パフォーマンスユニットTWTが、つか版『忠臣蔵』を上演 劇団プレステージの岩田玲を主演につかこうへいの熱く激しい劇世界に挑む
2020年1月22日~26日、パフォーマンスユニットTWTが浅草 木馬亭において、つか版『忠臣蔵』を上演することが決定した。
1982年大晦日にテレビ東京が、風間杜夫、松坂慶子、平田満、萩原流行、田中邦衛、佐藤B作、岡本麗と今も活躍を続ける俳優陣とつかこうへい劇団のメンバーが総出演する『忠臣蔵』をテレビドラマとして放送し話題となった。1985年には小説化もされたが、今回はテレビシナリオと小説をベースに、舞台用に構成した台本で上演する。
テレビ版で風間が演じた主演の宝井其角役は、劇団プレステージの中核を担う岩田玲、松坂が演じたヒロインの志乃役は、『渡る世間は鬼ばかり』などテレビドラマにも多数出演している渋谷飛鳥が務める。師として其角を見守る松尾芭蕉役は、アニメ『ワンピース』オープニングやスモーカー大佐、とくダネのナレーションでもお馴染みの大場真人。さらに、『Q』出演の六川裕史、『青春-AOHARU-鉄道』の岩義人、『チャージマン研!』泉博(パパ)役の篠原麟太郎に加え野田孝之輔や永瀬千裕など、大小さまざまな舞台で活躍中の中堅・若手が脇を固める。
主演の岩田玲
構成・演出の劇団S.W.A.T!の四大海とパフォーマンスユニットTWTの木村孔三が、個性溢れる19名のキャストとともに、つかこうへいの熱く激しい劇世界「つか版『忠臣蔵』」に挑む。
構成・演出 木村孔三コメント
現在30代半ばの私が熱海殺人事件を始めて見たのはDVDでした。大学でですが、初めて作ったのは蒲田行進曲でした。再び、しかも私のユニット公演でつかこうへい氏の戯曲に挑戦できることは大きな喜びです。つかさんの魅力はあの特有の台詞回しと出来すぎた登場人物がいないことだと思います。どこか足りないからこそ魅力的な人物が何かに衝き動かされ激しく生きる姿を、19名の俳優陣の力を借りていかに描くかが勝負です。
忠臣蔵で四十七人が切腹して果てる様は、現代では想像もつかぬ出来事です。けれど彼らは切腹する。切腹せざるを得なかった。また今作には現代で言う劇作家と劇団も登場します。「なぜ死に、なぜ生きるのか。なぜ書き、なぜ創るのか…」1980年代のシンプルで真っ直ぐな作品と向き合いながら、考えていきたいです。
「四十七人?死ぬのはその倍、九十四人どす。」
松尾芭蕉の弟子宝井其角【岩田玲】は、父の葬儀で出会った”泣き女”の河原乞食志乃【渋谷飛鳥】に恋をした。が、失恋。芭蕉の弟子もやめ、貧乏長屋のしがない物書きに身をやつし、荒んだ日々を送っていた。そんなある日、松の廊下で刃傷沙汰を起こした浅野内匠頭の忠臣大石内蔵助【森屋正太郎】が、主君の辞世の句を求めて其角の元を訪ねてきた。内蔵助は主君の切腹後、御家再興か他藩への再就職を考えていたが、其角はこの出来事を仇討ち話に仕立て上げようと、芝居一座も巻き込んだ一大ムーブメントを巻き起こす。
藩の事よりマイホームのローンを気にする内蔵助。其角の企画を気に入り敵役になりきる善人、吉良上野介【四大海】。関西の売れっ子サディスト物書き近松門左衛門【直江幹太】に、其角を思いやる師匠の芭蕉【大場真人】。悪戦苦闘しながらも其角は全てを投げ打ち“忠臣蔵”を作り上げていく。全ては己が愛した、志乃のために……。