我儘ラキアが指し示した明日への希望、ファンとの絆を胸に力強く踏み出したツアー初日をレポート

レポート
音楽
2020.9.8
我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

画像を全て表示(14件)

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』 2020.09.05 大阪BIGCAT

「我儘ラキア、始めます!」

幻想的な光とオープニングSE、そしてファンの手拍子に包まれて登場した4人のシルエットがステージ前方に並ぶ。星熊南巫が新しい始まりを力強く宣言すると、激しいビートに拳を突き上げ、「There is surely tomorrow」でライブがスタート。我儘ラキアがライブ活動再開の狼煙を高らかに上げた。

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

本来ならば6月17日・大阪を皮切りに、全国8箇所を回る全国バンドセットツアー『Killboredom TOUR 2020』を開催する予定だったが、新型コロナの影響で全公演が開催延期となってしまった我儘ラキア。3月に出演したイベント以降、ライブの出来ない状況が続き、ファンもメンバーもやきもきする日々が続く中、ツアーファイナルの会場となるはずだった大阪BIGCATを新たなスタート地点とし、『Killboredom TOUR 2020』を再開することを発表。新型コロナの終息も見えず、規制の多い中ではあるが、9月5日(土)大阪BIGCATにて、ついにツアー初日となる約半年ぶりのライブを敢行した。

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

半年ぶりのライブ、公演時間にも規制がある中での開催ということから、個人的には一曲一曲に魂を込め、全力で駆け抜けるような熱いライブになるのでは? と勝手に推測していたのだが。気合い十分で歌い上げた一曲目に続いて始まったのは、4人の和気あいあいとしたMCタイム。怒号に近い歓声やモッシュ&リフトが飛び交ういつもとは調子が異なり、マスク姿で声を上げることも出来ない状況に若干の戸惑いを見せている観客。4人はその気持ちを解きほぐすように、同じ空間にいる人に感謝を示すヨガの挨拶を提案し、メンバーの「ナマステ〜」の声に合わせ、席が近いお客さん同士が笑顔で挨拶をすることに。会場が和やかな雰囲気になったところで、「踊ってもジャンプしても良いから。規制の中でも生のライブを楽しんで! 一緒に踊れますか!?」と始まった曲は「Leaving」。レーザーの照明演出とアップテンポな曲調でダンスフロアと化した会場で観客が振り付けを合わせ一気に生まれた一体感。「My life is only once」では「色んな想いでここに来てくれたのも分かってます。明日からのパワーを思う存分与えますんで、しっかり受け取って下さい!」と星熊が熱いメッセージを届けると、それに応えるようにフロアから大きな拍手が起きる。そうか、半年ぶりのライブに必要だったのはラキアの熱い想いや気合いを一方的に届けることではなく、ライブが出来ることや再会の喜びをファンと共に分かち合い、互いの愛情や絆を確認し合うことだったのだ。

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

「半年ぶりに立ったこのステージ、半年ぶりに握ったマイク。今日この場、このステージに立てたこと、これは奇跡なんかじゃなくて、一歩ずつ積み重ねてきたことで。みんながここにきてくれたこと、それも偶然なんかじゃなくて必然で。こうやってラキアと繋がれたこと本当に幸せに思って欲しいし、みんなのこれからの先にいつでもラキアがいてほしい。」と、ラップで想いを伝えたMIRIの勇ましい歌声で始まった「Trash?」はヘヴィにダンサブルに転調する楽曲を華麗に乗りこなし、「reflection」では「ジャンプジャンプ!」の煽りでフロアを揺らす。バンドサウンドに映える星熊のロックボーカル、女性らしい柔らかさを持つ海羽凜の歌声、MIRIの攻撃的な高速ラップ、川﨑怜奈の野性味あるダンスと、個々の魅力も存分に発揮した「Why?」と、半年というブランクを一切感じさせない堂々としたステージングで、ライブを勢いよく駆け抜けるラキア。席が固定されて密になれない状況も逆手に取って、照明演出や息の合ったパフォーマンスでしっかり魅せるステージから、普段のライブとは異なる印象や魅力も感じさせた。

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

MCでは「今日のライブに物足りなさを感じる人もいると思うし、私たちも正直言えばもっと(前に)来て欲しいと思うけど。こうしてライブが出来たことは今後の私たちの支えになるし、みんなと会うことがこんなに力になるんだってことを感じてるし。みんなもラキアを見れたことが、明日の糧になれば嬉しいなと思います」とライブに込めた想いを伝えたMIRI。「未来は分からないけど、我儘ラキアが未来を作っていきたいし、明日を恐れずにどんな形でも音楽を届けていくという姿勢を見せていきたい」と星熊が意思表明し、披露した曲は「Don't fear a new day」。それぞれが歌詞に想いを乗せて、一人ずつ気持ちを重ねるように歌い繋いでいったこの曲。<僕たちは明日を恐れない>というフレーズが前回のワンマンとは不思議と印象が少し異なり、明日への希望を力強く指し示しているかのように聴こえた。

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

4人の想いが一人ひとりにしっかり届き、会場の気持ちがひとつになったのを感じているとライブは早くも終盤戦。激しいバンド演奏とダンスに星熊のエモーショナルな歌声が映える「rain」に観客がジャンプや手拍子で全力で応え、会場に再び熱気が上がる。疾走感ある「Days」はモッシュやリフトこそないけど、前のめりなほどの観客の熱い気持ちがしっかりステージに届いているのが見て分かり、それを受け取った4人はみんなで手を振り合わせる姿に最高の笑顔を見せる。ラストの「Melody」では本当に楽しそうにアグレッシブなパフォーマンスを見せた4人、観客も拳を上げたり飛び跳ねたりと思い思いの楽しみ方をして完全燃焼。終演後、いつまでも鳴り止まない拍手がライブの大成功を物語っていた。

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

この日のライブを皮切りに、全国ツアーをついにスタートさせた我儘ラキア。ライブが出来ることの喜び、ファンとの絆や愛情を半年ぶりのライブで確認し、新たな気持ちで出陣する4人がツアーでどんな進化や変化を見せ、どう成長するのか? 一歩目を力強く踏み出し、明日を恐れず前進あるのみで突き進む、我儘ラキアの勇姿を見届けたい。


取材・文=フジジュン 撮影=松本いづみ

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

我儘ラキア『Killboredom TOUR 2020』

セットリスト

『Killboredom TOUR 2020』
2020.09.05 大阪BIGCAT
01. There is surely tomorrow
02. Leaving
03. My life is only once
04. Trash?
05. reflection
06. why?
07. Don't fear a new day
08. rain
09. Days
10. Melody

ツアー情報

『KillboredomTOUR 2020』
9月5日(土) 大阪 BIGCAT
10月4日(日) 広島 SECOND CRUTCH
10月17日(土) 愛知 Electric Lady Land
10月25日(日) 北海道 札幌 SPiCE
11月1日(日) 福岡 DRUM LOGOS
11月3日(火祝) 宮城 Rensa
-TOUR FINAL公演-
11月8日(日) 東京 TSUTAYA O-EAST
シェア / 保存先を選択