だからカツオには親近感を感じていますね。
ーーご衣装を初めてお召しになっていかがですか? ……意外とお似合いなのですが(笑)
本当に? 嬉しいです! どうかな……と思いながら衣装合わせをしていたのですが、着るとすっかり気分はサザエさん!レトロで可愛いし、このまま着て帰りたいぐらいです(笑)
ーー髪型もサザエさんそのものです。
サザエさんって、実はロングヘアなの知っていました? しかもストレート。原作にサザエさんが髪を下ろしているシーンも出てくるんですよ! 驚きました! カツオもワカメも驚いてました(笑)
ちなみにこの髪型は、かつらではなく、自分の毛でつくりました。2時間ぐらいかかりました(笑)。今回は撮影のためにメイクさんがやってくださいましたが、舞台は毎日のことですから、あつらえたカツラをかぶる形になると思います。舞台のメイクは日々、自分メイクになります。
藤原紀香
ーー衣装を着て、髪をセットして、よりサザエさんになったなと実感は出てきましたか?
もちろん全然違います。衣装を着て、髪をセットすると、役にかなり近づけるテンションになります。ビジュアル撮影では、BGMはもちろんサザエさんで、ホウキも持ったりなどして、楽しかったです。
今、昔からの漫画を読み返したり、資料集を買ったりして、おさらいしているのですが、サザエさんのファッションには驚きました。ピタピタパンツに原色セーターにオシャレなスカーフを巻いていたり、柄のセーターと柄のパンツを組み合わせていたり、ショッキングピンクのミニワンピを着ていたり、本当におしゃれなんです。長谷川町子さんがきっとおしゃれな方だったのでしょうね。エミリオ・プッチみたいな洋服を着ているんだもの。めちゃくちゃ可愛いんです!
ーー令和の時代に上演される舞台『サザエさん』。最後にどんな方に観て欲しいか教えてください。
舞台好きな方も、舞台を普段見ない方も、サザエさんが好きで、サザエさんを見たことがある方でしたら、世代を問わず、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいと思います。
新しい令和という時代だからこそ、家族やご近所、仲間など人とのつながりを大切にすることをもう1度見つめ直したり、感じたりできる愛情溢れた舞台になればいいなと。
誰もが知るサザエさんの、誰も知らない10年後を見届けにいらしてください!
藤原紀香
取材・文=五月女菜穂 撮影=中田智章
公演情報
■公演期間:2019年9月3日(火)~17日(火)
■会場:東京 明治座
■原作:長谷川町子
■脚本・演出:田村孝裕
■出演
サザエ:藤原紀香
マスオ:葛山信吾
カツオ:荒牧慶彦
ワカメ:秋元真夏(乃木坂46)/齊藤京子(日向坂46)※Wキャスト
タラオ:大平峻也
タマ:酒井敏也
フネ:高橋惠子
波平:松平 健
■料金(税込)
S席(1・2階席)12,500円/A席(3階席)6,000円
※6歳以上有料/5歳以下のお子様のご入場はご遠慮ください
■グループ観劇(10名以上)のお問い合わせ
営業部団体課 03-3660-3941
■明治座センター(10:00~17:00)
03-3666-6666
■公式HP:http://www.sazaesan-stage.jp/