市川海老蔵「若手にチャンスを与えたい!」 インタビューコメントとともに博多座11月公演の演目と出演者を発表
市川海老蔵
2020年9月11日(金)熊本県の八千代座にて、市川海老蔵『古典への誘い』が開幕したが、同日行われた海老蔵へのインタビュー取材において、11月の博多座『市川海老蔵特別公演』についての演目が明らかになった。
今回は海老蔵自身が「若手のチャンスを増やしていきたい」という気持ちから、2月博多座公演(『羽衣』『ご挨拶』『勧進帳』)よりも演目数を増やした。昼の部は『流星』『勧進帳』、夜の部は『羽衣』『茶壺』『ご挨拶』『お祭り』と華やかな狂言を配し、昼夜別狂言にこだわった。
2月にやり遂げることが叶わなかった『勧進帳』について海老蔵は「2月に満席予定だった6公演が中止となり、約9000人の方にご覧いただけなかった。役者としてやり遂げるため、『勧進帳』はどうしてもやりたかった」と思いを伝えた。
『勧進帳』武蔵坊弁慶=市川海老蔵 (C)松竹株式会社
『お祭り』は「今、このような時代だからこそ出演者全員で“江戸の粋”を皆さんに届けて『待ってました!』とお客さまに喜んでもらいたいです」とコロナ禍においても前向きな意欲をみせた。さらに今回、夜の部のみ海老蔵による『ご挨拶』も行われる。
お祭り 『牡丹花十一代』鳶頭=市川海老蔵 (C)松竹株式会社
また、『流星』と『茶壺』に出演する坂東巳之助について「私と同じように早く父親を亡くし、彼の苦労や辛さは理解しています」と自身との境遇を重ね合わせ、エールを送る一幕もあった。
2月の博多座公演中止について振り返り「十三代目市川團十郎白猿襲名が行われるという前提での公演中止でしたので、本当に悔いが残りました。お客様には遠方からも駆けつけていただく中、満席だった公演が中止となり本当に申し訳なく感じておりました」と無念だったことを告白。
今回の11月公演が決まり「(襲名が延期になったことにより)海老蔵として最後の舞台にならず、再び海老蔵として博多座の舞台に立ち、中止によって公演を観られなかった、お客様の気持ちを少しでも汲める事は、大変ありがたいです」と感謝の思いを伝えた。
市川海老蔵
コロナ禍においては「ネットメディアの必要性を改めて実感した」という。「改めてSNSによる多くのフォロワーに対して情報発信することは必須」と断言し、登録者数31万人を突破したYouTubeチャンネルなどでも意欲的に取り組んで行きたいと語った。
最後に海老蔵は、観客に向けて「福岡・博多座から『勧進帳』でリスタートします。お客様に少しでも安心してご観劇いただけますよう、劇場のご指導のもと、出演者スタッフ皆で最大限の努力をし、感染防止対策を徹底いたします。皆様のお越しをお待ちしております」と締めくくった。