ハンブレッダーズ『RUSH BALL 2020』ライブレポート ーー三度目にしてついにたどり着いた大舞台で、オーディエンスと交わした約束と未来
ハンブレッダーズ
『RUSH BALL 2020』ハンブレッダーズ(Opening Act)
距離をしっかり確保するための目安として等間隔に黄色いリボンが結ばれたスタンディングエリアには、準備万端のオーディエンスが待機。そんな期待感の中、SEが流れるなりあたたかい拍手で迎えられたのが、オープニングアクトのハンブレッダーズだ。しょっぱなの「DAY DREAM BEAT」は、晴天の泉大津フェニックスにバッチリハマる爽快感たっぷりのナンバー。昨年、ATMC初日のトリのステージでも1曲目に放ったこの曲が、今では何倍もの大きさの舞台で鳴り響いている。この1年のハンブレッダーズの歩みが如実に現れた幕開けから、疾走感もそのままに「ユースレスマシン」のドライヴするビートに乗せて歌われる蒼い風景が、スーッと胸に沁み渡っていく。
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「『RUSH BALL』、世界で初めてのこういう形のロックフェスらしいです。新しい遊び方を見つけていきましょう!」(Vo.Gt/ムツムロアキラ)と軽快なリズムに乗せた「口笛を吹くように」といい、彼らの楽曲は本当に野外で映える。物怖じすることのない堂々としたパフォーマンスで、次々とグッドメロディを聴かせていく。
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「今日ここに来てくれてる人、そして、来たいけどいろんな理由でここに来れない人、みんなが正しいと思っていて、誰も間違ってないと思います。だからこそ言わせてください。ホントに今日ここに来てくれて、『RUSH BALL』を開催してくれてありがとうございます!」とムツムロ。続けて、2018年の初出演時にATMCで「次はでっかいステージで会いましょう!」と投げかけた言葉がようやく実現した喜びをでらし(Ba.Cho)が語り、「最後には笑ってこのステージに立ってやると、ずっと思って半年を過ごしてきました。諦めなければ絶対にかなわないことはないと、そう思います」(ムツムロ)と、大空に突き抜けるようなアンセム「銀河高速」を歌い上げる。
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そして最後は、「DAY DREAM BEAT」で<ヘッドフォンの中は宇宙>だと知った音楽少年が、<ヘッドフォンの外にも宇宙があったんだ>と気付いた「ライブハウスで会おうぜ」で締めくくる。今の状況だからこそより胸を揺さぶったそのメッセージは、そう遠くない未来でのオーディエンスとの再会を誓う、これ以上ない約束となった。
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取材・文=奥“ボウイ”昌史 撮影=瀧本JON…行秀
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