夏の訪れを告げるプレイベント『RUSH BALL☆R』が大阪城野外音楽堂で今年も開催
『RUSH BALL☆R』
『RUSH BALL☆R』2019.5.12(sun)大阪城音楽堂
昨年の20周年を経て、ますます盛り上がりをみせる夏の野外イベント『RUSH BALL』。毎年恒例となっているプレイベント、『RUSH BALL☆R』が5月12日(日)に大阪城音楽堂で開催された。
大阪城音楽堂
今年はFERN PLANET、FINLANDS、MONO NO AWARE、THE PINBALLS、the shes gone、ハンブレッダーズ、ヤングオオハラ、ユアネス、オープニングアクトにpostmanといったこれからの音楽シーンを牽引していく若手アーティスト全9組が集結し、8時間に及ぶイベントを盛り上げた。この中から将来、『RUSH BALL』への出演権を手にし、活躍するアーティストが現われるのか。朝から夏を思わせる日射しが降り注いだ大阪城野外音楽堂はロックファンのそんな期待と夏フェスシーズンのはじまりを感じさせるワクワク感に包まれていた。
Postman
Postman
オープニングアクトを務めたのは、平均年齢20歳の名古屋出身4人組バンドPostman。開場時から集まってくれたお客さんを盛り上げるべく登場した4人は、少し緊張の表情を浮かべながらも第一音を青空の元に響かせた。寺本颯輝(Vo/Gt)の爽やかなヴォ―カルとメロディラインが初夏にぴったりな「夜明けを待たずに」のあと、「準備はいいですか?」と1stミニアルバム『干天の慈雨』のリード曲「光を探してる」へ。「いつもと変わらず全力でPostmanの音楽をやりたいと思います!」と現在進行形のバンドの想いを届ける。続いて最新ミニアルバム『Night bloomer』から「夢を歌った曲です」と披露されたのは、「(A)throb」。ハンドマイクで言葉を丁寧に紡いでいく。しっとりときかせたあとは、同アルバムの最後に収録の「GOD」をラストナンバーに選んだ。攻撃的に展開するロックナンバーで前半とは違った表情をみせた4人。短い時間だったが次世代のロックシーンを担うであろう存在感をみせつけた。
the shes gone
the shes gone
堂々たる存在感のオープニングアクト・postmanに続いて、ステージにはFM802のDJ・大抜卓人と『RUSH BALL☆R』を仕掛けるイベンター・GREENSの岩井氏が登場。「[ALEXANDROS]やWANIMAらが築いてきた『RUSH BALL☆R』の歴史。ロック、ルーキーの意味を込めた“R”のもと、今日もどんなステージが飛び出すのか!」(大抜)。気温30℃を予報する熱気まみれるこの日を一層昂らせる開幕宣言を経て、the shes goneがお目見えだ。この春に行った東名阪ツアーは全公演ソールドアウトを記録するなど、彼らへの熱視線は言わずもがな。初っ端「最低だなんて」から、耳の奥底まで反響し続けるようなリリカルなギターリフが実に印象的だ。フロントマン・兼丸(Vo/Gt)のどこか少年性を残したハイトーン・ヴォイスが、日常に潜む小さな痛みや歓びも丁寧に丁寧にすくい上げていく。
the shes gone
MCでは「待ちに待った野音。楽しい思いも辛い思いも全部引き連れていこうと思います」と、この日への強い意気込みを語ってくれる兼丸。「僕らが大好きな曲です」と続けるは「サプライズ」だ。多幸感すら感じさせる甘酸っぱいメロディにヒリヒリするリリックをレイヤードするのだから、そのセンチメンタルは加速度をつけ瞬く間に私たちの心の深淵を占拠する。「人様に言うような感情じゃない、そんな心を歌うバンドがこうして野音に立てて光栄です」。きらめく音を会場中に振りまいたラスト「想いあい」まで全6曲。繊細さと躍動感を持ち合わせたみずみずしいアンサンブルで、確かな足跡を刻みつけた。
FINLANDS
FINLANDS
30度近い気温の中、ファー&コートといういつもの出で立ちで登場した塩入冬湖(Vo/Gt)とサポートメンバーの3人。3月にコシミズカヨ(Bs)が脱退し、塩入+サポートメンバーで走りだした新生FINRANDSのパフォーマンスに注目が集まる。1曲目「バラード」から挑発モードでオーディエンスの頭をウェイクアップ! 塩入のどこか冷たい空気感を内包しながらも熱を帯びたヴォーカル&シャウトは速攻で聴くものの心に迫ってくる。「今年初めての野外です。暑い中きてくれてありがとう。でも私だったら座ってみます」とMCもどこまでもクールだ。
FINLANDS
続く「UTOPIA」ではダンサブルなビートに芯のあるヴォーカルが耳から離れない。「4月にいろいろなことがあって。変化を恐れずに今を肯定していけたら」と紆余曲折を経た想いを語り奏でられた「衛星」。これからはじまる未来への決意を感じさせる演奏が印象的だった。ラストソングの「ウィークエンド」では、イントロからハンドクラップが鳴り響き、新生FINRANDSを応援するかのような歓声に包まれた。
FERN PLANET
「高校のときに行った初めてのフェスが『RUSH BALL』で。楽しかったんですが、やっぱり(出演者ではないことに)悔しかった。今日はここに立てていることが本当に嬉しいです」と『RUSH BALL』への強い思いを語ってくれたのはFERN PLANETの山口メイ子(Bs/Cho)だ。その気骨ある言葉どおり、ド頭「自己愛ism」からフルスロットルでのステージングを放出! 「ソルジャーガールズ」では、SERINA(Vo/Gt)の気高く高潔なボーカルと泣きのギター・ソロが最上にエモーショナルだ。と、一転「劣等星」では、先ほどとは打って変わってミディアムテンポのやさしいメロディが会場全体を柔らかく包み込んでいく。
FERN PLANET
「私が支えられたように、私の音楽で支えたいんです。一人ひとりに届くように歌います」と、まっすぐに歌うSERINAの思いが心のひだまで隙間なく染み入ってくるよう。締めを担う「イルシオン」では、サポート・大津資盛(Dr)の重厚ながらグルーヴィーなドラミングにも思わず拳を掲げずにはいられない。縦ノリの轟音ロックも、温かな音世界も、等しくオーディエンスの目を釘付けにした彼女たちに、大きなブレイク前夜を感じずにはいられないひとときとなった。
MONO NO AWARE
MONO NO AWARE
独特の浮遊感のあるサウンドで空気をガラリとかえたのは、東京都八丈島出身のメンバーを中心に結成された、MONO NO AWAREだ。一筋縄ではいかないどこか懐かしさを感じるサウンドスケープにどんどんひきこまれていくオーディエンス。初見のお客さんも、お酒片手にゆるりと体を揺らす。
MONO NO AWARE
「暑いですね! こんなに暑くなるとは思ってなかった。FINRANDSを見ていると暑そうって(笑)」とゆるいモードのMCが距離を縮める。ユニゾンで歌われるフレーズが頭にのこる「轟々雷音」、童謡の一節をコーラスで聴かせる「かごめかごめ」など想像力がかきたてられるナンバーを連打し、最後は、玉置周啓(Vo/Gt_の「せーの!」の合図で、加藤成順(Gt)、竹田綾子(Ba)、柳澤豊(Dr)が向い合い、最新作『AHA』のリード曲「東京」を演奏。フォーク調の美しいメロと力強い4人のコーラスが会場に響き、魂がひとつに。独自の世界観をパワフルなバンドアンサンブルで表現した。
ヤングオオハラ
ヤングオオハラ
音楽の根源的なハピネスが、彼らの鳴らす音にはある。レペゼン沖縄の根っからのまばゆさを持ち合わせたヤングオオハラが『RUSH BALL☆R』後半戦の狼煙を上げる! まずは淀みないピュアネスをたたえた「新」で、瞬く間に一体となる会場。ご陽気に踊らせるサマーチューン「サマタイ」では全員参加のクラップが湧き、ワンマンさながらのホーム感に!
ヤングオオハラ
「超いい青空だしね。こんな日に必要なのは超重低音! キラキラしようぜ」と、フロントマン・ハローユキトモ(Vo/Gt)。1曲1曲が、まるでエンディングかのように全力を振り絞る4人の姿に、こちらも大きなレスポンスを返さずにはいられない。ナイーブなミドル・チューン「中南海」、たゆたうようなメロディの「HANBUN」と、しっかりと聴かせる曲が続き、その振り幅の広さに改めて驚かされる。ハンドマイクにチェンジしたハローユキトモは、一層声を振り絞り「拳を挙げてくれ!」と絶叫。パンキッシュなリズムと鮮やかな音世界で魅せるラストは「美しい」。客席のパワーをも残らず集め大きな大きな音塊をブチかましていった。
THE PINBALLS
THE PINBALLS
日射しもすっかりゆるみ、過ごしやすくなってきた17時。野外の気持ちよさが一番感じられる絶好のコンディションの中、全員黒の衣装でビシっとキメたロックバンドTHE PINBALLSのメンバー、森下拓貴(Ba)、古川貴之(Vo)、 中屋智裕(Gt)、石原天(Dr)が気合十分に登場! 一音目からロック魂漲るラウドなギターサウンドをお見舞いするとオーディエンスは手を挙げて応える。前方はライブハウスさながらのスタンディングゾーンに。結成以来、12年間変わらない4人の絆と一体感が音にも現れているのがわかる。
THE PINBALLS
「俺たちは最高の気分です! もっともっといけますかベイベー!」とメンバー紹介でソロプレイも炸裂。ラストは「七転八倒のブルース」「蝙蝠と聖レオンハルト」で一体となり、すさまじいまでのスピード感でシームレスにかけぬけた30分。骨太で素っ裸のロックンロールサウンドが、夕方の大阪城音楽堂をもう一度熱くした。
ユアネス
ユアネス
日が落ち夜の闇が少しずつ会場を塗りつぶそうとする中、ユアネスの4人がステージに降り立った。音源で触れる以上にずっとずっと清廉な肌触りの黒川侑司(Vo/Gt)の歌声を軸に、透明感ある美しいメロディの「虹の形」から宴はスタート。続く浮遊感とパノラマ感を共存させた「あの子が横に座る」でも、開放的なこの会場とユアネスが鳴らす音世界の相性の良さをまざまざと見せつけていく。
ユアネス
「僕はあまりうまく喋れないのでちゃんと曲で勝負したいんですよ」(黒川)との言葉どおり、彼らのサウンドは実に雄弁だ。鮮やかなツインギターのサウンドメイク、人肌の温かみあるベースリフ、破裂音が小気味いいドラミングと、目を凝らし隅々まで耳を澄ませたくなるドラマティックなパフォーマンスに、野音全体が取り込まれていくよう。音を何層にも重ね深いグラデーションを描く「色の見えない少女」、黒川の絶唱が鮮烈な「Bathroom」。最早貫禄すら感じさせる圧巻のユアネスのステージングを経て、『RUSH BALL☆R』もいよいよオーラスへ!
ハンブレッダーズ
ハンブレッダーズ
昼間の暑さが嘘のように涼しくなった大阪城音楽堂。トリを務めるのは、昨年ATMCに出演したハンブレッダーズ!「大阪のハンブレッダーズです!」と勢いよくステージに飛び出すと、キャッチ―なメロと青春ド真ん中のストレートな歌詞が爽快な「スクールマジシャンガール」からスタート! 前方はオレンジのハンブレッダーズのタオルを持ったファンがつめかけ、スタンディングで拳が突きあがる。曲が進むにつれてどんどん日が落ちていく様子もドラマチックな演出に。
ハンブレッダーズ
流れのよいセットリストもステージングもライブバンドとしての成長を感じさせる。そんな中、5月から吉野エクスプロージョン(Gt&Cho)が、正式メンバーからサポートメンバーへ降格となった経緯が明かされた。「お互いに続けた先に素晴らしい日があれば」と前向きな想いを込めた「CRYING BABY」。日々の感情にそっと寄り添うサウンドがすっかり日の落ちた会場にどこまでも響く。バンドとして新たな一歩が踏み出された覚悟に満ちたステージ。清々しい余韻を残し、イベントは幕を閉じた。
全9組がそれぞれの個性で等しくオーディエンスを鼓舞し、紛れもなくホンモノの輝きを感じさせてくれた全7時間の宴。正真正銘のエンディングである会場全体での記念撮影を終え、MC大抜卓人が告げた「8月31日(土)、9月1日(日)に向け、未来は走り出します!」との言葉どおり、来たる『RUSH BALL』本編へと続く確かな道程を感じさせてくれる……そんな希望あふれる1日となった。
取材・文=岡田あさみ、後藤愛 撮影=森好弘
イベント情報
開場 9:30 開演 11:00
会場:泉大津フェニックス
2019.8.31.sat
サカナクション / 10-FEET / Dragon Ash(New!!) / ROTTENGRAFFTY / TRIPLE AXE(New!!)/ and more...
[ALEXANDROS] / BIGMAMA(New!!)/ KANA-BOON(New!!) / SHISHAMO / WANIMA / and more...
オフィシャルHP2次先行開始!
・受付期間 5/24(金)12:00~5/30(木)23:59
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新規登録、受付には携帯電話番号の登録ならびに、ショートメッセージ(SMS)による携帯電話認証が必要です。
※先着順ではございません。お申込み多数の場合抽選となります。
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※先着順ではございません。お申込み多数の場合抽選となります。
【前売り料金】
全自由 受付枚数お一人様4枚まで
2DAYS TICKET(中学生以上)¥12,500- 2DAYS KIDS TICKET(小学生)¥6,500-
1DAY TICKET(中学生以上)¥6,800- 1DAY KIDS TICKET(小学生)¥3,500-
※小学生以上はが必要になります
※未就学児童は保護者同伴の元、入場無料
【注意事項】
・雨天決行・荒天中止(当日の午前7時に告知します)
・出演者は都合により予告なくキャンセル・変更となる場合がございます
その際の代金の払戻しは行ないませんので予めご了承ください
・2DAYSをお持ちの方は入場の際リストバンドをお渡しします
・両日リストバンドの装着との半券を必ずお持ちください
・リストバンドの紛失や盗難、破損に対して再発行は致しません
・購入後のキャンセル・変更は一切出来ません
GREENS 06-6882-1224 http://www.greens-corp.co.jp/