NY発祥ディスカウントチケットストアが日本初上陸 「TKTS」オープン記念セレモニーに小手伸也と成河が登場
(左から)小手伸也 田端浩 榑松大剛 髙橋和夫 長谷部健 成河
2019年8月29日(木)、ブロードウェイ発祥のディスカウントストア「TKTS(ティーケーティーエス)」の旗艦店が渋谷ヒカリエにオープンし、TKTSオープン記念セレモニーが行われた。9月5日(木)には大阪・南海ターミナルビルの「総合インフォメーションなんば」内にもオープンが予定されている。
TKTSとは、公演当日のを公式に割引して販売するストアだ。1973年にニューヨークのタイムズスクエアにオープンしたのが始まり。現在はタイムズスクエアに加えてリンカーン・センターとサウスストリートシーポートの3カ所に店舗がある。ニューヨークでTKTSを運営する「Theatre Development Fund」から公認されたロングランプランニング株式会社が、東京急行電鉄株式会社と南海電気鉄道株式会社の協力のもと、日本版TKTSをオープンすることになった。
渋谷ヒカリエ1階に出現した現金輸送車風のTKTS店舗
セレモニーには主催者としてロングランプランニング株式会社代表取締役社長の榑松大剛と東京急行電鉄株式会社取締役社長の髙橋和夫、来賓として国土交通省 観光庁長官の田端浩と渋谷区長の長谷部健が出席、さらにゲストとして俳優の小手伸也と成河が登場した。
ロングランプランニングの榑松社長は、20年前にニューヨークを訪れた際に、現金輸送車を模した古びた風貌のTKTS店舗を目にし、ニューヨークのパワーの集積地のようなものを感じたという。今回オープンするにあたり、現金輸送車風の店舗を再現できたのがうれしいと語った。日本のTKTSでは、ミュージカルや演劇を観たことのない人や海外からの観光客などに向けて新たな「コト消費」を広めていきたいとのこと。
榑松大剛・ロングランプランニング株式会社代表取締役社長
その後、出席者たちによる挨拶やデモンストレーションを経て、店舗の前でテープカットが行われた。
髙橋和夫・東京急行電鉄株式会社取締役社長
小手伸也
成河
国土交通省 観光庁長官・田端浩
長谷部健・渋谷区長
テープカット!
ニューヨークの本家TKTSが扱っているは原則ミュージカルのみだが、日本版TKTSではミュージカル以外にも、伝統芸能の能や歌舞伎、小規模劇団の演劇や音楽ライブ、スポーツや展覧会など幅広いジャンルを扱うところが特徴で、公演当日と翌日分のを20%から50%の割引価格で購入できる。(一部定価のもあり)どんなを扱っているのかはTKTS公式サイトで確認できるが、購入できるのは店舗のみで、ウェブでの予約や取り置きは一切行わないとのこと。支払いはクレジットカードか電子マネーとなり、現金の取り扱いはない。店舗にはコンシェルジュが常駐しているので、分からないことやについて質問することができるので便利だ。
「とにかく興味津々」というゲストの成河は、席種は選べるのか、割引率はホームページ上でも分かるのか、そもそもどうして安くなるの?などと熱心に質問したあと、どのようにを購入するのか実際にデモンストレーションをしてみせた。店舗の中からコンシェルジュが登場し、自身が先日観劇してワクワクしたという『ウエスト・サイド・ストーリー』来日公演(IHIステージアラウンド東京で上演中)のを成河に勧めると、「せっかくなのでコンシェルジュおすすめのを買います!」と成河はカードを片手にレジへ。クレジットカードで決済を済ませるとがその場で手渡される。無事にを手にした成河は「今はインターネットでを取る人がほとんどなので、の取り方を知っている人だけが有利な状況。でもこうした対面販売のみで購入できる店舗が登場することで、そういう状況が緩和されるといいなと思います」と語った。なお、現在、TKTSでを購入するとオープン記念でホルダーやうちわなどのノベルティーがもらえる。
取り扱いチケットを閲覧する成河
コンシェルジェのマイケルが登場
入手できたチケットを掲げる成河
オープン記念のうちわなどのグッズ
セレモニーのあと、小手と成河が囲み取材を行った。セレモニーに参加した感想を聞かれると小手は「このような光栄な場でテープカットまでさせていただいてすごくうれしいです」と語り、成河は「記念すべき日であると同時にいろいろな議論が始まるきっかけになったらいいと思います。これまではそれぞれ文化活動を行ってきた人たちが、TKTSを真ん中において横のつながりができれば、また議論が深まっていくのではないかと思います」と語った。
今回渋谷にTKTSがオープンしたことについて成河は「あまり演劇くさくない土地というところがかえっていいのではないかと思います。東京は劇場の数がものすごく多いですし、世界的にみても上演数が多いと聞きます。その分どこで何をやっているのか、どうすればいいのか分からない人がほとんどでしょうし、そういう意味でもの取り方を知っている人たちが有利。でもこういう開かれた場所にTKTSができたことで、風通しがよくなっていくのではないかと思います」と語り、小手は「渋谷は新しい劇場がたくさんありますからね。新しい劇場が増えて観劇人口が増えて、演劇で盛り上がっていけたらいいなという中で、その中心にTKTSがあるのはいいですよね。コンシェルジュが常駐していることもすごいと思いますし、演劇ってどういうものかよくわからないけれど、興味のある人がフラッと寄ればいろいろ教えてもらえる、インターネットではできない生の人間のつながりがあります。演劇は生ですから、TKTSがいい場所になったらいいなと思います」と熱く語った。
コンシェルジュをやるならどんな演目を勧めたいかとの質問に対して、成河が「こちらから一方的にお勧めするのではなくて、その人の趣味趣向を聞いたりしながら選んでいくのが楽しいと思います。大きな舞台から小さな舞台まで、それぞれの良さがあると思いますから」と語れば、小手は「笑いたい気持ちの人、アクションが観たい人、人生について深く考えたい人、お子様にはこの作品がいいなど、いろいろな勧め方がありますよね」と語った。そして最後に「演劇界はすごい俳優がいっぱいいます。演劇を観ることで良い出会いがきっとあると思うので、臆せず劇場に足を運んでもらえたらと思います」と締めた。
当面は東阪2店舗合わせて1日あたり200枚の販売を目指すが、5年後にはニューヨークTKTSの1日あたり販売数の半分1500枚を販売したいという。現在ロングランプランニングで運営している訪日外国人向けの販売店舗「Tickets Today(チケッツトゥデイ)」は、今後順次TKTSへ変更していく予定。訪日外国人だけではなくすべての人が利用できるようになるわけだが、これをきっかけにエンターテインメントを気軽に楽しめる環境ができることに期待したい。
どんな公演のチケットがあるのか興味津々の成河
取り扱いチケット一覧画面はどんどん切り替わる
取材・文・撮影:秋乃麻桔