和食の魅力を多角的に紹介する大規模特別展『和食 ~日本の自然、人々の知恵~』を国立科学博物館で開催
「和食」の魅力を紹介する特別展『和食 ~日本の自然、人々の知恵~』が、2020年3月14日(土)~2020年6月14日(日)に国立科学博物館で開催される。
本展覧会は、国立科学博物館として「和食」の魅力を紹介する初めての大規模特別展。2013年に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産登録を受けるなど、世界各地で注目を集めている「和食」の魅力を、“日本列島の自然がもたらした多様な食材” “人々の知恵や工夫で作り出された発酵などの技術や調理法”“現代にいたる日本の食の歴史的変遷”などの多角的な視点から掘り下げ、標本・資料等を用いた科学的な解説と、4Kやデジタルアートなどの映像演出でわかりやすく紹介する。
なお、音声ガイドナビゲーターは、日頃から台所に立ち、家族のために料理を振る舞っている俳優の谷原章介が担当する。
映像展示の様子1(イメージ)
江戸時代の屋台の再現(イメージ) 背景画像:「東都名所高輪二十六夜待遊興之図」(部分)東京都江戸東京博物館蔵
野菜や魚介類など250点以上の標本や模型が並ぶ展示室(イメージ)
◆ 監修者からのメッセージ
単独の学問領域・分野によるアプローチでは、「和食」の全容をみるのは困難です。和食の多様な食材は、生物学、とくに分類学や、農学、水産学、発酵学など自然科学の手法によって研究が進められてきました。本展では、国立科学博物館をはじめとする多数の国内機関等による豊富な標本や研究成果が最大限活用されています。和食の歴史に関しても、遺跡から出土する植物の種子や動物骨の分析から、あるいは過去に残された記録をたんねんに読み解くことによって明らかにされてきました。
最近ではこれらにDNA分析や安定同位体分析など自然科学の手法が応用されたいわゆる「文理融合」が進んで、これまでにはわからなかったことも見えるようになりつつあります。食材や資(史)料を集めるのは、フィールドワークの作業が欠かせません。多分野の研究者たちがその足で地道に集めた資(史)料に思いをはせながらご覧いただければ、「和食」への理解もさらに進むのではないでしょうか。
国立科学博物館 副館長(兼)人類研究部長 篠田 謙一
和食文化学会 会長 佐藤 洋一郎
織田信長が徳川家康をもてなした本膳料理(1582(天正10)年5月15日)の再現模型 奥村彪生監修 御食国若狭おばま食文化館蔵
奈良時代の貴族の宴会料理の再現模型 奥村彪生監修 奈良文化財研究所蔵
明治天皇の午餐会(1887(明治20)年5月13日)の料理の再現模型 明治記念館蔵
料理屋番付 江戸時代後期 東京家政学院大学附属図書館大江文庫蔵
イベント情報
会期:
会場:国立科学博物館(東京・上野公園)