市川團十郎、「映画『国宝』などの影響で歌舞伎に関心が集まっている」いまだからこそHow toを楽しめる公演に挑戦、オフィシャルレポート到着
市川團十郎
10月1日(水)~6日(月)まで博多座、10月10日(金)~26日(日)まで南座にて『市川團十郎特別公演』が上演される。
昼の部は博多座、南座では初上演となる「三升先代萩」で、團十郎が七役早替りにて勤める。「伊達騒動」を歌舞伎化した名作「伽羅先代萩」に、成田屋ならではの演出などを加えた通し狂言となる。夜の部は「Invitation to KABUKI」と題して、華やかな舞踊「二人藤娘」や豪快な荒事「車引」のほか、團十郎自らが舞台上で「暫」の拵えを披露する「荒事絵姿化粧鏡」を上演する。
『市川團十郎特別公演』
公演に先駆けて、両座で2年ぶりの出演となる團十郎が取材会に出席した。オフィシャルレポートが到着したので紹介する。
市川團十郎は公演について「八代目尾上菊五郎さんの襲名や映画『国宝』などの影響で、比較的多くの方が歌舞伎に興味を持ち始めてくださっていると感じています。昼の部「三升先代萩」は2021年以来4年ぶりの上演で、七役早替りを披露いたします。古典のブラッシュアップという形で、初めてご覧になる方、歌舞伎をよくご覧になる方どちらともが楽しめるように作りたいと思います。また夜の部は『Invitation to KABUKI 歌舞伎の世界』ということで、「二人藤娘」、「車引」という二つの古典の演目に加え、『東京オリンピック2020』の開会式で披露した「暫」の拵えができるまでを私が舞台上で披露する「荒事絵姿化粧鑑」という一幕を上演します。通常は幕を閉じて行われる大道具の転換を、幕を開けた状態で皆様にお見せしたり、60キロほどもある「暫」の衣裳の重さを舞台上でお客様にも体験していただいたりと、歌舞伎のHow toのようなものをお楽しみいただけたらと考えています。「暫」は拵えに20分ほどかかりますが、昼の部「三升先代萩」では10秒ほどで違う役に早替りします。まず夜の部をご覧になったうえで、昼の部をご覧いただけるとそんなギャップもお楽しみいただけるのではないでしょうか」と説明。
また、海外からの来場者に向けて「男性が女性を演じる“女方”は歌舞伎独特の演劇形態で、「二人藤娘」では若手の大谷廣松と中村虎之介の2名で女方を演じます。続く「車引」は豪快な荒事というパワーパフォーマンスを楽しめる演目。舞台上での体験ではぜひ海外の方にご参加いただいて、歌舞伎の世界を体感していただければと思います」と語った。
『市川團十郎特別公演』は10月1日(水)から博多座と南座にて上演。
公演情報
【昼の部】A席 15,500円/特B席 13,000円/B席 10,000円/C席 5,500円
【夜の部】A席 14,500円/特B席 12,000円/B席 9,000円/C席 5,000円
一等席 15,000円/二等席 8,000円/三等席 5,000円/特別席 16,000円
通し狂言 三升先代萩(みますせんだいはぎ)
仁木弾正
不破伴左衛門
足利頼兼
絹川谷蔵 團十郎
乳人政岡
荒獅子男之助
細川勝元
口上
名古屋山三 虎之介
渡辺民部/大江鬼貫 九團次
栄御前/渡辺外記左衛門 市蔵
八汐/板倉采女 右團次
【夜の部】
『Invitation to KABUKI 歌舞伎の世界』
一、二人藤娘(ににんふじむすめ)
藤の精 廣松
藤の精 虎之介
三、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
梅王丸 虎之介
桜丸 廣松
杉王丸 新十郎
金棒引藤内 升三郎
松王丸 九團次
藤原時平 市蔵
四、荒事絵姿化粧鑑(はなのえすがたけわいかがみ)
市川團十郎『暫』の拵えを舞台にて相勤め申し候