【『RIZIN.20』『BELLATOR JAPAN』大会直前見所特集コラムVol.5】RENA、美憂復活の舞台へ!大晦日「RIZIN.20」を目撃せよ!
『RIZIN.20』は12月31日(火)にさいたまスーパーアリーナで開催される
■RENA、昨年大晦日の悪夢
[RIZIN女子MMAルール : 5分 3R(50.8kg)※肘あり]リンジー・ヴァンザント vs. RENA
昨年、忌まわしき思い出を残す大晦日の舞台にRENAが再び戻ってきた。「RIZIN.14」(2018年12月31日)でフランスのサマンサ・ジャン=フランソワと対戦する予定であったRENAだが、体重調整の際に倒れ、過度の貧血および脱水症状と診断を受け試合が中止に。プロとして失格とRENAは自身の行いを恥じた。
そんなRENAの2019年は仕切り直してフランソワとの一戦からスタート(4月21日「RIZIN.15」)。打撃・寝技ともアグレッシブな展開を見せ、判定でRIZINでは476日ぶりとなる勝利を得た。
■NYマジソン・スクエア・ガーデンに参戦も……
復活ロードを歩み始めたRENAは6月14日、ベラトールが聖地マジソン・スクエア・ガーデン(MSG)で行う大会に出場。日本人女子プロ格闘家として初めてMSGで試合をする選手となる。しかしここでリンジー・ヴァンザントと対戦すると、バックを奪われスリーパーで一本負けを喫してしまう。17年大晦日の浅倉カンナ戦でもRENAはスリーパーで一本負けに沈んでおり、再び悪夢のよぎる敗戦に「やっぱり私MMA向いてないわ 悲しませてごめんなさい・・」と試合直後にツイートを発した。
だが、時が経ち落ち着きを取り戻すと、ファイターとしての本性で悔しさがまさってきたか練習を再開する。そして敗戦から4ヵ月後となる10月12日、地元・大阪で行われた「RIZIN.19」(エディオンアリーナ大阪)で再起戦に臨む。
■大晦日、真の復活へ
しかし当初予定された相手が直前で負傷欠場となるアクシデント。急きょ対戦相手となったスペインのアレキサンドラ・アルヴァーレの事前情報は乏しかったが、RENAは問題とせずに初回TKO勝ち。だが緊急参戦のアレキサンドラは準備が十分ではなく、消化不良な感があったのは否めない。
ここからいかに復活へ向かっていくかと思われたRENAだが、復帰第2戦でこれ以上ない相手が用意された。大舞台MSGでRENAを絞め落とし絶望の淵へ追いやったリンジー・ヴァンザント本人だ。
■「5年分の思いを大爆発させたい」(RENA)
前回明確な形で勝利しているだけに、ヴァンザントは「RENAは私とリマッチして大丈夫かしら。ニューヨークでの試合と今回の試合で唯一違うのは、私の勝利者コールを聞く会場の観客だけよ」と自信を隠さない。
これに対しRENAは対戦発表の会見で「半年前は本当に悔しい思いをしました。ただ打撃で相手を効かせることができていたと思うので、今度はミスなく全集中力を注いで、相手にあの時とは別人じゃないかと思わせるようにしたいと思います」とコメント。さらに「5年分の思いを大晦日に大爆発させたいと思います」と、RIZIN旗揚げとともに挑んできたMMAの一つの集大成とする考えを明かした。
勝てば真の復活にこれ以上ない、そして避けて通ることのできない相手。だが、負ければ今後の道が見えなくなる。限りなくリスキーだが、同時にスリリングで興味を引きつける一戦。2019年末、RENAを待つのはハッピーエンドか、あるいはバッドエンドか。
■レスリング王者・美憂vsムエタイ王者アム
[RIZIN女子MMAルール : 5分 3R(49.0kg)]山本美憂 vs. アム・ザ・ロケット
RENAと同じく誇りを取り戻す戦いに臨むのが山本美憂。前回10月の「RIZIN.19」でハム・ソヒと次期挑戦者決定戦を行うも自身初となるTKO負け。王座挑戦が遠のくとともに二重のショックとなってしまった。
早くも再起戦に臨む美憂だが、厳しい相手が用意された。ムエタイで80戦以上の戦績を持ち、WMC女子ミニフライ級王座とWPMF女子ミニフライ級王座を獲得、柔術でも黒帯を巻き17年のアジア選手権をはじめ多くの大会を制してきた、立ってよし寝てよしのアム・ザ・ロケットだ。
今年3月、DEEP JEWELSで日本に初登場したアムはわずか34秒、リアネイキッドチョークで一本勝ち。そして8月、RIZIN王者・浜崎朱加に挑むと、敗れはしたがバックからチョークを仕掛ける場面を作り、そのポテンシャルを見せつけた。10月にも来日したアムは、ここでも腕十字で1R一本勝ち。6戦4勝のうち、勝利はいずれも一本で上げている。
■「もう一度這い上がっていきたい」(美憂)
再起戦にして難敵を迎えるとこととなった美憂だが、「私はMMAでは負けからスタートしてここまでやってきましたので、また経験を積み重ねてこの限られた時間の中でもう一度這い上がっていきたいと思っています」とコメント。高いハードルではあるが、ここを超えればスーパーアトム級戦王座戦線に再浮上できるのは間違いない。
「美憂選手には申し訳ないですが、1Rで一本極めて前回の浜崎朱加戦から成長してる姿をお見せします」というアムの予告は不気味だが、「勝って最高のハッピーニューイヤーを家族や仲間と迎えられるように頑張ります」という美憂がその言葉を実現できるか。
■名勝負再び! 白鳥vs大雅
[RIZIN キックボクシングルール : 3分 3R(62.0kg)]白鳥大珠 vs. 大雅
10月に行われ、両者倒し倒されの激闘となった白鳥大珠と大雅が今大会ダイレクトリマッチで相まみえる(キックボクシングルール)。
10月の第1戦では白鳥が立て続けに3度のダウンを2Rまでに奪取。このままKO、あるいは判定勝利を上げるかと思われたが、大雅が3Rにフックでダウンを奪い返す。その後も両者打ち合いを繰り広げ、ダウンの累積で白鳥が判定勝利したが、会場を沸かせる熱戦となった。
「自分の中では前回の試合は終わっていないと思っているので、その続きを大晦日見せたいと思います」と意気込む大雅に対し、白鳥は「僕的にはもうやる必要がない試合だと思っていましたが、大雅選手がやりたいと言うことなので受けました」とクールに受け流す。しかしその上で「次は僕に勝てると思っていると思うので、今回はきっちり戦って、二度とやりたいと思わせないような試合をしたいと思うので、覚悟しておいて下さい」と突き放した。
熱量の違いが試合に影響を及ぼすか、あるいは白鳥が第1戦前半の勢いで一方的に返り討ちとするのか。天心vs江幡とともに組まれたキックボクシングマッチとして、大会でインパクトを残せるかも注目される。
■流浪の格闘家・石井慧にライト級GPファイナルも
[RIZIN MMAルール : 5分 3R(105.0kg)※肘あり]ジェイク・ヒューン vs. 石井慧
<RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級トーナメント Semi Final>[RIZIN MMAトーナメントルール : 5分 3R(71.0kg)]ジョニー・ケース vs. トフィック・ムサエフ
<RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級トーナメント Semi Final>[RIZIN MMAトーナメントルール : 5分 3R(71.0kg)]ルイス・グスタボ vs. パトリッキー・“ピットブル”・フレイレ
また、オリンピック柔道金メダリストの栄光も今は昔とばかり、クロアチアに住み国籍までクロアチアに変え愚直に強さを求める石井慧はジェイク・ヒューンと対戦。“打倒極”全て兼ね備えたジョニー・ケース、散打世界王者のトフィック・ムサエフ、狂犬パトリッキー・“ピットブル”・フレイレ、ブラジルの新鋭ルイス・グスタボと、世界レベルの強豪4人が残ったライト級グランプリも準決勝・決勝が行われる。
RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級トーナメント
大晦日「RIZIN.20」はどれもメインイベントというべきカードが並んだ全15試合。2019年の締めくくりにその激闘を目撃したい。
対戦カード